Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

シンガポール旅行(4)3日目 インド人街とアラブストリート 2022/09/06(火)

シンガポール旅行3日目。本日の予定は、以下となっている。
(1)インド人街、アラブストリートを散策
(2)世界三大がっかり観光名所であるマーライオンを眺める
(3)マリーナベイ・サンズのライトショー(スペクトラと言うらしい)を見る、らしい。
らしい、と言うのは予定を立てるのはいつも相方だからだ。
旅行の計画(どこに行くか)を決めるのも相方だし、現地についてから何をしたいかというのも全て相方が決める。過去に10回以上海外に行っているが、この原則が崩れたことはただの1度もない。だからレストランとかも、必ず相方が「あ、この店いーなー。ここ入ってみたい」というものになる。俺が入りたいなぁと思った店に入れたことは過去にない。今後もないだろう。いいのだろうか、俺の人生これで…

とりあえず、8時過ぎに起き出して、ビュッフェの朝食。昨日と大して変わらない。国内国外問わず、旅行先の朝食って必ず美味しいのは何故なのだろうか。やはり普段と違う景色や空気を味わいながら食べられるからだろう。

参考までに言っておくと、東南アジアのフルーツは大抵美味しくない。甘味が足りないのだ。相方曰く、「日本だったらさ、甘くないフルーツも品種改良して良い味にしようと努力するじゃん。こっちの人はそういった発想がないんだよね」
相方はバリに行った時も、フルーツが不味かった時に全く同じことを言っていた。

「インド人街とかって、そんなに時間掛からないだろうから、のんびりしようよ。マリーナベイ・サンズのショーは夜からだし」相方が言う。俺達が滞在しているホテルにはプールがある。「プール入ってきたら?」相方に言われたので、じゃせっかくだからとホテルのプールに行ってみる。

正直、それほど広くもないし、景色も良くない。俺達がシンガポールに10日以上滞在するというのなら、ここで1日読書を決め込むのも悪くないが、残念ながらそれほどの期間は俺達にはない。俺がプールに行った時は中年の白人男性が1人でゆるゆると泳いでいた。

お茶でも飲みに行くかとホテルを出る。朝食でコーヒーは飲んだからスタバって気分じゃないなぁと相方が言う。俺もコーヒーばかり飲むとトイレが近くなるからなあ。バーガーキングを発見したので、「コーラ飲みたい」と相方が言う。俺はどうしようかなと思案すると、グリーン・ティーがメニューにある。よし、これだ!と注文。そして失敗した。

東南アジアのグリーン・ティーは砂糖が入っていることをすっかり失念していた。甘い緑茶なんか飲めるかよ。相方がペプシ・ゼロを飲んで顔をしかめる。
「これ、コーラじゃない。全然炭酸がない。一口飲んでみて」
飲んでみると、栓を開けて半日過ぎたコーラのような、気の抜けた炭酸がまるでない甘いだけの飲料水だった。しかし、おかしいな。これ、俺達が注文してから従業員はドリンクサーバーから作ってくれたものなんだが。こんな気の抜けたコーラをバーガーキングでは売っているのだろうか。俺達が入った店がたまたまハズレだっただけか。コーラも緑茶も、二口ぐらい飲んでギブアップした。

昼過ぎまでホテルでだらだらと過ごす。海外のホテルで、何をする訳もでなく無作為に時間を費やすのは、ある意味勿体ないが、海外でそういった「無益に時間を潰す」というのも、一つの「贅沢な時間の使い方」ではあると思う。
午後になり、地下鉄に乗って、インド人街へ。
駅を降りると、「おお、リトルインディアじゃね」といった感じである。いわゆる「典型的な観光名所」ではない街だ。完全に地元の人達が暮らすための街であり、そういった店が多い。無論、土産物屋とかもあるが、それよりも本当に「地元の商店街」といった雰囲気がある。

俺も相方も、海外ではこういった「非観光的な、地元民が暮らす街」というのを訪れるのが好きだ。ガイドブックによると、市場があるとのことで行ってみる。ここは魚介系をメインにしている市場らしく、はっきり言って「非常に生臭い」。

生ものが得意じゃない俺には、ちょっと辛い場所だ。相方は陳列されている大量の蟹を見て「うゎー、美味しそー」と感嘆の声を上げる。正直俺は、「臭えなぁ」という感想しかなかった。

