Some Were Born To Sing The Blues

酒好き(2017年秋に断酒を宣言)、音楽好きな中年のおっさんの日々の呟き。趣味はテナーサックスとドラム。2016年冬に50歳目前で札幌に引越し、2017年春にピアノを始めました。そして2019年6月に東京暮らしを再開。生々流転の日々です。

メキシコ旅行12 2018/11/07 旅行最終日 ソチミルコで湖のボート下り

ついに旅行最終日。この日が来てしまった。
毎度の事だが、旅行の時間が過ぎるのはあっという間だ。一ヶ月くらい滞在出来たら「あー、もう飽きた。早く日本に帰りたいなー」となるのであろうか。宝くじでも当たらない限り、そういった贅沢な旅行はまず実現しないので、机上の空論だけど。

そして今日は、昨日行けなかったソチミルコに行かねばならぬ。湖のボート下りをするのだ。何しろ、相方がメキシコシティでやりたかった事のうちの一つなのだから。
うちらが滞在していたホテルは、入り口近辺にカフェがあって、泊り客は24時間ここで無料で珈琲、ソフトドリンク、サンドイッチが注文出来る。良いサービスである。
前から気になっていた、ホットサンドをこの日の朝食にする。ビュッフェの朝食よりもずっと美味かった。もっと早く食べれば良かったと後悔。

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食事を終えて、メトロ(地下鉄)へ向かう。今日もストリートではサックス奏者を見る事が出来た。ちょうど、俺達が通りかかった時、彼は「Tears In Heaven」を演奏していた。うーむ、やっぱりサックスでバラードをやると嵌るんだよなあ。いいなあ、俺も今度、「Tears In Heaven」吹こうかな。

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「死者の祭り」をやっていたソカロ広場はもう次のイベントのセッティングをしていた。残念ながら、今日の夜10時にはここを出なくてはいけないので、俺達は次のイベントを見る事は叶わないのだけれど。残念。

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街角に制服警官が立っているのをよく見かけた。両替をした銀行の前にサブマシンガンを持った警官を見る事もあった。俺は札幌に来て二年になるけど、俺がこの二年で札幌で見かけた警官の数より、ここメキシコシティの9日間で見た警官の数のほうが多い。それだけ、札幌が安全で、シティは危険という事になるのかな。

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メトロの2号線の終点まで行く。今日は無事にメトロが終点まで行ってくれた。これで、ボート下りが出来る。良かった、良かった。

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メトロの終点から、路面電車に乗り換える。乗換案内もわりと判り易く、迷う事はない。

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XOCHIMILCOと書いて、ソチミルコと読む。Xってスペイン語だと、サシスセソの発音になるのかなあ。この辺りは判らない。

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路面電車のホーム。滅茶苦茶混んでいる。相方が「ソチミルコ世界遺産だよ。観光客が押しかけてるんだよ!」とまるで自分の手柄のように言う。実はこの路面電車沿線に大学があるらしく、それで混んでいたのが本当の理由だった。

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下の写真が路面電車。メトロは、車両がある程度あるのだけれども、路面電車は二両しかない。そのせいで、結構車内も混んでいる。

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30分程乗って、やっと終点のソチミルコに到着。行先が終点だと、降りる駅を気にしなくて良いから気が楽だ。三年前、メキシコで路線バスに乗って観光に行こうとして、降りる停留所が判らずに、延々目的地よりも先に行ったという恐ろしい経験をした事があるからね。その時、言葉が通じなかった苦労が、相方をスペイン語習得に駆り立てたのである。そう考えると、何事も無駄にはならない。

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ボート乗り場への行き方は、ネットで詳しく書いてくれた人がいて、交番を見たら、そこから反対側へ進めとあった。だから俺はそっちへ進もうとしたら、駅前にいるメキシコ人が「ミスター、そっちじゃないよー」みたいに言う。相方も俺が行こうとした方面へ歩き出したら、「そっち誰も行ってないよー」と言う。相方は方向音痴のくせに、変に自信満々に「こっちだ!」みたいに言う悪癖がある。過去にそれで痛い目に何度も遭っているのに、懲りない。

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しょうがないから、人の流れに従って歩き出す。何のためにネットで調べたんだよと俺は思いながら。

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後で判った事だけれども、大勢の人が歩いて行った先には大学があったのだ。暫く歩いたが、ボート乗り場へ向かっているのかどうかも怪しくなってきた。俺はプリントアウトしてきた紙をリュックから出して、相方に言う。
「****通り(ボート乗り場へ続く通り)へはどうやって行ったらいいか、誰かに訊いてくれ」
この程度の会話すらも俺はスペイン語では出来ない。ここは相方に訊いてもらうより他にない。相方が店の前に立っているおじさんに尋ねた。教えられた道を歩いていると、右手にボート乗り場らしき看板が見えた。運良くたどり着いたようだった。

