Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

メキシコ旅行1 2015/07/01 旅行初日 

さて、旅行初日である。この日は前から気候が雨だという事は予報によって知っていた。過去相方と旅行に出掛けた時に雨にやられた事は一度も無かった。荷物が何もなければ、傘を差して駅まで行けば良いのだが、なんといっても、海外旅行用のでかいスーツケースが2個ある。これを押しながら駅まで傘差しで行くのは辛い。

俺達の住んでいる街の最寄り駅であるA駅から一駅隣のB駅から成田空港までリムジンバスが出ている。B駅までタクシーで行こうとなった。旅行のスタートだ。多少の贅沢は許されるだろう。だが前日にネットで近くのタクシー営業所に電話をして迎車して貰おうとしたら、近距離過ぎて迎車はしてくれないという。
仕方ないので、当日朝、俺がA駅のロータリーまで行ってタクシーをピックアップして、マンション前で相方を拾う作戦に出た。

朝の6時50分に駅まで歩く。こんな時間に駅まで行くのは初めてだ。途中のコンビニに寄って、サッポロ黒ラベルを購入し一気飲みする。旅行のスタートだ。こんな時はビールで景気づけだぜ(と、旅行になると酒ばかり飲んでいる。まあ、普段も飲んでいるけど)。

タクシーに乗り込み、うちのマンション前まで行くと、相方がスーツケースを2個持って待っていた。タクシーにB駅前まで行って貰う。たかだか一駅分走っただけなのに、1,800円も取られた。よく考えるとタクシーに乗るのなんて、去年の12月以来だ。日本ではタクシーって贅沢品なんだよなあ。メキシコはタクシーはメーターのある車もあるけど、基本は乗る時に「***まで行ってくれ。いくら?」と事前に料金交渉がある。で、大抵の場合、50ペソ(500円)で済んだ。日本に比べると安いもんだ。というか、日本が高すぎるのか。
タクシー料金は1,800円だが、2,000円払って「お釣りはいいです」とドライバーに告げてタクシーを降りる。俺は池波正太郎信者なので、タクシー料金のお釣りが500円以下の場合、それをチップとして渡す事にしている。

※ 池波正太郎仕掛人藤枝梅安剣客商売の原作者。タクシーのお釣りは運転手にチップとして渡せ。それによって世の中が良くなる(チップを貰う事により、次の客への態度が良くなる、すると次に乗った客も気分が良くなり、皆が幸せになる)とエッセイに度々書いていた。ちなみに池波先生は「女性は料理人に向かない。生理によって味付けが毎回変わるからだ」とも書いている。この発言のせいで相方はアンチ池波である(笑)

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B駅について、リムジンバス発着所に並ぶと、成田空港行のバスが全然ない。おかしいな、ネットで調べた時は10分に1本は出ているように書かれていたのだが。発着所に着いたのが7:30。電光掲示板を見ると、次の成田行は7:55だ。変だなあ、ここ以外にも発着所あるっけか?と首を捻っていると相方がスマホで確認。どうやら俺は成田行と羽田空港行を間違えていたらしい。
旅行案内には、8:30に窓口到着必須とある。が、7:55発のバスだとどう考えても成田に着くのは9時過ぎだ。まあ、そうは言っても、実際に添乗員とかいる訳じゃないし、最悪搭乗時間までにチェックインを済ませればいいので、気は楽だ。相方は「最悪、タクシーで成田まで行くよ!ここまで来て断念出来るか!」と威勢の良い事を言っていた。

丁度俺達の前に並んでいたのが30代の女性と50過ぎのおっちゃんカップルだったのだが、どう見てもこの2人がキャバ嬢とパトロンと言った感じで笑えた。男性が「なあなあ、こっちの並びでいいのかよ?」と女性に訊くと、女性が「うるさいよー。黙ってろよ。こっちでいいんだよー」と夫婦漫才の様である。女性は発音からして中国の方のようであった。

バスが定刻より10分程遅れて到着。乗り込み、あとは成田空港まで特にやる事もない。持ち込んだ横山秀夫の「臨場」を読んで時間をつぶす。今回の旅行は旅本(地球の歩き方、るるぶのメキシコガイド、スペイン語会話入門)以外は日本語の書かれた本がこの一冊だけだったので、旅行中日本語に飢えると、何度もこの本を繰り返し読んだ。

9時過ぎに成田空港に着き、まずはアメリカン航空の窓口に行きチェックイン。荷物を預け身軽になったところで、大事なミッションである両替。旅本によるとメキシコでは円⇒ペソへの両替はあまりしてくれる場所がないとの事だったので、空港で両替を済ませる事にする。

