Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

15歳の俺へ。EAGLESの「Hotel California」を弾いた

音楽の趣味というものは、かなりの割合で自分の兄や姉の影響を受けることが多いと思う。俺は長兄だったので、そういう意味では影響を与えてくれる人がいなかった。
運良く、3つ年上の従弟が実家の近所に住んでいて、俺によくアナログレコードを貸してくれた。俺が中学生の頃だ。
その中に中島みゆきのアルバムが何枚かあった。そこから俺は中島みゆきのファンになり、「ホームにて」という曲を聴いて、ギターを弾けるようになりたいと思った。
同級生のY君はギターが上手く、俺にギターの弾き方を教えてくれた。そればかりか、一緒に本屋に行って買うべきギター教本も示唆してくれた。
従弟とY君がいなかったら、俺はギターを弾いていなかっただろう。

15歳になって、高校に入る頃は中島みゆきよりも洋楽ロックに夢中になっていた。持っていたギターもアコースティックギターからエレキギターに替わった。ただ残念なことに、俺はギターの才能がまるでなく、弾ける曲が一向に増えなかった。
その中にEaglesの「Hotel California」があった。俺が買ったギター教本に楽譜が載っていたのだ。俺は格別Eaglesのファンにはならなかったけれども、この「Hotel California」のギターソロには痺れた。2人のリードギタリストが交互にソロを取り合い、最後は美しいアルペジオ(分散和音)演奏をハモるのだ(ハモる:一つのメロディに対して違う音程で進行してハーモニーを作っていくこと)。 f:id:somewereborntosingtheblues:20210427161100j:plain

(この写真は2011年9月にLAに旅行した時に撮ったもの。Eaglesの「Hotel California」のモデルとなったホテルである)

「よし、Hotel Californiaを弾けるようになろう!」15歳の俺は練習を始めた。
そして挫折した。
譜面もあり、音源もある。その通りに弾いているつもりなのに、まるでHotel Californiaのソロにならなかった。何故だろう。理由は今でも不明だ。この曲のソロは確かに格好良いが、難易度で言えばそれほど高いものではない。弾けない俺が言うなって話ではあるが。本家のニュアンスや味、そういったトータルの雰囲気までも表現するとなれば話は別だが、とりあえず同じ音、同じリズムで弾けば、それっぽくは聴こえる筈だった。
だが、そうはならなかった。単純に経験が足りなかっただけの話だと思う。だから、地道に練習を続ければ弾けるようになったと想像するのは難くない。
俺はあっさりとこの曲を諦めて次の曲へ行った。この諦めの良さが俺の欠点だ。後年、女性から「貴方はしつこいのよ!」と言われるようになったのとは好対照である。

去年、川崎に移り住み、久しぶりにギターを手にするようになった。「たまにはギターを弾こう」そう思い立った。でも、ただコードを弾いているだけでは、仕方がない。何か自分の中で課題曲を決めて、それを弾けるようにしよう。
「Hotel California」を弾けるようにしようという考えが浮かんだ。というよりも、まずこの曲をやるのが一番自然な気がした。

15歳の俺が挫折した曲を53歳の俺がリベンジだ。
結果として、53歳の俺もどうやら返り討ちに遭った気がしなくもない。だが、15歳の時はまるで形にならなかった。今はとりあえず「ああ、Hotel Californiaのソロを弾いてるつもりなのね」程度にまではなった気がする。

www.youtube.com相変わらずミスが多くて、気が狂いそうになるのだが、これが俺の実力だ。その辺りは装飾しても意味がない。ただ、少なくとも15歳の俺に対して「おい、一応なんとか弾けるようになったぜ」とは言えるかもしれない。
生意気な15歳の俺からは「おっさん、もうちょい何とかしようぜ」という憎まれ口を叩かれる可能性もかなり高いけれども。
さて、次は何を弾こうかな。