Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

2023年の元日は箱根神社と初富士山

2023年の元日。
相方に「もう7時半だよー」と起こされる。昨夜はサウナ室で見知らぬ男性と2人きりで新年を迎えたのであった。
「朝ご飯、食べに行こうよ」と相方に誘われ、食堂へと。昨夜の大晦日の晩御飯、元日の朝食と共にビュッフェである。このほうが自分で量と種類を調整出来るので都合が良い。
昨日、昼夜と食べ過ぎたせいなのか、あまり食欲が湧かない。旅行先の朝食と言えば、食べ過ぎてしまうのが常であるが、この日はかなり少ない。白米、味噌汁、目玉焼き、白身魚、焼きそば、そしてしらすおろしである。

但し、雑煮を振舞ってくれていたので、これは二杯頂いた。やはり元日は雑煮ですな。

朝風呂を軽く浴びて、チェックアウト。10時になりホテルを出る。ホテルの裏手に滝があったので新年早々に参拝といった感じ。巫女さんが新年の挨拶をしてくれる。

そのまま箱根湯本の駅まで降りる。相方は今回の箱根旅行で「元日は箱根神社に初詣に行きたい」と言っていたのだ。
「どうやって箱根神社まで行くの」と尋ねると、「路線バスに乗ればいいみたい」と返って来る。今回の旅行で俺達が決めていたことは「箱根神社に初詣に行く」事と「元日に初富士山を眺める」の2つだけ。ミッションなんて少ないほうが良いのである。
路線バスに乗って衝撃を受ける。箱根神社入り口である元箱根港までの運賃は1,080円である。都内や川崎近辺の路線バスは定額220円だ。地方の路線バスは乗車距離で運賃が変わるんだよなあ。地方路線バスあるあるだ。

20分程バスに揺られ、箱根神社の入り口に到着。人が結構多い。この芦ノ湖に見える鳥居は結構有名なのでご存じの方も多いかもしれない。

海賊船を目にする(無論、観光フェリーである)。確か10年前に箱根に来た時も乗ったような気がする。

スワンボートに乗っている人もいる。これはきっと若いカップルか子供にせがまれた家族連れのいずれかであろう。当然俺達のような子無しの老夫婦は寒いのでボートに乗るなどという発想は微塵もない。

マイナスイオンがたっぷりと放出されていそうな森林の中を歩く。あっという間に参列の最後尾にたどり着く。ここからが長い。実際に参拝出来るまで1時間半弱掛かった。

相方は今年、スペイン語検定を受けるつもりらしい。そしてゆくゆくはスペイン語でのガイドのような職に就きたいのだと言う。40代半ばくらいから全く知らなかったスペイン語の勉強を始め、そして50歳を過ぎて、スペイン語を使う仕事に転職したいというその高貴な意志を俺は称えたい。
よく「人生、遅すぎることはない」と言うが、それを実際に行動に移せる人というのはなかなかいない。自分の相方ではあるが、俺は相方のこの気持ちを非常に誇りに思う。
ということで、相方は「スペイン語検定の試験合格」を祈願していた。俺? 俺は「ロト6で2億当たりますように」という煩悩の塊以外の何物でもない祈願をした。こんなものを神様が聴いてくれるとは思えない。

さて、ミッションは1つクリアしたがある意味では、最重要と言ってもよい「富士山を眺める」をまだやっていない。相方に「どうやれば富士山見られるの?」と尋ねると「多分フェリーに乗ればいいんじゃないのかなー」という答えが返ってくる。

フェリーのチケット売り場に行って「片道大人2枚」と言うと、窓口担当の人が「ロープウェイも利用されますかー」と訊いてくる。何も考えずに「はい」と返事をしてしまった。俺は高いところが苦手だからロープウェイは嫌いなのに。
とりあえず、フェリーに乗る。船に乗って芦ノ湖の景色を眺めると、それはそれで気持ちが良い。

と、富士山が見えた。相方に「ほら、富士山だよ」と声を掛けると「大きいねー」と感嘆していた。相方は子供の頃によく伊豆に滞在していた関係で富士山が大好きなのだ。俺達が毎年正月に温泉に行くのも、富士山を観に行く為といっても過言ではない。

フェリーは箱根園に到着。

ここから、ロープウェイに乗る。

係員から「進行方向左側に富士が見えますよ」と教えて貰う。運よく左側の窓際の位置をキープ出来た。これで、ロープウェイからの富士山のご尊顔を眺めることが出来る。

これだけ近くで富士山を眺めるとやはり壮大であるなあと感動する。10分弱で到着。

ここはなんて名前だったかな、忘れた。ここにもお参り出来るお宮があるのだ。と、箱根を見下ろす。非常に良い景色である。

芦ノ湖と太平洋が見える。そして何枚も写真を撮った富士山。元日から良い景色を堪能することが出来た。

またまた路線バスに乗って箱根湯本駅に戻る。時間は夕方の4時過ぎ。さすがに朝食の量が少なかったのと、昼飯を食べていないので腹が減った。
何か食べて帰ろうと相方に言ったが、駅前は土産物屋以外はみな閉まっている。
「小田原まで一旦戻ろう。そこだったらやっているかもしれない」
小田原駅まで帰ったが、店は軒並み閉まっていた。今は元日は休むのだなあ。やっているのがチェーンのファミレスくらい。もう贅沢を言うつもりはない。ファミレスで充分だ。かつ丼とざるそばのセットでも食おう、俺はそう思っていた。
相方が「あ、しゃぶしゃぶの食べ放題やってるよ」と言う。
「え、ここでしゃぶしゃぶ食べたいの」「うん、食べたーい」(まじかよ)
ということで、元日の晩御飯はしゃぶしゃぶとなった。でも、結構悪くなかったかもしれない。年寄り夫婦2人にしてはよく食ったほうだと思う。

こうしてパンパンに膨れた腹を抱えて俺達は帰宅した。あと何年こうやって正月を温泉宿で過ごせるかは判らない。経済的な理由から、それほど長く続けられる代物でもない。
ただ、まだあと2,3年は大丈夫だろう。それまでは相方の「元日は富士山見たいなあ」という要望に応えてやることにしよう。