10日間の日程なので、1日1万円あれば足りるだろうとの計算で10万円両替する。正直言うと、アメリカドルならともかく、メキシコペソのような次いつ使う機会が来るか判らないような通貨の両替は一種の賭けだ。足りなくなっても地獄だし、大量に余って逆両替すると、売買レートの差額で損をする。実際、10万円両替して約11,000ペソになったが、最終的に2,500ペソ程度余ってしまった。帰国後に再両替したら、約28,000円程度で両替した分が15,000円程度となり、泣けた。こればっかりは仕方ない。相方も自分の小遣いにと30,000円両替したが、半分程度しか使わなかった。

また、いざという時の為に、さらに20,000円を米ドルに両替。たったの160$にしかならなくて、これも泣けた。円安なんて、大嫌いだ! アベが全て悪い! 米ドルは帰国後も両替せずに仕舞ってある。

去年旅行した時に両替したモロッコのディルハムは、帰国した時に約650円程度しか残らなかった。去年が上手く行き過ぎたのだよなあ。

成田空港に着き、チェックインと両替を済ませると、大抵はレストランに行って食事を摂って酒を飲むのが常なのだが、今回は時間がギリギリなので諦めて搭乗口へ向かう。途中の免税店でウイスキーを買う。問題は、今回は直行便じゃない。だから、トランジットするところまでしか酒が持ち込めない。ダラスまで14時間。ウィスキーのフルボトルは多すぎる。だが、300MLじゃ少ない。ということで500MLのシーバスリーガルを1,800円で購入。

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免税店のお姉さんに「ダラスまでにそれ全て飲まれるんですか?」と驚かれたので「いや、飲みきれない分は捨てます」と。正直言って、14時間のフライトだったら全部飲めるなーと思うけど、それをやると相方に殺されるので、諦める。

成田空港は改装したのか、随分と広くなって綺麗になっていた。リラクゼーションコーナーも準備されていたし、これならビジネスマンとかも便利に過ごせる事だろう。

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搭乗まで微妙に時間が余ったので椅子に座って、先程購入したシーバスをラッパ飲みする。アル中かよ? 相方から「よくストレートで飲めるねえ」と呆れられる。が、俺に言わせりゃ、ハードリカーはストレートが基本だろ。

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今回利用したアメリカン航空は座席配置が2-5-2となっていて、俺達の席はA、B席だった。つまり窓際でありながら、かつ通路側。窓席が好きな相方にも、トイレが近いから通路席が好都合の俺にもWIN-WINな席だった。いつもなら、搭乗前に軽く食事を済ませておくのだが、今回は何も食べていない。腹が減った。出発時間は10:30頃。お腹空いたなー、早く食事出ないかなーと思いつつも、シーバスをラッパ飲み。アル中だな!

出発し、航路が安定したところでイヤホンを配られる。長い飛行機の楽しみは食事と映画だ。というかそれしか楽しみがないからな。ところが、映画メニューを見て愕然とした。映画が全部で5本しかない。おまけに聴いた事もないようなタイトルばかり。

唯一興味が湧いたのがアベンジャーだったのだが、それも日本語吹替えも字幕もなし。邦画は1本のみ。水谷豊主演のなんとかって奴。あまりにも詰まらないので5分程度見てやめてしまった。2人で「ひでーなー、これ」とがっかりする。

実は今回の旅行前に俺は「マッドマックス観に行こうよ」と相方を誘っていたのだが、「飛行機の中で見られるよ。ターミネーターも見れるかもよ」と言われていたのだ。アテが見事に外れた。当然帰りの飛行機もプログラムは一緒な訳で、機上して速攻で、映画を見るという楽しみは奪われた。

仕方ないので、食事と酒のみを楽しみに時間を過ごす。食事の時にドリンクを提供されるので基本はビール。で、お代わりで白ワインを頼む。そしてシーバスをラッパ飲み。アル中だ。
トータルで3回食事の提供があった。ランチ、晩御飯、そしてアメリカ到着近くになって朝食。

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朝食の時はさすがに相方から「もう酒飲まないで!」と禁止令が出る。うーむ。諦めてコーヒーを貰う。結局シーバスは4/5程度飲んだところでアメリカ到着となった。勿体ない。全部飲み干したかった。

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ダラス空港でトランジット。時間が2時間程度しかないので、あまりのんびりしていられない。搭乗ゲートの近くまで行き、相方はそこで「スタバのコーヒー飲みたい」と言う。

