Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

一度上げた生活レベルは簡単に落とせないということ

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一度生活レベルを上げると、下げるのが難しいという話はよく聞く。
確かにそうなのかもしれないと、最近しみじみ思っている。

相方と一緒になって12年。その間に住んだ物件は、東京時代に二軒、札幌で一軒の計三軒。
初めて二人で暮らしたマンションは2DKだった。三階建ての三階角部屋。リビングが南西の方角。部屋の下見、引越しをしたのが2月だったから「陽当たりが良いし、角部屋だ。悪くないんじゃない」と二人で納得した。
そして、夏が来て死ぬ程後悔した。最上階の南西角部屋は、夏の時期はサウナである。仕事が終わって帰宅すると、部屋の中の熱が全然下がっておらず、窓を全開にしても、熱気で淀んだままだった。

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その部屋には四年住んだのかな。契約更新の時、相方が「今の部屋飽きたなー。新しい処に住みたい」と言い出したので、別のマンションに引っ越した。こちらは、14階建ての13階の部屋。相方が「DKが広い部屋がいい」と言い出して、1LDKの部屋にした。
ここは建物や部屋の作りは古かったが、景色が良かった。が、古い建物なので窓ガラスが薄く、冬は窓際が寒い。この部屋は東向きだったから、真夏の灼熱地獄はなかった代わりに、冬の寒さが辛かった。

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帯に短し、襷に長しじゃないけど、なかなか全てがOKって部屋は無いよな。何かを求めると、代わりに別の部分を妥協しなくちゃいけない。

そして札幌へ引っ越した。札幌で部屋の下見をして思ったのだが、やはり東京は家賃が高い。札幌が安いというべきなのか、東京が高いというべきなのか、どちらなんだろう。やっぱり東京が高いんだよな。
札幌は家賃が東京よりも安かったから、相方は「2LDKの部屋に住みたい」とリクエストした。東京で2LDKに住もうと思ったら、それなりの家賃を払わないと無理だ。だが、札幌だと思った以上に安い賃料で住める事が判った。

新築の2LDK。駅から徒歩7分。ベランダから手稲山が見える良い部屋だった。陽当たりはあまり良くなかったけれど、札幌は天気が変わりやすいし、それはマイナスポイントにはならなかった。
何と言っても部屋が広くて綺麗なのが良かった。角部屋ではなかったが、壁が厚かったのか、隣の部屋の物音や話し声が聞こえてくるという事もなかった。住人のマナーが良かったというのもあるかもしれないが。
東京で同じ条件の部屋を借りようとしたら、札幌よりも最低でも5万から6万は多く払わないと無理だろう。

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ただ、それが逆に今は足かせとなっている。相方の東京帰還が現実のものとなってきた。相方と二人で「今度は何処に住もうか。どの程度の部屋で暮らそうか」と相談した時に、相方は「多少駅から遠くても良いから、広い部屋。これは譲れない」と言い出した。
これは間違いなく、札幌の広い部屋で暮らしてしまった弊害だ。2DK→1LDK→2LDKと暮らしてしまったら、今更1LDKや2DKの部屋には住めないということだ。
相方は俺と一緒になる前は、1Kのボロアパートに住んでいたから、着実に部屋のレベルはアップしているのだ。どこかで一度ダウンさせれば良かったのかな。

とは言え、俺も札幌時代のマンションの恩恵は受けた。「電子ピアノが置けて、サックスやギターをスタンドに掛けておける部屋」を手に入れられたからだ。そこで自由にピアノを弾いたり、ギターの練習をすることも出来た。人間、一度そういった良い環境を知ってしまうと元に戻るのは難しい。

勿論、今、俺は仕事があって、相方も働いているから、そういった理想や希望を語り、それを現実のものとする事が出来る。いつかは今みたいな暮らしは出来なくなる。それは間違いない。
将来の来るべき日に備えて、今から贅沢を控えるというのも考え方としてはありだと思う。だが、俺達いつまで生きていられるか、そんな保証はどこにもないのだ。
今、ささやかな贅沢が出来るのだとしたら、それを求めるのは悪いことじゃないだろう。