さらに進んでみると、食堂エリアがある。この市場で働いている人のランチを提供する店でもあり、地元民が気軽に立ち寄る食堂なのだろう。

俺達は朝食で腹が膨れていたので、ここで食事を摂ろうとはならなかった。朝食抜きだったら食べたかな。ちょっと正直ここはハードルが高い気がする。無論、値段でなく、この空気感が、である。あと、ここで食事をした場合、俺の脆弱な胃袋だと後で腹痛を起こす可能性が高い気もした。

インド人街に来たのも言葉は悪いが、マーライオンを見る前の暇つぶしだ。だから、何か目的がある訳じゃない。適当に街を歩く。

土産物屋で「ヘナ」をやっていた。ヘナというのは、染料を使って、腕とかに簡易タトゥーみたいなものを描いてくれるのだ。これで説明合っているのか? 相方はトルコに行った時と、モロッコに行った時にヘナをしてもらっていた。

「やってみたら」と勧めたが、あまり気乗りしなかった模様。なんでモロッコだとやって、シンガポールだとやりたがらないんだよ、女って面倒くさいな。←偏見の塊りである。

インド人街は、歩いていると「ここはどこの国なんだろう」と思わせるような、謎の異国情緒溢れる街だ。たまたまかもしれないが、俺達以外に観光客らしき人達は殆どいなかった。

時間が3時近くになり、相方が「なんかお腹空いたー」と言い出した。ガイドブックを見ると、ちょうど俺達がいる場所のすぐ近くにレストランがあるらしい。行ってみると、これがどう見ても「地元民御用達の食堂」以外の何物でもない。

「ここでいい?」俺が確認すると、うんと頷く相方。
相方が注文したのがラム肉で、俺が頼んだのはチキン。ボリュームがあって、肉はなんとか食ったが、ライスは半分くらい残した。

俺は食事中、リュックからウエットティッシュを出して手を拭く。海外旅行にウエットティッシュは必需品だ。するとそれを見ていた店のお母さんが、従業員(実子だと思う)に「ほら、あのお客さんにナプキン出してあげな」と命令する。言葉は判らないが、声色やその後の息子さんの行動からそういう遣り取りをしているのだなと推察出来る。言葉が判らなくても、なんとなく雰囲気で判るのが海外の面白さだ。
昼時を過ぎていた事もあり、客は俺達だけ。彼らにしてみたら、こんなローカルな食堂にやってきたアジア人カップルが珍しいのだろう。食べている間、ずっとチェックされていた(笑)
店のお母さんは、一番奥のテーブルにどっしりと座って、2人の息子達にアレコレ指示を出していた。スマホが鳴ると、でかい声でお喋りを始める。無論、客の俺達に気を遣うなんてことは、100%あり得ない。これも海外あるあるだ。
残したら悪いなという想いで頑張って食べたが、かなり残ってしまった。俺達年寄りの胃袋で、この量は無理だ。ここの食事は1人前10シンガポールドル(S$)。約1,000円だ。ま、そんなもんだろう。
駅に戻る途中で寺院に遭遇。白人カップルが中に入っていった。お祈りするのかな。ただし、ノースリーブの女性やハーフパンツの男性は、必ずそこにショールを巻くというルールになっていて、入り口には共有のショールが何枚も置いてある。
俺達は無宗教論者だし、中をちょっと覗くだけにした。

また地下鉄に乗って、今度はアラブストリートを目指す。ところが、相方がスマホで検索しているにも係わらず、どこにいるかよく判らなくなり、俺達はシンガポールで迷子になった。とは言っても、いざとなれば駅に戻れば済むだけの話だ。下の風景がアラブストリート近辺な筈なんだが、何がアラブなのかよく判らないし、歩き疲れてきたので、相方と「もうここは諦めて、とっととマーライオンに会いに行こう」となった。

駅に戻る途中、相方が「あー、いかにも海外の洗濯物だなー」と嬉しそうな声を上げる。うん、これは確かに日本だと見られない光景だな。

と、またもやダラダラと長く書き過ぎた。シンガポール3日目の話は今日で完結させようと思ったのに。ということで、マーライオンとマリーナベイ・サンズのライトアップの話は次回へ持ち越し。