Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

ベトナム旅行(2) 2023/09/19 旅行初日 ナイトマーケットとランタンと灯篭

空港を出ると、俺と相方の名前をローマ字で記載したA4の紙を持っている女性を発見。旅行代理店の現地社員だ。
送迎の車に乗り込む。空港からホイアンの俺達の滞在するホテルまでは約50分程度。空港に降り立った時のあまりの暑さに眩暈すら覚えたが、車の中はエアコンが効いていて快適だ。

12年前にホーチミンに来た時はあまりの原付バイクの多さに衝撃を受けたが、ここホイアンは田舎のせいか、原付バイクの数は少ない。とは言っても、日本と比べると圧倒的に多い。地元民にとって、バイクが完全に足になっているのだ。ベトナムは電車が整備されていないから、バイクの使用が多くなるのは必然である。50分程走ると、汚い大きな川が見えて来た。

これが、トゥボン川らしい。俺達の泊まるホテルはこの川沿いにあった。ランタンが俺達をお出迎えである。

ホテルに到着し、ウエルカムドリンクでオレンジジュースを貰う。東南アジアの基本なのだが、オレンジジュースは添加物が大量に入っている。海外で果汁100%のフルーツジュースを飲んだ試しがない。逆に果汁100%がデフォルトの日本のほうが珍しいのか。
ホテルは、いわゆるリゾートホテルスタイルだ。庭はいかにも南国を思わせる風景で気分が良い。

部屋の入口部分にテラス的なエリアがあり、テーブル、椅子、灰皿がある。室内は禁煙なのだ。仮に室内で吸えたとしても、相方が嫌な顔をするから、どちらにしても外で吸うのは必然なのだが。

ホテルスタッフが俺達のスーツケースを部屋まで運んでくれたのだが、生憎まだ両替をしていない。チップを渡し損ねた。悪いことをした。

ホテルの敷地の中央にはプールが配置されている。日本にいる時にホテルにプールがあることは判っていたので、水着も持ってきた。準備は万端である。

ホテルの敷地内を相方と散歩してみる。もう何というか「南国」以外の表現が見つからない。たまらん景色である。

ホテルは川のすぐ横にあるので、中庭から川を眺めることが出来る。正しく「リバーサイドホテル」である。

ホテルの川側から、中庭を撮ったのが以下の写真。これもなんか気に入ってる構図なんだよな。

庭には、ブランコがあり、相方はそれをいたく気に入って「ちょっとブランコ乗って来るー」と楽しんでいた模様。

このホテルは、夕方の16時から現地のローカルフードを無料で振舞ってくれる。部屋で一息ついたあと、早速、それらを無料で頂く。料理は毎日同じものが出るので3日目辺りには飽きて来たのだが、タダ飯に文句を言ってはいけない。

ちなみにこのローカルフードタイムになると、謎のおじさん(ホテルスタッフだ)がギターを弾いて心地よいBGMを奏でていた。レパートリーはビートルズだったり、古いロックだったりした。ベトナムでも普通にロックは流行っているんだなと当たり前のことに感心する。

食事を終えて、ホテルのレセプションで両替を頼む。ホテルから歩いて5分程度で旧市街に出る。旧市街の中に両替をしてくれる店があるのは判っているのだが、今から両替店を探すのは、辛い。今夜の晩御飯のことを考えると、とりあえずVNDが幾ばくかは必要だ。
レートは、1万円=150ベトナムドン(VND)だ。つまり、1万円を両替すると、150万VNDになる。桁がデカすぎて、頭が痛くなってくる。

前回もこの桁のデカさに瞬時に円換算が出来ずに苦労したんだよな。旧市街で両替すると160 VNDなので、ホテルの両替はやはりレートが悪い。
17時から無料の遊覧船がホテルの船着き場(ホテル敷地内)から出ているのを相方が知り、船に乗りたいという。船に乗り込んだのは俺達以外に、白人の4人家族のみ。お父さん、お母さん、お姉ちゃん、妹ちゃんの4人だ。お姉ちゃんの膝下が長くて、俺と相方で「お姉ちゃん、脚が長いねー」と感嘆していた。