相方がスタバを買っている間に俺はビールを売っている店を探し、バドワイザーの小瓶を7$弱で購入し、一気飲み。それと自分へのお土産としてダラス空港の名前の入ったマグネットを5$で購入。これは今は家の冷蔵庫に貼ってある。俺は海外旅行へ行くと、現地のマグネットを自分への土産として購入する事にしているのだ。ダラスは乗換に寄っただけだけどね、まあ記念だ。

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ダラスからメキシコの国際空港までは3時間程度。特筆すべき事もなし。メキシコの国際空港へ到着(空港名は失念した)。

到着して入国審査を終えると、何故か係員に「お前らのスーツケース、こっちへ来て開けろ」と言われる。なんでだよ。仕方ないので開けるが、無論やましいものなんか何もない。殆どが着替えだ。今回俺は日本で買って、まだ袋に入ったままの下着(トランクス)をいくつか入れておいた。

すると係員が「それはここで買ったのか?」と意味不明な質問。スーツケースに入ってんだから、ここで買った訳ねーだろ。「いや、日本で買ったんだけど」と返答すると「仕舞っていいよ」との答え。なんだよ、どう考えてもまともに調べる気もないくせに開けさせたな。無駄な手間掛けさせやがって。

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空港を出ると旅行会社の旗を持った西洋人が。今回の送迎ドライバーだ。最初はスペイン語オンリーだと旅行案内に書かれていたのだが、途中で英語オーケーなドライバーに変わったのであった。まあ、ドライバーが英語話せなくても支障はないけど、どうせなら英語でコミュニケーション取れるほうがありがたいもんね。ちなみにピックアップされた客は俺達のみ。

メキシコ到着の最初の感想は「暑いなー」だった。日本が雨模様だったから余計に暑く感じた。

「メキシコへようこそ! ボクはフランク。よろしくねー。今から君たちをグアダラハラのホテルへ連れていくよ。メキシコはどうだい?」と気さくに話しかけられる。

「思ったよりも暑いなー。今は雨季なんでしょ?」と問うと「そうだよ。でもスコールだからね。1、2時間降ってすぐに止むよ」とのガイドブックの情報通りの答えが。

「夜はでも涼しいんでしょ?」と相方が問うと、俺達の格好(Tシャツ姿だ)を見たフランクが「そーだねー、夜はもう一枚着たほうがいいねー」とこれまたガイドブックの情報通りの答え(笑)

車が走り出すと、街並みがいかにもメキシコっぽい感じ。街の看板とかが英語でない事に俺は「あー、そっか。メキシコだもんなー」と実感する。この辺りが旅行の楽しさなんだよなあ。じわじさと少しずつ、その国にいるんだなーと思わせるのだ。

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俺達はまず、グアダラハラというメキシコ第二の都市に滞在する。段々と景色が「都会になってきたなあ」という辺りで信号待ちしていると、交差点の辺りに屯っていた人達がいきなり車のフロントガラスの掃除を始める。

ははあ、こうやってチップを貰う訳か。以前こういった景色はTVとかで見た事あるけど、実際にやっているんだなあ。

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また写真には収めそこなったけど、他にも10歳にも満たない子供たちが踊りや組体操みたいな芸を見せてチップを貰っているシーンにも遭遇した。

こういった景色は日本には当然ないものだが、それはメキシコがまだまだ貧しい国であることの証明でもある。メキシコに到着して、30分程度で俺達はメキシコと日本が色々な意味で違う国である事を体感した。

だいぶ街並みが賑わってきた辺りで、なじみのある景色に。そう、セブンイレブンだ。メキシコ(というか、グアダラハラ)はやたらセブンイレブンが多かった。水や軽食、ビールはここで事足りるな、と一安心する。

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このドライバーのフランクは日曜日(7/5)に俺達をグアダラハラからグアナファトへ送迎してくれる人でもあるのだが、彼が問う。
「実は、君たちをグアナファトへ送る時に、ボクの息子を車に同乗させてもいいかい?」
最初は、さすがメキシコ。日本じゃあり得ないなー、客の送迎に息子を乗せるなんて。父ちゃんの働いているところを息子に見せたいのかな?と思ったが、別に拒絶する理由もないし、全然構わないのでOKと返事する。
(実はグアナファト移動日に知ったのだが、フランクはグアナファトへ行った事がなかったらしく、息子に助手席でナビをさせていた。この辺りも日本と違ってフリーダムである)

と、まだメキシコ到着1日目も全然書いてないが、長くなり過ぎた。次回へ続く。