Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

誕生日には寿司を喰って…

先日、会社に着いてPCを立ち上げた瞬間に気付いた。
「あ、今日は相方の誕生日じゃん」
朝、家で相方と交わした言葉は「おはよう」と「じゃ、行ってきます」だけだ。とりあえずLINEで「誕生日、おめでとう」のメッセージを送る。
さて、どうしたものか。自分の誕生日に晩御飯を作るのは、彼女も気乗りしないだろう。俺は昼頃、さらにメッセージを送った。
「せっかくの誕生日だから、晩御飯は外で食べようか」
すると相方は東京駅の駅ビルにある『根室花まる寿司』が良いと言う。ここは札幌にも店舗があり、札幌時代に何度か食事に行ったことがある。

誕生日に相方が「寿司を喰いたい」というのは想定通りだったので、笑ってしまった。blogを確認したら去年も寿司を喰っていた。そしてルクルーゼの鍋を誕生日プレゼントにあげたのを想い出した。ルクルーゼの重い鍋を持って買い物をした日からあっという間に1年か。時の過ぎるのは早い。

誕生日にはルクルーゼを買って - Some Were Born To Sing The Blues

職場で同じチームのAさんに「今日はうちの奴が誕生日なんで定時で上がります。寿司喰いに行くんで」と報告。Aさんとは組んで仕事をしているので、予め伝えておく。先週はとにかく毎日22時まで仕事をしていたのであるが、ちょうどこの日は谷間で上がれる日なのであった。
運が良かった。「悪い、やっぱ残業だから外食無理」とか言おうものなら、相方の機嫌が悪くなること必至である。
迂闊に残っていると、突発的な仕事が来ないとも限らないので(日本の職場の悪しき習慣だ)、急いで現場を後にする。

東京駅に到着し、寿司屋の前に行く。自動受付機があるので表示を見ると「41組待ち」。え? まだ18時40分だぜ。
とりあえず受付を済ませて、相方にメッセージ。「店に着いたけど、既に40組待ちなんだけど」
相方から、よく判らないデザインの【ショックを受けた人】のLINEスタンプが届く。

店の前には待っている人が10人程度。多分待っている人はもうすぐ自分の順番が来る人なんだろう。そうでない人は、別の場所で時間を潰しているか、多すぎる待ち人数に嫌気が差して、他の店に行ったか。

相方が到着。俺は「この人数だから、待つのは止めて他の店に行こう」というのを期待していた。期待した俺が馬鹿でした。
「他の店に行く?」「駄目。絶対にここで食べる!」
こういった時の相方は、意地でも最初の目的の店に固執する。執念深いんだよなぁ…
店の前で待っていても仕方ないので、「どこか座れるとこに行こう」となった。相方が言う。

「そういえば、ここ、庭園があるんだよ。前来たことあるけど、人が多くて何も見えなかった」
庭園に行ってみると、雨のせいか客はまばら。おかげで東京駅と、高層ビル群の夜景を写真に収めることが出来た。今日の冒頭に載せた写真がそれである。
なんとなく幻想的なイメージがあって、自分で言うのもなんだが、素人カメラマンの俺にしては良い夜景が撮れた気がする。
「もっと構図を気にしろ」とか余計なことは言わないように(笑)

それから、ビル内に空いている椅子を発見したので、座って時間を潰す。相方は文庫本を取り出して読書を始めた。俺はスマホを弄って暇つぶし。15分に1回程度は店の前に行って、あと何組待ちかを確認する。店の前に現在の呼び出し客の№が表示されているので、あと何組待ちかが判る仕組みになっているのだ。
とにかくやることもないし、暇なのでひたすらスマホ経由でネットを見ていた。

残り10組待ちくらいになったところで、俺は店舗前に移動。相方に「さっきのとこに座っていていいよ。順番来たらLINEする」と伝える。
こういった時に「いいよ、一緒に待とう」などという言葉を相方から期待してはいけない。相方は鬼嫁なので、平気で亭主の俺を立たせて自分は座るという悪行を働くのである。
今日は相方の誕生日だしな。俺が立って待っているのも仕方あるまい。ちなみに相方の誕生日関係なく、このシチュエーションだと俺が独りで立っている羽目になる。泣けるぜ。

8時20分くらいに店内に案内される。トータルで1時間半ちょっと待った計算になる。なんで寿司喰うのにこんなに待たされなきゃいけないの、という気分にならなくもない。相方の誕生日だ。仕方あるまい。

カウンター席に座り、あとは相方に「好きなもん、注文しろ」と。相方はズワイガニの握りを注文。食べる?と訊かれたので無論、俺も食べる。一貫で約650円くらいだったかな。2人で1,300円か。俺の昼食代は平均して400円だと言うのに。相方の誕生日だ。仕方あるまい。
その後は2人それぞれ喰いたいものを注文して食べる。勿論、相方と一緒なので酒は厳禁だ。お茶を飲む。本当は寿司を喰うのだったら、日本酒を飲みたいところではある。

なんで札幌時代に「もう、酒は飲まない」なんて俺は言ってしまったのだろうか。
人は、人生で犯してはいけない過ちを犯すことが稀にある。例えどんなことがあろうとも「酒は止める」などと相方に宣言するべきではなかった。俺は一番やってはいけない過ちを犯したのだ。
が、ここで俺が酔っ払ってやった失敗を列記したら、100人が100人「うん、お前が悪い。酒やめろ」と言うだろう。
もっとも、相方が出張とかで不在の時は酒を飲んで良いと言われているし、正月と俺の誕生日には一杯だけだが、酒を許されている。
が、やっぱり酒を辞めるなどと…(しつこいので以下、省略)

驚いたのが、6皿くらい食べたところで、かなり腹が膨れてきたのを感じたことだ。
「なんか、かなり腹いっぱいな気がする…」俺が言うと、相方も「うーん、結構膨れてきた」と返してくる。
俺は最後にアナゴ巻きと数の子の握りを頼んで終了。8皿だ。少ねえな。相方も10皿で投了。

歳を喰うと小食になるというのを俺は年々実感している。だがある意味それが自然の摂理って奴なんだろう。10代の頃に家庭科の女性教師に「痩せの大食い君」などとニックネームを付けられたのも過去の栄光だ(栄光か?)。

小食になったから、金が掛からなくて良いじゃないかとポジティブに考えることにしよう。というか、次は誕生日プレゼントを買わされるのか。結局、小食になっても金は出ていくのだ。
人生とはそんなものである。