Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

今夜はカレー

月曜の夜(一昨日)、仕事が終わり「今から帰る」と帰るコールならぬ帰るLINEを送る。今の40代未満の人に「帰るコール」なんて言って通じるのだろうか…
相方から「今日はカレーにする」と返信が来る。暑い日に熱くて辛いカレーを食べるのは理にかなっている。それにしても、何故英語では「熱い」も「辛い」もHOTなのだろうか。昔から不思議で仕方がない。
「今から帰る」と連絡を毎日基本的には入れているが、あまり意味がない。何故かというと、俺は帰宅がだいたい9時を回る。相方はもう晩御飯を済ませている。帰宅時間に合わせて晩御飯を作るという作業がないので、俺が帰宅時間を知らせても何かが変わるという事でもない。

帰宅すると、相方はちょうど夕食を食べている最中だった。ルクルーゼの鍋の中にはカレーがある。その横には茹でたアスパラガス。
相方が札幌時代に勤めていた会社の社長が送ってくれたものだと言う。話を聞くと、どうも相方はその社長に気に入れられていたらしい。去年の夏はその社長からトウモロコシを送って貰っていた。相方はトウモロコシが好物なので大層喜んでいた。
札幌を離れて、俺にしても相方にしても、何らかしらの形で札幌の人達と繋がっているのは非常に良いことだと思う。
「カレーは温めなおす必要ないと思うよ」相方の言葉通りで、ルクルーゼの鍋の中のカレーはまだまだ充分に温かかった。アスパラガスはカレーに添えた。それとは別にサラダもある。
「スープ作ろうと思ったけど、暑さで挫折した…」
「いや、この暑さじゃスープは要らないよ」
俺はカレーを食べ始めた。既に半分ほど食べていた相方が言う。
「カレー、しょっぱいなー、濃すぎた。アスパラは茹で過ぎた。失敗した…」
確かにカレーは味が濃すぎる。正直、失敗だと思う。アスパラガスを食べたが、どのあたりが茹で過ぎたのか、さっぱり判らない。判らないが、相方が失敗したと言っているのだから、失敗なのだろう。アスパラガス、普通に美味かったけど。 

火曜日(昨日)も晩御飯はカレー。うちは俺と相方の2人家族だから、カレーを作ると当然翌日もメニューはカレーとなる。カレーは水を足して味を調整したのか、良い塩梅になっていた。そしてこの日もアスパラガスが食卓にはある。
相方はアスパラガスを食べながら言う。
「今日のアスパラガスは茹で方が完璧だなー。うん、良かった。良かった」
俺はふーんといった感じでアスパラガスを口に運ぶ。
相方が茹で過ぎたという月曜のアスパラガス、完璧な茹で方だという火曜のアスパラガス。俺には違いがさっぱり判らない。茹で過ぎたほうが、めちゃくちゃ柔らかくて食感が悪いというのならともかく、俺にはこれらの違いが全く判らなかった。

基本的に、例え相方自身が「今日の料理は失敗した。美味しくないなー」と言っても、俺は文句を言ったりはしない。
それは俺自身が19歳から1人暮らしをして、自炊をしていた経験があるのも影響しているだろう。料理を作るというのは簡単なことじゃない。増してや、自分1人だけの晩御飯ではない。相手に食べて貰おうとする料理を作るとなれば、それなりにメニューも考える必要がある。栄養のバランスや好みなども無視は出来ないだろう。

去年の3月から7月まで完全在宅ワークだった。相方は当時、毎日会社へ出勤していた。だからその期間、俺はずっと晩飯を作っていた。とにかく大変だった。俺が自分自身だけへの晩飯を作るのなら、毎晩サッポロ一番塩ラーメンと味噌ラーメンを交互に作ればいい。だが、相方に喰わせるとなると、そうはいかない。
メニューを考えるのも一苦労だし、実際に作るという作業も手間が掛かる。そして「あー、なんか毎日代わり映えのしないメニューだなー」と自己嫌悪に陥る。

そういった苦役を経験したからではないが、俺は相方の料理に文句は言わない。1度でも自炊をしたことがある人なら、自分のパートナーの料理にケチをつける人はいないと思う。
料理人の男性は、自分の妻の料理に決して文句を言わないという。料理を作る苦労が判っているからだろう。

誰かが作ってくれた料理に文句を言う人間というのは、相手の気持ちや苦労、想いが判らない、判ろうとしない人だとも言える。
で、結論として何が言いたいかと言うと、俺は今日の夜もカレーを食べている。

カレー作りすぎじゃね?