Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

またピアノを弾くことにした

先週の日曜日の話になる。約1年振りにピアノ教室に出掛けて来た。前に習っていた先生が退職した関係で、ほぼほぼ1年ピアノを弾かずにいた。
家でたまに唯一のレパートリーである「セントルイスブルース」を弾いたりもしていたが、とてもこれではピアノが趣味です、普段ピアノを弾いていますとは言えない。
ギターに関しては旧友とやっているローリングストーンズのカバーを主体としたアコースティックギターデュオがある。ドラムはブルースバンドに所属している。Saxは普段レッスンを受けている。また定期的にセッションに参加する機会も最近得た。
つまり、これらの楽器は好むと好まざるに係わらず、演奏する場が無条件に発生する。それに比べてピアノは何もない。レッスンを受けていないし、バンドにも参加していない。そもそも俺のピアノの腕では、バンドには参加不可能だ。

趣味に対して強制力というのも変な話だが、やはり人間は怠ける生き物だからある程度の圧力は必要。ギターだったら、サボる訳にはいかない。きちんと演奏出来なければ旧友に対して迷惑が掛かる。ドラムも同じだ。叩けなければ、メンバーに申し訳が立たない。Saxに関しては、レッスンで先生から宿題が出るのでやらないという選択肢はない。無論、Saxレッスンは大人のレッスンだから「すいません。前回のレッスンからSax吹いてないです」と言うのは可能だ。ただ、それをやると先生が「ではレッスンで復習をやりましょう」となる。
正直、レッスンでそれをやると時間と金が勿体ない。復習は個人練習で出来るのだ。個人で復習が出来ると先生も判っているから、宿題にするのである。
それなのに、個人で出来る練習をレッスンでやってしまうのは無駄以外の何物もでもない。金以上に時間が勿体ない。そういった暗黙のプレッシャー(このプレッシャーは悪いものではない)があるから、週末になると俺はカラオケボックスに行ってSaxを吹くのだ。
というか、そもそもSaxを吹くのは楽しい。いや、ドラムやギターも演奏していると楽しいのだけれど。

そういった中で、やはり自ら触れないとピアノは何もない。強制力もなく、仲間へのプレッシャーも何もない。放置したところで誰にも迷惑を掛けないし、何ら困ることはない。
唯一、俺自身が「ああ、もうずっとピアノ弾いてねえなぁ…」と時々悲しくなるだけだ。

だったら、やればいいじゃん。
そう思うのは簡単だ。人はやはり弱いのである。何も圧がない状態でピアノに向かう余力は俺にはない。ある程度ピアノを恒常的に弾くためにはレッスンが必要不可欠だ。
そもそも今の俺だと、ピアノで引っ掛かった時に、自力で前に進めない。その場で立ち往生してしまうレベルなのだ。

ピアノを始めてもう5年目になるが、途中何度も空洞期間があるから、実際には3年弱くらいしか弾いていない計算になる。俺がピアノを始めたのは札幌に引っ越してからだが、最初の2年くらいは自分が何をやりたいのかよく判っていなかった。だから、札幌時代に弾けるようになった曲は今は全く弾けない。
三歩進んで二歩下がる、なんて言葉があるが、俺の場合は、一歩進んで三歩さがるといった感じか。

ギターだったら、仮に10年演奏しなくても、Fのコードが弾けなくなることはない。
ドラムも、例えどれだけドラムセットに触れなくても、エイトビートが叩けなくなることもない。
Saxを暫く放置していても、いきなり音が鳴らなくなることもない。

だが、ピアノは違う。この1年でほぼ何もやらなかった。そして1年前にやったことが今も出来るかと言えば、簡単なコードが押さえられるくらいか。「セントルイスブルース」に出てきたコードくらいだ、弾けるのは。

やはりレッスンを受けて、「今度はこれをやりましょう」「今の貴方のレベルだと、これをやるのが良いです」と指針を出してくれる人が俺には必要だ。
レッスンでは、何か凄い特別な指導を受けたのではない。俺が1年前に購入して放置状態になっていた「ブルースピアノ入門」という教本の最初のページを開いて、始めたに過ぎない。

本当に俺に滅茶苦茶やる気があれば、独学でも可能だと思う。だが、独学でブルースピアノを弾けるようになるだけの気力、体力が俺にはない。
若い美人の先生のレッスンが俺には必要だ。ん? なんか違うか?

とりあえずまたピアノレッスンを受けることが出来るようになった。そして日曜の夜には早速家で1時間も練習をするようになった。
いつまで続くかは判らないが、やはりこういったモチベーションを上げる燃料が俺には必要なんだよな。

ピアノの先生が美人なのは、俺のピアノのモチベーションには一切影響は与えていないからな。本当だぞ。