Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

映画「モンスターハンター」を観た

久しぶりに映画館で映画を観た。映画館で最後に観たのは「ターミネーター:ダークフェイト」だ。あれは東京で独り暮らしをしていた頃、週末に暇つぶしで観に行ったのだった。充分楽しめたが、シュワルツェネッガーとリンダ・ハミルトン要らねえよな、というのが正直な感想だった。

今回観たのは「モンスターハンター」。ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のゲームを原作にしたSF/アクション映画だ。

俺が映画を観る時の条件は2つある。
1.邦画はオミット(対象外)。
2.SFまたはアクション系であること。
この2つは、俺が映画に求めているものを満たす為には外せない条件となる。俺が映画館で映画を観るのは「このクソつまらない現実から逃避したい。2時間前後、嫌な日々の暮らしを忘れさせてくれるものを観たい」という欲求からだ。
その場合、日本人が出てきて日本語を話し、見慣れた日本の景色が出てくる邦画は、最初から選択対象外となる。邦画を見ていたら、全然現実逃避出来ない。
ハリウッド映画のSF物や近未来物などは、現実から一番遠いところにある。こういった映画が現実世界を忘れさせてくれるのに最も適している。

そして俺はミラ・ジョヴォヴィッチのファンなのである。ミラが「モンスターが出てくる異世界で、派手なアクションでモンスターをぶっ倒す」という、リアリティの欠片もないファンタジーな映画をやるとなれば、これは見ない訳にはいかない。

映画序盤のミラ初登場シーンで、ミラの濁声を聴いただけで俺は嬉しくなってしまった。ミラはもう良い歳になったせいか、目尻の辺りに皺とかもあって、それが良い感じ。若い頃よりもずっと素敵な女性になった。俺は基本的に若い女性に興味がなく(これは俺自身が若い頃から)、比較的年齢が上の女性が好きな事もあって、今のミラは本当に魅力的に映った。

ミラはUSアーミー?(何かの部隊)のリーダーの設定。いきなり異世界に部隊が転移して、モンスターと戦う羽目になる。なんとか脱出して一息ついたところで、ミラはタンクトップ姿になる。
ここのシーンが(個人的には)最高だ。俺は女性の服装では、タンクトップ+パンツ(下着ではなく、ズボンという意味)が一番セクシーだと思っているので、このシーンを観られただけで、もうこの映画を観た意義はあったなと思ってしまった。
また、ミラは若い頃はスリム過ぎる体形だったのだが、この時は腹回りに良い感じで肉がついていて、これもまた良かった。もうちょっとお腹周りがだらしなくても良かった(笑) 書かなくても良い余計なことを書くが、俺はお腹周りに無駄な肉がついている女性が非常に好みである。モデルのように贅肉の一切ついていないウエストが締まっている体形はそそられない。

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そうやってミラの体形を堪能したのは良かったのだが、映画はちょっと色々な意味で駄目なシーンの連続で、どうにも頂けない。
まずはミラ率いる部隊が嵐に巻き込まれた後、モンスターが多数存在する異世界に飛ばされる。これはSF系映画のお約束というか、「なんでそうなったか整合性のある説明はない」で構わない。ここは良い。
いきなりモンスターに襲われたミラ部隊は銃器などで応戦するが歯が立たず、隊員がモンスターにやられていく。ミラはモンスターに捕獲される。が、生きている。なんで? とこちらが疑問に思っていると、ミラはなんとか脱出するのだが、そこで同様に捕獲された仲間の隊員2人は既に死亡しているのだ。

あのさ、アンダーソン(監督兼脚本担当)! お前が女房であるミラを活躍させたいのは判ってるよ、こっちは。それはバイオハザードシリーズで経験済だ。だがな、捕獲されたミラと捕獲された他の隊員は全く同じ状況なのに、ミラは生きていて他は死亡っておかしいだろ。どうしてミラが助かったのか、ちゃんとそこは見てるほうが納得する演出なり脚本にしろよ。お前の脳みそは小泉進次郎並みなのか?

