Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

スペイン語と楽器演奏

水曜日は相方がスペイン語教室に通う日だ。教室の時間が夜の19時~20時台なので、水曜日は基本的に晩御飯は別々に摂る。
火曜の夜、相方に確認した。「明日はスペイン語(教室)あるよね」
「うん。晩御飯どうしようか?」相方の問いに俺は「別々で良いよ」と返す。

「あー。なんか最近、スペイン語続けるモチベーションが低下してるんだよなぁ…」相方がため息をつく。なんとなくだが、理由は判る気がした。
相方がスペイン語を習い始めた直接のきっかけは2015年のメキシコ旅行。現地では面白いくらいに英語が通じなかった。スペイン語オンリー。レストランのメニュー解読にも苦労したし、路線バスに乗って1日中彷徨い続けたりもした。英語が通じたのはホテルのスタッフと長距離バスのチケット窓口くらいだった。(メキシコ旅行2015 カテゴリーの記事一覧 - Some Were Born To Sing The Blues)

帰国後、相方は「スペイン語話せるようになろう!」と決意し、スペイン語の個人レッスンを受けるようになった。東京で習い始め、札幌に引っ越しても別の先生に習い、そして今川崎でも新しい先生に習っている。俺達が翌年の2016年にスペインに旅行したのも「スペインに行きたい」というよりも「せっかくスペイン語習っているんだから、スペイン語圏の国に行こう!」というのが主な理由だった。
だが、そのおかげでトータル3回もスペインに行く事が出来た。俺は「スペインて、リーガ・エスパニョーラ(スペインのサッカーリーグ)とサグラダファミリアと闘牛以外何があるの?」という程度の知識しかなかった。

今ではスペインは大好きな国の1つだ(と偉そうに言える程、色々な国に行った経験はないけれど)。宝くじが当たれば、スペインのマラガに移住したいくらい。或いはアメリカのフロリダが良いかな。相方はメキシコシティでラーメンレストランを開いて、そこで暮らすと寝言を言っていた。ちなみに相方がメキシコに移住する頃には、俺は若い時分の不摂生が原因で既に死んでいるらしい(笑) 

話が逸れた。
相方のスペイン語のモチベーションが下がっているのは、言うまでもなくコロナのせいだ。相方がスペイン語を習っているのは、スペイン(メキシコ)に行った時に、スペイン語を話す為である。
俺はスペイン語はさっぱり判らないけれど(『お会計お願いします』と『お手洗いどこですか?』しかスペイン語では言えない)、相方のスペイン語が年々上達しているのは、旅行に行った時に肌で感じることが出来た。
しかし、海外旅行なんて今のこの状況では、いつ行けるようになるのかすらも判らない。
コロナになる前、相方は「トルコ経由でスペイン行きたいなー」と言っていたのだ。俺達に海外旅行に対して残された時間はあまりない。

「スペイン語習ってもさあ、海外旅行にいけないんじゃ、何の為に習ってるのかなぁって気分になる」相方は言う。外国語は習うだけでは意味がない。その言語を使う人とのコミュニケーション・ツールとして実際に使わなければ宝の持ち腐れである。だが今の状況ではスペインに行けるのがいつになるのか、その見通しすら立たない。マドリードに行って、その後にポルトガルに行きたいという夢もあるのだが、それが実現する日は来るのか?
また、海外旅行が無理なら、せめてスペイン人やメキシコ人のコミュニティみたいなものに参加して友好を深めるという事が出来れば良いのだが、それも今の状況では無理。大人数の集会なんて、今現在もっとも避けなければいけないイベントごとである。
札幌にいた頃、相方はほぼ毎週のようにそういった集まりに出掛けていた(札幌時代のスペイン語の先生が牧師だったので、そういった集まりがあったのだ)。

海外旅行も行けず、国内でのコミュニティの集まりに参加する事も出来ず。この状態ではスペイン語を使う場所がどこにもない。これでスペイン語を習うモチベーションを維持しろと言われても、それは確かに難しい。f:id:somewereborntosingtheblues:20210514003627j:plain

俺もバンドという趣味があるが、バンド練習はもう1年以上休止中だ(バンドでの担当パートはドラム)。本当だったら去年の6月くらいに初ライブをやる予定だったのだ。コロナのせいで全てがご破算だ。
仕方がないので、俺は1人でも出来るSax、ギター、ピアノでの練習をやっている。曲がある程度仕上がると、blogで「こんな曲演奏したから、良かったら聴いてね」と報告して、とりあえずは留飲を下げている。
去年の3月に上記とは別のバンドにSaxで参加する予定だった。それもコロナのせいで無しになった。

楽器演奏はライブやバンド活動は無理でも、1人で一旦完結させる事が出来る。そういう意味ではまだ相方のスペイン語よりも、熱が下がりにくいとは言えるかもしれない。カラオケ伴奏に合わせてSaxやギターを演奏するのは、それはそれで楽しい。とは言ってもバンドに比べたらやはり違う。俺がやりたいのは1人で完結する演奏の世界じゃなくて、バンドで他の人と合わせて演奏することなのだ。

趣味の世界での不平不満を言えるのなんて贅沢だ。そういう意見もあるだろう。だが、人はパンのみに生きるに非ず。腹だけ膨れたって人は生きていけない。心も満たされなくては、生きて行くことは不可能だ。

こんな閉塞した状況の中で、色々な事のモチベーションを維持していくのは難しいものだ。それを今、俺は実感している。