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スタッフらしき人が英語で話しかけてくる。さすがに観光名所だけあって、ここの人は英語が話せる。一時間、500ペソ(3,000円)だ。これはネットで調べた値段と同じだったし、その値段はちゃんと看板に書いてある。中には、ぼったくる乗場もあるらしい。この値段は一人じゃなくて、ボート一艘辺りの値段。だから、一緒に乗る人が多ければ、頭割りになるから一人当たりの料金は安くなる。日曜はかなり混むらしいのだが、今日は水曜だから、客が全然いない。俺達の貸し切りだ。
おじさんに「二時間で頼む」と伝える。
沢山のボートが停泊している。日曜だとこれらが相当駆り出されるのかな。となると、水路も相当混みそうだ。だが、今日は平日だし、滅茶苦茶に空いている。

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俺と相方が乗り込むと船頭さんが、船をこぎ出す。オールみたいなもので漕ぐのかと思ったら、丸太で水底を押し出すような作業で船を進めていた。

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時々、明らかに地元民と思われる人と遭遇する。メキシコシティは元々湖だったのを埋め立てた都市らしい。だから、湖をボートで移動する人が未だにいるんだな。メキシコのベネチアみたいなもんか。そういう意味では、江戸時代の江戸だって水の街だったと言う。栄えた街は必ず水と共に発展しているのだ。

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ボートはゆるりと湖を下って行く。他の観光船とも遭わないし(この日、会ったのは二組の観光船だけだった)、非常にのんびりとゆったりとした時間だ。このアクティヴィティは若い人には退屈だと思う。が、俺や相方のような年寄には、こういったゆっくりと時間を過ごす事の出来るイベントは非常に貴重だ。
船の中で料理をしている。どうやら、日曜とかの書入れ時は、料理を作って、それを船にいる観光客に売ったりするのだろう。俺達は、ホットサンドでお腹いっぱいだから、何か食べようって感じにはならなかったけれど。

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船は静かに進む。湖というよりも、川のような感じですらある。この流れに身を任せているのが非常に気持ちが良い。この日は気温も高過ぎず低すぎずで、ボート下りをするには絶好の気候だった。

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湖の周りは普通に人が暮らしている民家だ。時々、大音量で陽気なラテンミュージックが聴こえてくる。ああ、この辺りに住んでいる人は「お隣に迷惑だから、音量下げなさい!」なんて事は一切ないのだろう。自由で気ままだ。

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相方が、「あー、こういったところに住んで、大好きなファンクやソウルを大音量で聴いて、人の目も気にせずに自由に暮らしたいなー」と言う。今でもお前は自由じゃねえかと思ったが、その言葉は呑み込んで「どうやって生計立てるんだよ?」と訊く。
「旦那が船頭やって、それで暮らせばいいんだよー」と能天気100%な事を言う。ここで船頭やっても、札幌での稼ぎの半分にもならないと思うが。

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相方は、本当はこのソチミルコで、「人形島」に行きたかったのだ。だが、そこに行くには四時間コースを選択しなければならない。さすがにそれはキツイので、諦めたのだ。「人形島」へは行けなかったが、「偽人形島」みたいなものを見る事は出来た。

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本家の人形島もこんな感じで、ちょっと気持ちの悪い人形が木々に沢山ぶら下がっているらしい。悪趣味である。

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さらに船は進む。すると木立みたいなところに出た。これはなんというか非常に気分が良くなるエリアだ。こういったところを静かにゆったりと船で進むというのはある意味非常に贅沢だ。二時間コースで、約6,000円を高いと取るか安いと取るかは人によりけりだろう。だが、俺達は、充分に払った代金分の価値はあると感じた。

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ソチミルコの湖のボート下りは景色に変化がないので、複数人で行ったほうが退屈しなくて済む、とブログに書いている人がいた。これも受け取り方次第じゃないだろうか。俺も相方も(年寄だからかもしれないが)、この時間と空間を充分に堪能する事が出来た。
「旅行最後の日に、こうやってのんびり出来て良かったなー」と相方が呟く。昨日、地下鉄が運休したせいで、最終日にボート下りとなったが、それは正解だったのかもしれない。

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岸部に、非常におんぼろな家が見える。相方は「こういった最低限の質素な家でいいんだよなー」などと言う。俺はちょっと正直それは嘘じゃないかなあと思う。相方は非常に贅沢好みなのだ(俺といる限り、贅沢は不可能なんだけどさ、稼ぎ的に)。

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船は一時間程進んだところで、方向転換。ああ、二時間コースだから、ここから戻るんだなあと。物凄く静かでゆったりと時間が流れていたけれども、それでも時間は進むのである。
地元のおじさん達が船の上で、ランチタイム中だった。俺達は「オーラ!(こんにちは)」と声を掛ける。向うも「オーラ」と返してくる。おばさんが何か言ったのだけれども、当然俺は判らない。相方が言う。
「このパン、美味しいわよー、だって(笑)」

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そして、沈みそうな船で移動している人も。観光用の船は整備もされているし、清掃もされていて綺麗だ。でも地元民の使う船は、みんな穴だらけ。ま、実用としては困らないだろうし、それに修繕する金もないのだろう。

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なんと、船にオートバイを載せている人もいた。沈まないのかな?