部隊の隊員は1人、また1人とモンスターにやられていくのだと思っていた。ところが、序盤であっという間に部隊は全滅する、ミラを除いて。いや、ミラが死ぬ訳ないのは判っているからいいんだけどさ。部隊を全滅させたら、物語を作れなくなると思うんだけど、アンダーソンお前大丈夫なのか?

異世界で1人彷徨っているミラは、異世界の住人であるハンター(人間である)にいきなり攻撃を仕掛けられ、応戦する。ここで人間対人間のアクションシーンが発生する。このアクションシーンは若干見づらい部分もあるが、アンダーソンにしちゃ上出来だろうと思える。またミラのアクションも素晴らしい。そこは堪能出来た(どこまでボディ・ダブルか判らんけど)。※ボディダブル:スタントマンの意味。
だが、だ。なんでハンターがミラを攻撃するのか、その理由や必然性がさっぱり判らない。ハンターは異世界で、モンスターをどうやって倒すか苦心している。またモンスターにやられないように細心の注意を払っている人間なのだ。そのハンターがミラを攻撃する意味が判らない。
それに倒したミラを殺しもせずに両手を縛って、自宅に連れ帰るのだ。なんで? 俺は頭の中にクエスチョンマークが100個くらい浮かんだ。

ただ、唯一感心したのが、このハンターがいきなり英語を喋り出したら、アンダーソン頭悪すぎるだろうと思ったのだが、ハンターはきちんと異世界の言葉を話すという設定にしていた。それは安堵した。
と思いきや、後半出てきたハンターの仲間の首領が英語を喋り出して、がっくりきた。
「昔、お前たちの世界(ミラが元々いた世界)の人間と交流したことがあったから、言葉を勉強した」
「だから喋れるのね」
まあ、ここまではぎりぎり許そう。ジョン万次郎の苦労を馬鹿にしてんのか、と言いたくなるような発言ではあるが。この首領のみが英語を話すのだが、その発音や使っている単語が明らかにネイティブスピーカーのそれなのだが。なんで片言の英語にしないかなあ、そこを流暢に発音させる意味ってなんだよ。

ミラはハンターから刀剣の使い方のレクチャーを受け、修行をするのだが、そのシーンの意味が判らない。意味というか、それ不要じゃね? って感じである。
そこに時間使うくらいなら、部隊のメンバーを一気に全滅させずに、1人1人に死に場所というか物語を作ってやれよ。エイリアンでリドリー・スコットはそれをちゃんとやっただろ。お前は先人達の仕事をなんだと思っているんだ。ちゃんと学べ!

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異世界のラスボスと戦闘中に、ミラは転移スポットのようなところに落下し、元いた世界に戻る。ミラはUSアーミーぽい部隊に救助され、ヘリコプターに搬入され治療を受ける。その最中に異世界からモンスターがやってきて、ヘリは撃墜されるのだ。地上に墜落したところで、ミラはヘリコプター内で「あのモンスターを倒さなくちゃ」と武器の調達を始める。
あのさ…どうして墜落したヘリの中にいたミラは怪我一つせずに平気で動き回れるんだよ。ヘリが墜落したら、中にいた人間は全身打撲で死亡すると思うんだが。

最後は「俺達の闘いはこれからだ!」エンドで終わる。つまり、ラスボスとの闘いがさあ始まるぞ!っというところで映画終了。別にそこの結末は描かなくても良いんだけどさ、明らかに興行収入が良かったら続編作るつもりのラストにしただろう!?
アンダーソン、お前バイオハザードシリーズの4と5でそれやったじゃねーか。少しは学習しろよ、いつまで同じパターンのラスト撮れば気が済むんだよ、ってゆーか側近の奴ら、誰か教えてやれ。「監督、それ前のシリーズでやってます」って。

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正直言って、この「モンスターハンター」は失敗だったと思う。世界的な興行収入も芳しくなかったと聞く。この話の展開じゃ、それも当然だろう。
俺はミラのタンクトップ姿とアクションを堪能したので(とりあえず)良しとする。が、果たして俺のような趣味のない人がこの映画を観て満足・納得出来たとは思えない。