Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

趣味は遺伝しない

俺は平気でblogに自分の写真とか載せている厚顔無恥な男なので、俺とリアルに会った事がなくても「こいつ、だいたいこんな雰囲気の見た目なんだな」というのは判って頂けるかと思う。
俺は親父に似ているらしく(自分では判らない、というか認めたくない)、親戚や実家の近所の人からは「良く似た親子だねえ」としばしば言われた。
俺が身長177センチ、親父が170センチ。共に中肉中背。大学生の頃とか帰省して庭にいると、近所のおばちゃんに「あらま、お父さんがいたのかと思ったよ」と言われたものだった。
姿形はかなり似ているのだな。俺の顔のエラを滅茶苦茶張った造形にすると親父の顔になる。
中学生の頃は(思春期だったから)「親父みたいにエラが張ったら、どうしよう?」と悩んだものだった。若いって素晴らしいね(笑)

性格的な部分でもやはり似通っている。俺も親父もかなりの小心者だ。親父を見ていて「ああ、この人、気が小さいんだなぁ」とガキの頃は思っていた。そして自分もそうである事に気付き、これは血なんだと納得した。
また、親父は異常な高所恐怖症だ。何年か前に親父とお袋が東京に遊びに来た時に、俺と相方でスカイツリーに連れて行った。最上階で記念写真を撮ったのだけれども、親父はビビッて窓際に立つ事が出来なかった。
俺は大笑いしていたけれども、実は俺も結構な高所恐怖症である。俺のほうが、親父よりは軽症かな、という程度。

札幌に行く前、俺と相方はマンションの13階に住んでいた。そのマンションは廊下が外廊下。で、俺は廊下を歩く時、外側が怖くて歩けなかった。いつも内寄りを歩いていたのだ。
相方は「このマンションはボロいけど、景色だけは最高だねー」と喜んでいたが、俺からすれば恐怖しかなかった。

若い男女のデートのパターンで、遊園地に行ってジェットコースターや観覧車で親密になるというのは王道かと思う。だが、俺にはそれが当て嵌まらなかった。ジェットコースターは高さとスピードの二段攻撃でそもそも駄目だ。そして、観覧車。あの床が地面に密着していない状況というのは恐怖でしかない。
過去に女性と二人きりで観覧車に乗った経験は何度かある。だがその度に降りる頃は顔が青ざめて気分が悪くなっていた。一度なんか、降りてすぐにお手洗いに行って吐いてしまった程である。
世の高所恐怖症の方達は、デートの時にどうやって観覧車の問題に対処されているのであろうか。御教授願いたいものである。
てゆーか、もう女性と観覧車に乗る機会なんかないけどな。ちなみに、最後に観覧車に一緒に乗った女性は相方だ。葛西臨海公園の観覧車に乗ったのであった(昔、葛西臨海公園近くに住んでいたから)。

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外見、内面で俺が親父から受け継いだのはこのくらいかな、自覚しているところでは。
趣味的な部分、遊びの部分では、俺は全く親父とは似ても似つかない方面に面白さを見出した。親父の若い頃の趣味は釣りだった。俺が三歳くらいの時、釣りをしている親父とのツーショットのモノクロ写真があった。
小学生くらいの時に、釣り堀とかに連れて行って貰った事が何度かあったが、俺は釣りの面白さが判らなかった。結局、判らず仕舞いで終わった。
何十分もじっと垂れた釣り糸を見ているのが退屈で仕方なかったのだ。

そして家には、レコードプレイヤーもカセットデッキプレイヤーもなかった。俺の親父は音楽には一切興味が無かった。テレビの音楽番組くらいでしか音楽を聴いた事がなかったと思う。
俺は小学校高学年辺りから、レコードを買うようになり、レコードプレイヤーはお年玉で買った。偶々運良く、親父が町内会の会長になったのでラジカセを購入した(ラジカセで夏休みのラジオ体操とかを流す為)。そのお蔭で、従弟や同級生から借りたレコードをカセットにダビングして聴ける環境が出来た。

 小学生の頃は、歌謡曲がメインだった。中学に入って、俺は洋楽ロックを聴くようになった。ギターが弾ける同級生にギターを教えて貰って、ギターを弾き始めたのは中学二年生の時だ。そして、ジャズを聴くようになったのは20代後半になってから。

今思い返してみても、あれだけ音楽に興味のなかった親父の息子が、音楽が大好きで、ギター、サックス、ドラムス、ピアノを手慰みにしているというのも面白い話だと思う。
趣味ってのは遺伝しないのだ。不思議な話である。