Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

貴方の趣味はなんですか?

前から趣味を増やせないものだろうかとずっと思案していた。とは言え、趣味の定義は曖昧だし、何を持って趣味とするかも人によって捉え方が違うだろう。
俺自身、趣味の幅が狭いよなぁと思っている。俺の趣味を【楽器演奏】と定義してしまうと、俺の趣味はそれくらいしかない。
映画や読書は無論好きな余暇の過ごし方ではあるが、その世界に入り込んでいる人に比べると圧倒的に浅過ぎる。blogでレビューが書ける程に、きちんと鑑賞しているとも言えない。
俺は鹿島アントラーズ(サッカーチーム)のサポーターだから、趣味に【サッカー観戦】を加えても良いかもしれない。それでも、やはり他の鹿島アントラーズを応援しているサポーターに比べると、観戦頻度が低いので「サッカー観戦が趣味です」と言うのも憚られる。

深く考えずに「俺の趣味はこれだ!」と思い込めばそれで良いのだという気もする。趣味なんて人に自慢するためにやるものじゃない。自分自身の好奇心の求めるまま、興味を惹かれる事象を単純に追いかけていれば、自然とそれが趣味となるのだろう。
最初から「自分はこれを趣味にしよう!」なんて宣言するものじゃない。気づくと「いつの間にか、これに嵌ってしまったなぁ…」となるのが正しい在り方だという気もする。

先程書いた通り、俺が人に言える趣味としては【楽器演奏】がある。これを細分化すると、Saxを吹き、ドラムを叩き、ギターを弾き、ピアノに触っている。ピアノだけ「触っている」なんて微妙な表現にしているのは、「ピアノが趣味です」と言うには、あまりにもレベルが低すぎるからだ。今、俺がピアノ教室でやっているのはブルーノートスケールに合わせて、左手でコードを弾くという入門編の最初の頁辺りだ。いつまでこれを続ければいいのだろう。
札幌にいた頃は、音楽教室の発表会でピアノ演奏を披露したこともある。残念ながら、今はその時弾けたフレーズは1小節たりとも弾けない。発表会に向けて曲を弾けるように練習すると、その時は弾けるのだが、その後忘れて弾けなくなってしまう。

ピアノに話を割き過ぎた。要するに楽器を4つ趣味でやっている。多分だけれども、他の人からすれば「楽器を4つもやっているなんて、多趣味ですねえ」と思われるだろう。俺だって、友人や知人から「楽器を4つやっている」なんて話を聞いたら「随分とマルチな人だなぁ…」と感心するのは間違いない。
だが、俺の中では「4種類の楽器を演奏する」という多面性よりも「所詮、趣味が全部楽器じゃねえかよ」という「狭いところに集中している」感覚が拭い切れないのだ。

楽器を複数やることは何の問題もない。時間と金銭が許す限り、いくらでもやれば良いと思う。ただ、楽器というものは、趣味としては非常にコストパフォーマンスが悪い(低い)。
最初に楽器購入で金が掛る。俺の愛用しているテナーSaxは、10年以上前に購入したものだが、値段は約35万円だった。この値段を高いと取るか安いと感じるかは人それぞれだろう。テナーSaxの値段としては安い部類に入る。俺の知人の所有しているテナーSaxは90万円前後だ。
余計なお世話でさらに書いておくと、高級フルートは値段が1,000万円を超えるものもある。
ギターだって、エレキギター、アコースティックギター共に何本買ったか。昔のバンド仲間に2,000円で売却したり、タダで譲ったものも相当数ある。

初期投資(楽器購入)でまず、それなりに金が必要だ。そして、楽器は手にしたその日から演奏出来るものではない。チューニングの方法を覚え、運指を覚え、そして自分が弾きたいと思った曲の練習をする。この練習には今度は金が掛からないが時間が必要となる。教室に通って覚えようとすれば、今度は時間と金がダブルで消費される。教室に通えば、独学よりもはるかに早く曲は習得出来るようになるが、それでも練習は絶対に必要だし、今度は金が余計に出ていく。
また、教室に通ったからといって、自分が演奏したい曲が必ず演奏出来るようになるとも限らない。
俺などは、昔ドラム教室に通っていた時に、叩けなくて途中で挫折した曲がいくつもある。

以上の点から、楽器演奏はコスパの悪い趣味だと言わざるを得ない。無論、楽器を趣味にしている人(俺を含む)は、それを充分に理解した上で、楽器を愛でているのではあるが。

ただ、俺自身が「もう少し楽にカタルシスを得られる趣味はないだろうか」と最近思っているのである。
昔は、無理矢理油絵を趣味にしようと画策したが、そもそも俺は絵を描くのがそれ程好きではなかった(俺は絵を描くのが下手なのでコンプレックスがある)。
落語を聴きに行く、そして自分自身で落語が話せるようになったらどうだろうと思ったが、そもそも落語を聴くよりも音楽を聴くほうが好きだ。
一時、バーテンダー学校に通ってオリジナルカクテルが作れたらいいなと思ったが、カクテルを作るよりも、テキーラをストレートで飲むほうがよっぽど俺には合っている。

そもそも、上記の趣味にしようとしたものは、いずれも楽器演奏と同じで、習得するまでに時間が掛かるものばかりだ。すぐに達成感や満足を得られない。

最近ふと思いついたのが、「ブリキのポスター蒐集」だ。これなら、購入した瞬間に満足を手に入れることが可能だ。前からこういったデザインのブリキのポスターには興味があったのだよなあ。

購入して、部屋の壁に飾れば、それはインテリアとしても良い物になるだろう。
俺は当面は楽器をちまちまと演奏し続けていくだろう。となれば、それとは別にこういったコレクション的なものを趣味として自分のプライベートに付け加えるのも悪くない。
問題は、こういったものに嵌った時に、金がいくらあっても足りないという懸念もあるにはあるのだが。
それでも、Saxやギターに比べればコスト的にはだいぶに安い。

金の掛からない趣味がベストなのは言うまでもないが、そういった高尚なものはなかなか見つからないのが現実ではある。