Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

誕生日にはルクルーゼを買って

先日、相方が誕生日を迎えたので、そのお祝いをすることにした。川崎のラゾーナという商業施設に、ちょっとお値段が高めの回転寿司屋がある。相方はそこに行きたいと言う。俺は生ものは得意じゃないのだが、仕方あるまい。生ものは苦手と書いたが、実際に喰えない物は、ウニと烏賊と甘えびくらいである。ウニは喰っても何が美味いのか一切判らないし、烏賊の食感はゴムにしか思えないし、甘えびは喰うと吐き気がする(笑)でも、白身魚は好きだし、マグロも好きだ。だから、寿司屋に行ったから、喰える物がないということでもない。

相方は烏賊が好物なので、さっそく烏賊を注文する。俺は平目を食べたかったのではあるが、品切れだった。鯵が250円くらいで、鰯が350円という値段に隔世の感を覚える。俺が若かった頃は、鯵が高級品で、鰯は下魚だった。
「今は鯵よりも鰯のほうが高いんだねえ」俺が驚いていると、相方が「鯵は安定して取れるからかな。鰯は高くなったよね」と返す。
大学生の頃、大学の近所にサークル仲間とよく飲みに行った居酒屋があった。そこでは鯵の叩きが850円で、鰯の叩きは350円だった。大学生にとって、850円の肴はちょっと手が出ない。それを思い出した。今だったら、何も考えずに鯵の叩きを注文しただろう。だが貧乏大学生にとって500円の差は大きい。

シラス軍艦があったのでそれを注文。相方が「シラスがある辺りが、神奈川の寿司屋だねえ」と感嘆する。
2人で好き勝手に食べたい物を注文。2人でトータル20皿食した。1人10皿だ。とは言え、味噌汁を頼んでいるから、実際に食べたのは1人9皿の計算になる。相方は全皿ご飯少な目で注文しているから、食べた量はさらに少ない。
回転寿司に行く度に相方は「若かった頃は、1人で24皿食べた事あるんだよー(今は食べられなくなった)」と必ず言う。よく寿司ばっかり24皿も喰えたな、それが若さという奴か。相方は若かった頃はサーファーだったのだ。スポーツをやっている10代の若者だったら、その程度は喰えるものなのだろう。
お会計は、6,000円弱。酒を一切飲まずにこの値段だから、それほど悪くはあるまい。俺も年々喰えなくなっていることを実感する。

誕生日プレゼントにルクルーゼの鍋が欲しいと相方が言う。「誕生日プレゼントが鍋でいいの? バッグとか欲しくないの」一応訊いてみる。「ルクルーゼの鍋って、普段買おうって気にならない。こういった機会でもないとね」相方が言う。値段を訊くと3万円程度するらしい。
「安い鍋だとテフロンがすぐに剝がれちゃうから。良い奴が欲しい」
ある意味、一生物だろう、これだけの値段の鍋ならば。良い調理器具を買うことで、相方の料理へのモチベーションが上がるのならば、それは決して高い買い物ではない。

店に行くと、ちょうど黄色と青色の鍋がセールで40%オフだった。3万円超の鍋が25,000円くらいで売っている。相方は「青がいいかなー、黄色がいいかなー」と延々と迷っていた。相方はこういう時、めちゃくちゃ愚図で、必ず迷う。
ランチを食べに行く時も、AとBどちらにしようか、ずっと迷っている。店員さんがやってきて、「お決まりですかー」と言われる瞬間まで迷っている。
どうしてそこまで迷うのかが、俺にはよく判らない。

結局「青にして下さい」とお願いしてからも、「あ、やっぱり黄色のほうで」「いや、青で」と延々愚図を露呈していた。最終的に黄色を選んだ。俺が店員だったら「とっとと決めろや。愚図愚図してんじゃねーよ」と思ったことだろう。いや、店員さんは絶対に腹の底で思っていたに違いない。f:id:somewereborntosingtheblues:20220215002744j:plain

ルクルーゼの鍋はめちゃくちゃ重くて、運ぶのも一苦労だ。相方が「あ、ケーキ食べたいなー」と言い出す。誕生日だしな、しょうがない。買ってやるよ。「イチゴ買って、チョコケーキに乗せて食べたいなー」と言う。はいはい。判りました。
とちおとめのイチゴとベルギーのチョコケーキを買って帰る。ルクルーゼの鍋は冗談抜きに重くて、帰り道に腕が壊れるかと思った。f:id:somewereborntosingtheblues:20220215002803j:plain

夕方の6時過ぎくらいに、イチゴを乗せたチョコケーキを食べる。寿司を食べたのがランチには少々遅い時間だったから、ケーキが晩飯代わりだ。
「私は誕生日のケーキ、夫はバレンタインのケーキだねー」相方は嬉しそうである。ケーキも安くはなかったが、誕生日祝いだ。このくらいは良いだろう。

そして今日、帰宅すると相方がチョコをくれた。バレンタインのチョコである。何故か相方は毎年チョコをくれるんだよな、律儀に。というか、相方の誕生日がバレンタインに近いから、必然的に覚えているということなんだろう。f:id:somewereborntosingtheblues:20220215002844j:plain

今後、ルクルーゼの鍋で彼女が何を作るのかは知らない。でも鍋を買ったことで、日常生活にほんの少しの彩りが加わるのならば、それは悪い事ではない。