船に乗ると、船頭がクーラーボックスを開けて「ビールあるよー」みたいなジェスチャーをする。相方が「無料かな」と能天気なことを言う。無料でビールを振舞ってくれる訳ないだろ。海外旅行経験が俺より多いくせに、相方はこういったところが甘い。
「有料に決まってるだろ」俺が言うと、「じゃ、ビール買って飲んであげたら。おじさんの売り上げになるだろうし」と相方の許しが出たのでビールを飲むことにした。
“how much?”と尋ねると、指を3本立てて、”Three”と返答してきた。ちなみに、1円=0.006VNDだ。ビールの値段はきっと200円前後だろうと見越して頭で計算する。3万VNDで180円だ。ということは、3万VNDだろう。だが、ホテルで両替してもらったので、細かい札がない。仕方なく20万VND紙幣(1,200円)を渡す。すると、船頭はお釣りを寄こさない。
相方から「お釣りは貰った?」と訊かれたので「貰ってない」と答えると、「細かくしとかないと、ナイトマーケットとかでも同じ目に遭うよ。ホテルのフロントで細かくして貰ったほうがいいよ」と言う。
船はトゥボン川を30分掛けてゆったりと走り、適当なところでホテルに戻るだけ。景色は正直言ってあまり面白くない。途中で飽きて来た。

船着き場に戻った時に、俺は船頭に「お釣り貰ってないぞ」と言う。船頭はどうも英語はほぼ話せない雰囲気だった。彼は財布から紙幣を出すが、お釣りが全然足りない。多少ならチップであげようかと思ったが、そういった金額でもない。俺は若干語気を強めにして(舐められない為である)、”It’s not enough for my change(足りねえぞ)”と言う。船頭は財布を開いて全財産を見せる。単純にお釣りを持ってなかった…
俺は「じゃ、一旦払った金は返してくれ。ホテルのレセプションに行って両替して、そこで払うから、一緒に来てくれ」と伝える。言葉は判らなくても、俺がホテルのレセプションを指さしたので、意味は通じたのだろう。

レセプションで両替して支払い、事なきを得た。危うく初日から釣り銭を取られるところだった。ベトナムに限らず、どこの国でも、あまりでかい紙幣を出すとお釣りがない、というのはよくあることだ。
日本だったら、よっぽどの小さい個人商店でもない限り、万札を出してお釣りがないということはない。だが、海外だとしょっちゅうそんな目に遭う。アメリカですら、50$くらいの買い物に100$札を出すと「お釣りがない」と言われるのだ。だったら、そんなでかい紙幣を流通させないで欲しいと思う。
俺は海外旅行が好きなのだけれど、海外特有の「お釣りがない問題」と「トイレ問題」に関しては毎回頭が痛くなる。トイレ問題というのは、海外では日本のように公園や駅でトイレが簡単に借りられないという環境のことである。メキシコに行った時は、トイレがなくて冗談抜きで漏らしそうになったくらいなので。

夕方になり、陽が落ちてくる。相方が「ナイトマーケットを見たい」と言う。先程、送迎して貰った時に添乗員さんにナイトマーケットのおおまかな方角は教えて貰ったので、そちらに向かって歩き出す。と、驚いたのが、とにかくマッサージ屋(或いはスパ)の数が滅茶苦茶多い。正直言って、レストランやカフェよりもマッサージ屋の数のほうが多い。歩いていると、必ず声を掛けられる。

ナイトマーケットに行って、土産を物色しようという狙いだったのだが、どの店も売っているものは変わらない。ちょっとでも足を止めると、すぐに声を掛けてくるので無視するしか他に手がない。ベトナムのナイトマーケット、トルコのグランバザール、そして日本のアメ横、これらに共通するのは、みな同じようなものを売っている店が何軒も連なっているということだ。だから、最初の1軒を見れば後は他を見る必要がないと言っても過言ではない。ナイトマーケットで売っているのは、扇子、マグネット、人形、コースターなど土産としては「う~ん」と唸ってしまうような物ばかり。

ランタンが綺麗で、相方はすっかり魅了されたようで「ランタン買って帰る!」と決意していた。実際に、後日3つ程買い込んでいた。
道端では、屋台も多く出ている。バインセオみたいな料理も売っているし、タコを串に刺して焼いた日本で言う炉端焼きみたいな物も売っている。俺は胃袋が弱いので、屋台の食い物には一切手を出さないことにしている。何しろ、海外に行くと、過去3回に1回は腹痛を起こしているのだ。イチロー並みのヒット率である。屋台の食べ物は怖くて食べられない。

旧市街に繋がるアンホイ橋の辺りは非常に観光客で混雑している。皆、自撮りに夢中である。そして川は観光船が多く行き交っており、灯篭が綺麗だ。この夜の景色はなかなか良い。これで人が少なければもっと良いのだが。