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別の観光船と遭遇した。白人の家族のようだった。それぞれ「オーラ!」と挨拶する。互いに「楽しんでねー」というエールの交換だ。

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船着き場近くまで戻ってくると、またバラック小屋みたいなところから、大音量で音楽が。相方が「ああ、私は前世は絶対に黒人だったか、ラテンの人だったと思うんだよねー。こういう音楽聴くと血が騒ぐんだよなあ」と寝言を言う。相方はソウルミュージックとファンクが大好きなのだ。確かに相方みたいに能天気で、楽天主義なとこはラテンの血が入っているのかもしれない(相方は生粋の日本人である)。

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船がそろそろゴールというところで、思い出したかのように相方に写真を撮られた。ちなみに今回の旅行で俺が写っている写真は、10枚以下だ。俺が撮影担当なので(笑)

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ほぼ二時間でまた船着き場に戻って来た。非常に楽しい時間だった。

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時間はまだ午後の2時過ぎくらい。慌ててホテルに戻る必要もない。それに今日が最終日なのだ。ということで、せっかくだからソチミルコを散歩しようとなった。今回の旅行はやたらと歩いてばかりいる。

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メキシコの街は、やたらと屋台が多い。これは一体何の食い物なのだろうか?

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学生が大量に集まっているエリアがあったのでそちらに行ってみる。どうやら大学だったようだ。若い人が沢山いて、そしてその若者のランチ用なのか、屋台も沢山出ている。いい味出てるなあ、この屋台。

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もう、なんというか、メキシコそのものみたいな風景が続くので、相方は非常にこの街を堪能していたようだ。「将来は、ソチミルコに住みたいなー」などと言い出した。

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「もうちょっとスペイン語話せるようになったら、ソチミルコでラーメン屋やるんだ。昨日の寿司バーで焼きそばいくらだったっけ?」
「70ペソくらいじゃないかなあ」「じゃ、ラーメン一杯80ペソ(480円)で売って、それで暮らす」
空想なのか、本気なのかよく判らない。だが、割と本気なんじゃないかなあ。

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同じメキシコでも街によって雰囲気や空気が違うのは当然の事。相方はソチミルコの街が気に入ったようだった。適当に歩いていると、市場があった。ここは完全に地元民御用達の生鮮市場だ。

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売っているのは、野菜、果物、精肉など。絶対に観光客が立ち入らないエリアだ。が、俺も相方もこういった場所を覗くのが好きなのである。食い物売ってるけど、あれを俺が喰ったら、間違いなく腹壊すだろうなあ。

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これは凄い。なんと鶏肉が冷蔵庫にも入れずに、常温で置かれている。この鶏肉も食べたら、(お腹が)大惨事になりそう。

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当然、この市場の客は地元のお母さん(主婦)達ばかりだ。アジア人なんか一人もいる訳がない。俺達は完全な異邦人だ。

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しかし、なんで精肉を生で出していて平気なのかなあ。メキシコ人の胃袋はやっぱり強靭なのだろうか。

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そして、市場も堪能したので、俺達は駅に戻る事にした。時刻は夕方の4時過ぎくらい。今日は夜の10時にはホテルをチェックアウトして空港に向かわねばならない。メキシコへのさよならするタイムリミットが近づいてきたのだ。

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ホテルへ戻り、スーツケースのパッキングをして、後はチェックアウトの時間を待つばかり。ホテルから空港までは、フロントでタクシーを予約しておいた(きちんとホテル専属の送迎用タクシーを準備してくれた。街の流しのタクシーと違って、そういったところが安心だ)。

空港で時間が余ったので、空港内のカフェで最後にマルガリータを飲む。俺の知ってるマルガリータと見た目が違うが文句は言うまい。

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そして、往路と同じように14時間の長距離フライトで日本へ帰って来た。帰りのフライトで出た食事の画像でも載せておこう。

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ペソを余らせても仕方ないので、空港で無理矢理カートンで煙草を買ったりして、ペソを消費した。帰国して残っていた小銭はこれだけだ。120円分くらいかな。

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今回の旅行は過去と比較しても、一番まったりゆったりしていた旅行だった。ちょっとそういう意味では物足りなかったかもしれない。でも良いのだ。

人生忙しいばかりじゃ疲れる。たまには、ゆっくりのんびりと時間を過ごす事も必要だ。そして、それを遠い異国の地、メキシコで出来たのだから、上出来と言わなければなるまい。

これにて、メキシコ旅行記はお終い。お付き合いいただき、ありがとうございました。