Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

2番じゃ駄目なんですか?

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前にSax奏者としてあるバンドのメンバー募集に応募したと書いた。残念ながら、既に応募があって断られたという悲しい結末ではあった。だが、そのバンドの募集人から「コロナの影響で練習が延期となり、まだ応募した方と初回リハーサルを実施していません。初回リハでその人を確認してから、また連絡する形でも良いでしょうか」というメールが来た。
どういうことか。
そのバンドにSaxで応募した人(仮にAさんとする)は、Sax歴が5年程度だと言う。俺は応募する時に、歴が15年程度あり、譜面がなくても音源があれば自分でSaxパートを考える(アレンジする)ことは出来ると伝えていた。過去に実際にセッションで演奏した曲の主だったところも記載する。これを書くことで、俺の演奏能力の想定が出来るし、俺の好みのジャンルも同時に伝えることになる。その場でアドリブをやれと言われると難しいが、予め考えておけば、ソロなども対応出来るともメッセージには書いてアピールすることも忘れない。また、過去に俺が演奏したSax動画のリンクも添付はしておいた。
きっと、Aさんは自分のSax歴と過去にどういった事をやってきたか程度しかプロフィールとして書いていないのだと思う。AさんはSaxの演奏音源も送っていないのだろう(持っていないのかもしれない)。あくまでも推察だが。
つまり、バンドとしてはAさんの力量が判らないのだ。それに比べると、俺のほうが、「こいつはこの程度は出来る、これは無理だろう」という判断がし易い。俺がAさんよりも上だと言いたいのではない。俺のほうが、Aさんよりもバンドにとって、イメージし易いSax奏者であるというだけの話。

当然の話として、Aさんが先に応募したのだから、バンドとしてはAさんと合わせてみて、やれるかやれないかの判断をする必要がある。この場合の「やれる、やれない」というのは単純な楽器の技量の問題もあるが、バンドメンバー間の相性みたいなものもある。相性というものには正解はない。こればかりは、純粋に合う、合わないだ。俺が今ドラム担当でやっているブルースバンドの発起人であるK君とは、会って数回で自然な空気を作ることが出来た。それが相性という奴だ。合わない奴とは100回会っても、良い雰囲気を共有出来ない。
バンドとしては、Aさんをバンドメンバーに迎える事になれば何も問題はない。だが、もしAさんに対してNGの判断を下した時に、保険が欲しい、滑り止めが必要だ。俺がそのバンドにとってのリスクヘッジという代物なのだろう。

俺が応募したのは歌物バンドである(ボーカルがいる)。そういったバンドに対してのSax奏者の応募はそう多くないだろう。ジャズ、ファンク、ビッグバンド系ならSax奏者の応募はそれなりにあると思う。だが、歌のバックでボーカルに合わせて吹くつもりのあるSax奏者の数は限られるんじゃないか。想像だけれども、それほどズレてはいないだろう。
そして、もしAさんが駄目だった場合に次の候補者を探すのは簡単ではない。だとしたら応募してきた俺をいわゆる「キープ」しておきたいと思うのは自然な考えである。俺がバンドメンバーだったらそう考える。
これを卑怯と考える人もいるだろう。公平でないと感じる人もいるかもしれない。だが、「出会い」なんてものは、多かれ少なかれそういったものなのだ。俺はやったことがないから判らないけれども、マッチングアプリだって、そうやって第1希望、第2希望と優先順位を付けて会ったりするんじゃないのかね?(知らんけどさ)

俺自身が「ふーん、俺は2番目か」と思って、このバンドに「こっちからお断りだ」としないのは、単純に今はオミクロンでバンド活動が出来ないからというのも理由としてある。
また、俺自身がドラマーとしてブルースバンドで活動している、ギタリストとしては友人とのアコースティックデュオもある、2つのバンドをやっているというのも関係している。
俺がSaxしかやっておらず、「ああ、早くバンドに入りたい、演奏したい」と思っていたら、そんな「あの娘に振られたら、お前とデートしてやってもいいよ」みたいな扱いには耐えられないだろう。
また、先日書いたようにSaxでセッションを経験出来たのも大きい。セッションに参加したのは本当に久しぶりだったが(2年振りくらいか?)「こうやってSaxを続けていれば、時々好きなジャズ吹けるんじゃねえのかな」と思えたことも大きい。

つまり楽器演奏に関して、俺自身に余裕があることが、2番目でも我慢出来る要因なのかもしれない。
よく既婚者はモテるという。それは、異性に対してガツガツしていないからだ、という人もいる。恋人がいなければ「彼氏(彼女)欲しいなぁー」となって、それが余裕のある振る舞いを失くすというのは、感覚としては判る。

正直言って、俺がAさんの代わりにそのバンドに入れるのか、或いはやっぱりごめんなさいされるのかは判らない。俺自身が「このバンドは違うな」と俺から断りを入れる可能性もゼロじゃない。だが、今はどちらでも良い気がしている。
こういったものは縁だ。縁がなければさようならだし、縁があれば誘って貰えるだろう。縁というのは自分で引き寄せることも可能かもしれないが、俺は偶然の産物だという気がしている。
だとすると、その縁に関しては、とりあえず今は他力本願で行くことにする。

そもそも、ドラムとギターで手一杯なのに、Saxでバンドやってる余裕あるのか?という気がしなくもないが。
(ピアノはどうした?)

おまけ。前回のセッションでやった"Five Spot After Dark"(ソロにジャズのエッセンスの欠片も感じられないのが我ながら恐ろしい)

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