Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

あと三ヶ月

気付けば、あと三ヶ月となった。
三ヶ月後、相方が東京に戻って来る。俺が東京に戻って一年。別居生活はこのままいけば、一年と四ヶ月で終了となる。

4月に相方の手術の為、札幌に行った。その時、相方から「10月には東京に戻れる見込みだよ」と聴かされた。俺達が札幌に行く前、相方は医療系コンサル会社の営業部で働いていた。それなりの仕事を任されているらしく、俺が札幌に行く時も「一緒に行くのは無理だよ。ちゃんと仕事を片づけてからでないと(札幌には)行けない」そう言われた。
それは仕方のない事だ。納得した。2016年12月、俺は独りで札幌に行った。そして四ヶ月遅れで相方が札幌に来た。そして何度も書いているが、去年の6月に仕事の関係で俺は独りで東京に戻った。
相方は当時、医療コンサル会社の札幌支社の立ち上げに関わり「当分は東京には帰れない。札幌支社で結果出さないと、東京本社に受け入れて貰えない」そう言った。
これまた仕方のないことだ。俺は了解した。俺達の札幌生活のスタートとエンドはどちらも別居生活である。

「ふーん。10月に東京(本社)に戻れるの?」
「なんか、10月には帰ってきて欲しいんだって。本社のお偉いさんに言われた」
相方は、俺なんかよりも、仕事人(しごとじん)としては、よっぽど能力がある。多分にかなりの人たらしなところがあるのだと思う。相方の勤める会社は、大阪、福岡にも支社がある。そこには、魑魅魍魎なお局様達が大量にいて、その人達と上手く仕事を回せるか否かが、重要なのだと言う。ま、年齢的に言えば、相方も充分にお局様(というか、妖怪のレベルだな)なんだが。

札幌に行く前は、東京の東に位置する江戸川区というところに住んでいた。そして二人バラバラに札幌へ引っ越した。今、俺は東京の西に住んでいる。相方が東京に戻ってきたら、今度は神奈川県に住もうと言う事になっている。何故なら相方の職場に便利だからだ。
俺はプロジェクトが変わる度に勤務地が変わる職種だから「ここに住みたい!」というのが特にない。ま、なるべくアクセスの便利な場所が良いというのはあるけれどもね。

何度か書いているけれども、相方は東京生まれの東京育ち。そして東京の西で生まれ育った。俺と一緒になるまで、東京の東側では暮らした事すらなかった。江戸川区(東京に土地鑑のない人に説明すると、ディズニーランドがある浦安の近く)は海が近い。相方は俺と暮らし始めてから「なんか海の匂いがする」とずっと言っていた。
江戸川区に20年以上住んでいた俺は、そんな事にはさっぱり気付かなかったけれど。
相方は江戸川区に引っ越しただけで、ある種のホームシックになっていた。そして札幌に行ったら、今度は東京へのホームシックに罹った。ま、これは仕方ないだろう。友人もおらず、12月から4月の頭まで雪の降る北国を、40代後半で初めて経験したのだ。そりゃホームシックにもなるわな。

江戸川区では、UR賃貸に住んでいた。古い物件で、窓ガラスが薄く、冬は寒かった。14階建ての13階に住んでいたのだが、運良く上の階の足音や騒音に悩まされる事はなかった。ずっと空室だったのだろうか? ただ、東京江戸川区はインド人居住率が滅茶苦茶高く、俺達が住んでいたマンションも、日本人よりもインド人のほうが多かった。
エレベーターでは、日本人に遭遇する機会よりも、インド人に遭遇する回数のほうが圧倒的に多かった。
隣の部屋もインド人家族が住んでいて、換気扇を通して、いつもインド料理の匂いが流れていた。相方はそれが苦手だったらしく、「あの匂い嫌いだなー」といつも言っていた。

俺はインド人差別をするつもりはないが、確かにインド人はみな、ちょっと日本人には馴染のない、強い体臭を持っていた。あれはスパイスの効いた料理を普段食べているからだと思う。アメリカ人が獣臭いのと一緒だ。これは他国からすれば、日本が醤油臭いってのと同じような感覚だろう。
UR賃貸は古くてボロだったが、唯一良かったのがベランダからの眺めだ。さすがに13階から眺める景色は悪くなかった。今後、こんな景色の良い部屋に住むことは多分ないだろう。下の写真はUR賃貸のベランダから見た夜景と、ベランダに飾られた花(無論、花を飾っていたのは相方)。

f:id:somewereborntosingtheblues:20200706231337j:plain

f:id:somewereborntosingtheblues:20200706231404j:plain

今月、相方が出張で東京に来るのだ。休みを利用して、神奈川の街を下見に行こうと言う。まだ部屋を見るには早い。要するに「この辺りの街の雰囲気を知っておきたい」というのが狙い。
「ずっと東京で生まれ育ったのに、札幌で暮らして、今度は神奈川かー」相方は面白そうに言った。まあ、札幌と違い、神奈川なら古い友人にもすぐに会いに行ける。だから、問題ないのだろう。

札幌に行く事を決めた時、俺は60歳までは札幌で暮らす予定でいた。それが三年で東京に戻り、そして一年数ヶ月の一人暮らし。ついで、今度は神奈川に住む(予定)。
人生なんて、本当にどうなるのか、判ったものじゃない。

となると、まだまだ一波乱、二波乱、俺の人生にはありそうだ。
覚悟しておこう。