Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

ベトナム旅行(7) 2023/09/23 旅行最終日その1 ドラゴンボートに乗って観光をする

 フエ2日目にして、ベトナム旅行最終日。旅行は本当にあっという間に過ぎる。いつもそれを実感している。
本日の相方の計画は、ドラゴンボートに乗って、ティエン・ムー寺を見に行くこと。この寺は陸路からも行けるのだが、ドラゴンボートに乗らないと意味がないらしい。

まずは朝食である。今日の予定は上記1つだけなので、朝食もギリギリの9時近くにレストランに行く。客は俺達以外、誰もいなかった。と思ったら、派手なスパッツを穿いた中年女性が1人でやってきて、ホテルスタッフと談笑している。アパホテルの女社長を思い出して貰いたい。相方と「あの人、ホテルの関係者かな、それとも単に馴れ馴れしい常連客かな」と言い合う。無論、答えは闇の中。

12時チェックアウトまでまたホテルのベッドに寝転がってスマホ三昧。今回の旅行は観光の予定をほぼ入れていなかったので、時間に物凄く余裕があった。余った時間に何をやっていたかというとスマホである。というのも外は暑くて歩き回る気になれないので、エアコンの効いたホテルで過ごすという時間が多くなったのである。暑くなければ、街を散歩しても良いのだが、とても「ちょっとブラブラしようか」という気分になれない程の暑さなのである。

12時になり、チェックアウトし、レセプションのホテルスタッフにスーツケースを預かって貰う。ドラゴンボート乗り場は昨日の夜に確認しておいた。昨晩、夕食を摂ったレストランのすぐ近くだった。早速おばちゃんが声を掛けて来る。確認していないが、きちんとした公的なドラゴンボートもあるのだと思う。そして同様に白タクのような家族経営のしょぼいドラゴンボートもある(と思う。ネットで調べた限りだと)。
最初は、公式な奴に乗ろうと思っていた。そちらのほうが間違いなく料金は安い筈だ。おばちゃんは「ドラゴンボート観光しないか、1時間で1人、35万ベトナムドン(VND)」だと言う。約2,100円だ。昨日ネットで調べたところ、大体適正価格は15万VND(約900円)らしい。この辺りの値段は、ある程度上下があると思う。
俺はガイドブックを開いて「ティエン・ムー寺まで行けるか?」と訊く。おばちゃん「片道30分だから往復で1時間。35万VND」と言う。吹っ掛けてくるなぁと思う。俺は「往復で1時間掛かるのは判った。で、現地に俺達はどれだけ滞在しても良いんだ?」と訊く。おばちゃん「30分」と返してきたので、「1時間にしろ。それと30万VND(約1,800円)」と言い返す。昨日のネットで調べた値段からして、きっと20万VND(約1,200円)でもおばちゃんはOKするだろうと思う。だが、今日がもうベトナム最終日だし、最後のイベントだ。ここで、延々とおばちゃんと値引き合戦をしたくない。理由は疲れるから。日本人が東南アジアでカモ扱いされるのは、こういった値段交渉をやらずに言い値で了承するからだと思う。俺は冗談抜きで、1度大阪の人と一緒に東南アジア旅行をして、値段交渉の場を傍で見てみたい。
おばちゃんが「32万VND」と言い出す。俺はこの時は「No,30万VND」と強く返した。俺がここで強硬に出たのは、値引きさせたいからじゃなくて、端数が出るとお釣り問題が発生するのが嫌だったからだ(お釣り問題とは、大きい札で払うと、相手がお釣りを持っていないケースが往々にしてある。海外あるある問題だ)。おばちゃんは30万VNDで納得した。というか、おばちゃん一家、ボロ儲けだと思うけどな。
この家族経営の白タクドラゴンボートは、おっちゃん、娘×2人、おばあちゃん?のようだった。俺達が船に乗り込むと、船頭としておっちゃん、そしてお姉ちゃんが乗り込んできた。お姉ちゃんは船の中でランチを食べていた。さすがベトナム。接客とかいう概念はないのだ。