橋を渡り旧市街に来たが、さすがに今日は初日だし、奥深くまで入るのは止めておいた。相方も「旧市街は明日来れば良いしね」と言っている。入口だけ確認して終わりである。そして橋を渡ると、ここでまたマッサージ屋に声を掛けられる。「1時間、千円!」なんて日本語を話す人も結構いる。というかこの人達、時間と金額に関しては、日本語以外にも英語、韓国語なんかも話せる。多分、中国語も話せるのだろう。仕事で必要だから、覚えてしまうのだな。

今日は旧市街の雰囲気の確認とナイトマーケットを見る程度しか目的がない。というかほぼノープランだ。先程ホテルで食事が振舞われたが、さすがにあれでは晩飯として足りない。相方が「ホテルの近くに美味しいって評判のフォーを食べさせる店があるから、そこに行こう」と言う。麺類は大好物だし、フォーも好きなので無問題だ。
店に入り、メニューを見るときちんと写真付きなので非常に助かる。相方は牛肉のフォー、俺は店の名前がついた若干辛いフォー(写真は撮り忘れた)、そして海鮮チャーハン、春巻きを注文。

これら全部合わせて40万VND。40万という桁にびっくりするが、日本円にして2,400円程度だ。値段としては、非常にリーズナブル。味も良かった。ベトナムにいる間は毎日フォーを食べていた。そもそも朝食のビュッフェにフォーが出て来るのだ。

食事を終えてホテルに帰る途中に足専門のマッサージ屋があった。「足ツボマッサージかな、やろうか」と相方が言う。店の入り口に料金表がある。これはどのマッサージ屋でも必ず入口に料金表があるので、安心して入ることが出来る。

値段を見ると、25分足のマッサージ 125と表示されている。ベトナムでは後ろの0を3つ省略して表示すると前に何かで読んだ記憶がある。俺達が料金表を眺めていると、従業員のお姉さんが2人やってきて、「どれにする?」みたいに勧誘を始める。相方が125を指さしながらスマホで電卓を表示して「125,000?」と訊く。お姉さんが頷く。約750円くらい。安いなー。
この店のお姉さんのマッサージはあまり巧くなかった。ま、値段も安いし文句を言っても仕方ない。下はマッサージ中の相方の図。

相方が水を買って帰りたいというので、雑貨屋みたいな店に入る。冷蔵庫に入っている1.5リットルのミネラルウォーター、缶コーラ、チョコを買う。
店のおばちゃんが「55(fifty five)」と言う。この時、それがいくらを指しているのかよく判らなかった。適当に札を出すと「それじゃない、こっちだ」みたいに教えてくれる。ホテル近くの雑貨屋だから、外国人観光客がよく来るのだろう。
おばちゃんは、俺達にベトナム式のお金の数え方をレクチャーしてくれた。VNDの札を見せて、「.(ポチ)以下の後ろのゼロ3つは数えない。だから、200.000(two hundred thousand)の場合は、200(two hundred)となる」
下の紙幣は、20万VNDだが、日本円にすると、約1,200円である。ゼロの数に驚いてはいけないのである。

なるほどー。これは判り易い。このおばちゃんに教えて貰ったおかげで、円換算が一気に楽になった。後ろのゼロ3つを取った金額に6を掛けると円になるのだ。というか、それベトナム旅行経験者の間では常識か?

ホテルに戻り、暑いのでプールに入ろうとなった。時間は夜の10時過ぎくらい。本当はプールの利用は9時半までなのだが、灯りがついていたので、勝手に入っても良いものだと思い込んでいた。
海水パンツに着替えてプールに入る。水温が非常に高くて、水に入っても全然涼しくならないのは衝撃だった。相方は足だけプールに入れていた。

部屋に戻ってテレビをつけてもベトナム語なのでさっぱり判らない。俺も相方も部屋ではひたすらスマホをいじっていた。せっかくベトナムまで来てスマホ弄ってるんかいと思うかもしれないが、良いのだ。
俺は地獄のような仕事のストレスが溜まってうんざりしていた。海外に来て、のんびり過ごせる、それだけで充分なのだ。
相方が「歳喰って、どんどん夜が早くなるなぁ…」と深夜零時前には寝てしまった。俺も適当にスマホを弄っていたが、気づくと寝落ちしていた。
こうして、ベトナム旅行初日は無事に終了した。