Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

今年も札幌に行って、Saxを吹いてきた

8月の第一週の週末、札幌へ行ってきた。目的は去年と同じく、昔のバンド仲間と共にSaxを演奏するためだ。

(向かって右から3番目のキャップと赤いシャツを着て、Saxを持っているのが俺)

話の前提を書いておく。
2016年12月から2019年5月まで、俺は札幌で暮らしていた。仕事は大して面白くなかったが、趣味では二つのバンドに所属し、それぞれドラムとギターを演奏していた。それに加えてSax教室とピアノ教室に通い、音楽三昧な日々だった。
2019年に仕事の関係で札幌を離れ、それから東京で単身赴任生活、その後は神奈川へと移り住んだ。よく考えてみると、色々な場所で暮らしているものだなと思う。

去年の6月に札幌時代に一緒にバンドを組んでいた友人から電話が来た。「イベントでバンドの演奏やるから、札幌に来いよ」二つ返事でOKと言うと、友人はさらに言った。「で、ギターで参加する?」
バンドには俺の後任のギタリストのA君がいる(俺が札幌を離れてから彼が参加したので、俺は面識がなかった)。ほぼ飛び入り参加の状態でギター2本はアレンジなどの問題から無理だなと思い、Saxで参加することを伝えた。
わずか1ヶ月で5曲の構成を覚え、Saxパートを練習して本番に臨んだ。大きなミスもなく、俺は充分に楽しむことが出来た。

イベントが終わった時、友人に「また来年もやるからさ。札幌に来いよ」と言われる。俺も「勿論」と伝えたが、実現するかどうかは半々だなと思っていた。
物凄く単純に、今年もまたイベントが開催されるか判らない。イベントが開催されたとしても、バンドが参加するかどうかは判らない。また、バンドが新たなメンバーを補充などした場合、俺のSaxが不要になる可能性だってある。
そして俺サイドの問題として、札幌側の状況が全てを許しても、俺自身が札幌に行けない可能性だってある。こればかりは、頑張ったからと言って、成就するものでもない。

今年の4月、友人から「今年もイベントやるからね、札幌へおいで」と連絡が来た。日程を確認し、早々と休みの予定を入れた。ホテルと飛行機のチケットも4月中に予約した。
去年は、バンドのレパートリーは映画やドラマのサントラ、ファンク系の音楽が中心だったが、レパートリーを確認すると、シティ・ポップな曲が増えていた。俺がバンドのグループLINEに「シティ・ポップなんて昭和の遺物だぞ」と冗談を言うと、「時代は回るのさ」という答えが返って来た。

前回は1ヶ月で5曲覚えなくてはいけなかった。今年は曲が決まってから、本番まで2ヶ月以上あり、そのうち2曲は去年と同じ曲。今年は随分楽だなと思っていたが、本番2週間前に急に曲が変更になった。
音を取って、アレンジを確認するタイミングが1日しかない。譜面がないので、その日に音を拾い、自分のSaxをどう当て込むかを考えた。このバンドは基本的にアレンジは各メンバー任せなので、自分で好きに音を入れて良い。逆説的にどうSaxを効果的に曲にマッチさせるかも自分で考えろということだ。

本番は日曜日。金曜の夜に札幌へ到着した。金曜の夜はホテルで映画を観ながら酒を飲んで寝た。去年も同じような行動だった気がする。
土曜日の昼間は楽器店に行き、札幌時代のピアノの先生に会いに行った。彼女はまだピアノ講師をしていた。彼女から「去年結婚して、苗字がxxxに変わりました」と教えられる。皆、時間が流れているのだなあと思う。
バンドのギターのA君、ベースのT君から「2人でスタジオで音作りしているので、もし良かったら音合わせに来て下さい」と言われ、夕方からスタジオに向かう。
3人しかいないが、ぶっつけ本番よりもだいぶにマシだ。曲の構成の確認などを行う。途中で飽きてきて、ドラムを叩いたり。かなりいい加減だ。

夜になり、友人の経営しているバーに行って酒を飲む。友人から「このバンドはさ、俺がアンタと組みたくて作ったバンドだから」と言われる。この言葉は去年も貰った言葉だ。バンドマンとして、これ以上の言葉はないと思う。
そりゃ、ギターのフレーズが格好良いとか、Saxの音色が良いとか言われれば(言われた事ないけど)、嬉しい。でもそれよりもこの言葉のほうが、俺にとっては100倍の価値がある。

当日、日曜は朝から生憎の雨模様。友人はイベントの主催者でもあり、出店もしているので、俺も店番をしたり、飲み物作りを手伝ったり。
本番は夜の7時から。既に辺りは暗くなり、ステージにはライトが向けられる。これが結構まぶしくて参った。また、ライトのせいで虫が寄って来たりしたので、演奏中に虫を追い払ったりもする。想定外のアクシデントが起きるのもライブの賜物だ。
演奏自体は、俺の腕からすれば「ま、こんなとこじゃね」と言ったところだろう。自分のアドリブフレーズ(その場で考えて即興演奏するフレーズ)が相変わらずダサくて泣けてくるが。

記念に、この日のオープニングナンバーである「Nightbirds」の動画を貼っておく。
この曲もホーンセクションが合わせて吹くフレーズ以外は全てアドリブだ。イントロで俺のSaxのピッチがずれているのはご愛嬌だ(言い訳)。

www.youtube.com今年も無事に札幌に行って仲間と再会し、Saxを吹くことが出来た。それが出来ただけで、演奏の出来は二の次、三の次だ。正直言えば、今年があるとは思っていなかった。バンドメンバーが無論お世辞なのだが、「札幌で仕事探しましょうよ」と言ってくれたのも嬉しかった。

呼んでくれた友人、一緒に演奏してくれたバンドの仲間に感謝、感謝だ。
それ以外の言葉は見つからない。