Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

リモート部屋探し

相方からLINEで、部屋探しの情報がやってくる。
「もう引き継ぎしちゃったから、暇なんだよねー」とは相方の言葉。それは羨ましい事である。
去年の6月に、俺は札幌から東京に戻って来た。そして相方は札幌に残った。二人の別居生活も今月で終わりを迎える。来月から、また一緒に暮らし始めるのだ。
その為の部屋探しの真っ最中。

今月の四連休、後半二日に相方が東京にやって来て、一緒に部屋探しをする予定になっていた。だが、相方はネットを通じて部屋探しを既に始めていた。
「ここ、どうかな。もし可能なら明日下見に行ってくれないかなー」相方が言う。
リンクをクリックすると賃貸住宅検索サイトの情報ページに繋がる。部屋の中に階段がある。へー、メゾネットタイプって奴か。二階がLDKで十八畳もある。広いなあ。三階に二部屋だ。これは随分と広い。広すぎて、もてあましそう。
翌日の朝、相方からまたメッセージが入った。
「昨日の奴、観に行かなくていいよ。住所調べたら、高架線の真横だった。きっとうるさい」
ああ、だから家賃が相場よりも安かったのか。

さらに相方から別の物件の情報が来る。
「ここ、景色凄くいいみたい。でもねえ、ここきっと事故物件だな。送られてきた写真見たら、人が死んだ雰囲気がある」
ああ、そうなのか。それはまずいな。相方はいわゆる「見えてしまう人」だ。その物件で暮らしたら、相方は日々、そういった「者(物?)」と対峙しなくてはいけない。それは無理だな。
「じゃ、やめよう。お前はそういうのが見えるから、無理だろ」
※こういう特殊能力の有無については、信じる人、信じない人、色々だと思う。だが、俺は相方の真横で、相方がそういったものを見たのを経験しているのだ。信じる信じないという事じゃない。実際に俺は経験しているのである。

さらに別の物件の情報。
「ここはまだ人が住んでる。だから内見は出来ない。でもねえ、人によっては見取り図だけで決めちゃう人もいるから、もしかすると取られちゃうかも」
「見取り図だけで決めるの? 博打だなあ。最悪でも外見はチェックしておいたほうがいいんじゃないか」
「じゃあ、明日観に行ってくれる?」
という遣り取りをしたのが昨日。了解する。相方が札幌にいる以上、俺が実際に現地に行くより他に手はないのだ。

今日の朝、九時頃に家を出る。物件は神奈川県川崎市の****。最寄り駅まで一時間程掛かって到着。駅に着いてから、相方に「****に着いたよ。今から行ってみるね」とメッセージを送る。
Googleマップを使って物件の住所を検索。非常に判り易い道筋。不動産屋情報だと、徒歩10分。実際にちょうど10分で到着した。駅からマンションまでは住宅街を通る。
途中に店やコンビニは一切無し。これは暮らすとなると、買い物は駅前のスーパーとかで済ませないといけないな。

建物自体は悪くなかった。ベランダからの景色も最上という訳にはいかないが、隣の建物とかと隣接もしていないし、開放感はあるだろう。
それらの情報を写真に撮って相方に送る。
相方とLINEで遣り取り。

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「どうする? ここに決めちゃうか。部屋の中見てないけどさ」
「うん。今日申込しないと、取られちゃうかも。これはきっと運と縁だと思うんだよね」
「そーだな。暮らして、どうしても違うとなったら、また引越すればいい」
俺達は、内見せずにこの建物で暮らす事を決めた。

俺と相方が一緒になってから、暮らしたマンションはトータルで三軒(東京で二軒、札幌で一軒)。その全ては一緒に内見をして、互いに納得した部屋を選んだ。賃貸とはいえ、俺達二人で暮らす部屋だ。
ある程度の妥協はあるが、また逆にある程度は希望を満たしていなくては無理である。

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今回は部屋の内見をせずに決めた。相方が札幌にいる以上、下見をするのが難しい。これはこういった状況である以上、いかんともしがたい。俺も19歳から賃貸物件で暮らしてもう30年以上になるが、内見しないで部屋を決めたのは初めて。
ま、こういった事も長い人生、きっとあるだろう。

駄目だったら、また引っ越せばいいさ。金は掛かるけれど。札幌行く時だって、「駄目だったら、東京に戻ってやり直せばいい」そう思って札幌へ行ったじゃないか。それと同じさ。
俺と相方の年寄二人暮らし。身が軽いのがメリット。二人が健康なら、どう転んでも、なんとかなるさ。ケセラセラだ。