船に乗って、川からの景色を楽しむ。とは言っても、正直「おぉー、すげー」となるような景色ではない。ただ、これは相方の希望だったからな。俺からすれば、相方の希望を叶えてやれば、後はもうどう転んでも良いのだ。

下は川沿いに建てられている家。相方が「台風とかで増水したら、家流されちゃうよねえ…」と心配していた。いや、それは俺達が考えても、仕方ないと思うが。

俺達の乗っているドラゴンボートから、別のドラゴンボートが見えた。多分、これが本来の公的な船なんだろう。外見も偉い違いだ。ま、しょうがない。白タクを選んだ俺達が悪いのだ。

30分程ドラゴンボートを堪能して(堪能する程の船、川の景色ではない)、ティエン・ムー寺に到着。

おっちゃんが「30分後に戻ってこい」と言うので、「あんたの奥さんだかお母さんだか知らんけど、女性と1時間と約束したぞ」と伝える。おっちゃんは納得していた。そもそも、どうせそんなに急いで戻ったところで、他に観光客はいないし、やることなんかないだろ。1時間、のんびりしてなさい。

ティエン・ムー寺は、一言でいえば「まあ、お寺ですね」に尽きる。お寺に入って気づいたが、確かに30分でもよい程度の広さだった。30分だとちょっと急ぎ足になるけど、1時間も掛ける程の広さでもない。

また、これは俺自身に問題があるのだけれども、こういった宗教的なものを見ても「おぉー、凄い」とならないので感動が薄い。相方と順に歩きながら見て回る。寺の入口近くに土産物屋があり、ここでもレンタル衣装サービスがあるらしく、コスプレしている観光客がちらほら。

せっかく割高料金払ったのだから、1時間いないと勿体ないとゆっくり1時間掛けてお寺を見学。

正直言うと、写真を何枚も撮ったが、この辺りは惰性で写真を撮っていただけで、何が何か判っていなかった。下は見た瞬間に「あ、ベトナム女性だ!」と思ったが、実際は観光客だった模様。この傘を被るベトナム人はもういないのかもしれない。被るのは観光客のみだ。

お寺の中にも緑があって、非常に気持ち良い。

そして、今回の旅行で唯一俺の写っている写真である。せっかくなので載せておこう。それにしても、なんで俺は笑っていないのか? そもそも海外旅行で写真を撮って貰うことに慣れていないのである。だから、表情が硬くなるのではないかな、と自己分析したが、どうでもいい。強面のオッサン@ベトナムである。

お寺の前には土産物屋があり、そこで多分、レンタル衣装サービスとかもやっている。

そして船に戻り、記念写真を撮る。

これで「ドラゴンボート」って、しょぼすぎないか?正直言うと、小学生のお絵描きのほうが、ずっとマシだと思う。

船内には往路にはなかった「お土産物コーナー」が出来上がっていた。お姉ちゃんが日本語の書かれた紙を俺達に見せる。「お土産を買ってくれると、私たち家族が助かります」みたいなことが書かれていた。

お姉ちゃんが乗り込んで来た理由が判った。復路におけるお土産を売る係なんだな。値段交渉をしたおばちゃんはブロークンな英語が話せたが、お姉ちゃんは一切駄目。相方はランチョンマットみたいな奴(よく判らん)を指さして「いくら?」と訊くと、お姉ちゃんはスマホに値段を表示させる。値段は忘れた。大した額じゃなかったはず。600円とか800円程度。相方も自分のスマホに値引きした金額を表示させると、お姉ちゃん、おっちゃんのところへ行く。お姉ちゃんにまだ金額交渉する力がないから、おっちゃんに判断を仰いでいるのだな。あのおばちゃんが客相手にブロークンな英語で客引きをしているように、お姉ちゃんもいつかその役割を担うのだろう。果たして、それが彼女にとって幸せなのかは判らないが。

下船したら、おばちゃんは、おばあちゃんと下の妹とランチ中だった。俺は「ま、多分今日の儲けは俺達で稼いだだろう。ゆっくりしろよ」と心の中で囁く。こうして俺達のベトナム旅行最後のイベントも無事終了した。あとは旅行会社の迎えを待つだけとなった。ベトナム旅行最終話へ続く。