Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

ハラスメントが多過ぎる

相方が会社でハラスメント研修を受けてきたと言う。今時の研修だなぁと思う。
「ハラスメントって言うと、セクハラ、パワハラ、アルハラ、マタハラ…そんなもん?」俺が尋ねると、驚きの回答が返って来た。
「全部で、31種類あるんだよ」(39種類だったかもしれない)
なんでそんなにあるんだ。世の中、どれだけハラスメントが横行してるのか。
「ゼクハラってのもあるんだって」
「ゼクってなんだ。ゼクシィっていう結婚関連の雑誌か?」
相方がゼクハラの内容を教えてくれたのだけれども、あまりにも馬鹿馬鹿しくて、どんな話かは忘れてしまった。恋人の家にゼクシィを置いて、無言で結婚を迫るのはハラスメントになるのだったかな。それとも、仕事場の机上にゼクシィを置いておくと、結婚の予定のない人を傷つけるから自重しなさいだったかな。どっちでもいいけど。あまりにも馬鹿馬鹿し過ぎるハラスメントである。

「あとね。年齢のハラスメント。エイジ・ハラスメント」
「ああ、女性にいくつですかって尋ねるとハラスメントになるって奴ね」
相方が首を横に振った。え、違うの? そもそも世の中にハラスメントという単語が一般的に普及する前から『女性に年齢を尋ねるのは失礼だから止めなさい』という暗黙のマナーがあったと思う。俺は女性に「いくつ?」とか訊かないので、このハラスメントには接触する心配はないだろう。というか、なんの話だっけか。
相方が説明してくれる。
「私みたいなオバサンがね、自分の年齢を言うと、それを聴かされた相手が嫌な気分になるんだって。私なんか平気で、ワタシ52歳だよーとか言うと、周りの若手が不快になるから、ハラスメントなんだって」
もはや、意味が判らん。なんだそれ。年齢と言うのは事実であり、そこに優秀も不出来も存在しない。人を不愉快にさせたり、悲しくさせる要素は皆無だと思うのだが。
もうこうなると言葉遊びというか、言葉狩りとでも言ったらいいのか。ただの難癖付けである。

「そんなのはもう、セクハラに含んじゃえばいいじゃん」
「なんか、今は色々細分化されてるんだってさー」
色々と面倒臭い世の中である。

俺自身が受けたハラスメントと言えば、やはりパワハラだろうと思う。まだ札幌へ引っ越す前、東京で働いていた頃、現場でパワハラを受けた。
今でも忘れられないのが「貴方は今までどんな仕事のやり方をしてきたのかしら?」と言われたことである。これは「(こんな簡単な仕事もちゃんと出来ないなんて)、貴方は今までどんな仕事のやり方をしてきたのかしら?」という文意だ。
俺にパワハラをしてきたのは、お局のクソババァだ。正直、「お局」という言葉も「クソババァ」という単語も好きではないので使いたくないが、あの女にマッチする日本語がそれくらいしかない。そのババァは「綾乃」という最高に素敵な名前を持っていたが、性格は糞だった。名は体を表さないのである。正直、苗字は忘れた。というか思い出したくもない。
そのお局から資料作成を命じられた。必ずAのやり方で作って下さい、Bのやり方では作らないように。そう言って彼女は帰宅した。実際に過去に彼女が作った資料があったので、それを確認すると、Bのやり方である。え? Aで作るんちゃうんかい。クソババァはAで作れと言う。そしてクソババァが実際に作った資料はBである。どっちにすんの? もうババァは帰宅して職場にいない。
翌日、ババァから出来たかと問われたのでまだですと答えると、クソババァは烈火のごとく怒り出した。そこで俺はAで作れと言われたが、過去の資料はBで作ってある、どっちにすればいいですかと尋ねた。
すると、ババァはパソコンに向かい、資料を確認した。そこで自分の矛盾に気付いたらしい。俺は「ごめんなさいね。Bのやり方で資料を作って下さい」と言われるのを期待した。クソババァは俺の期待の斜め上を行く。
「で、私はどうすればいいのかしら?」とババァは俺に言い放った。目が点になるという言葉があるが、正しくそれだ。どうすればいいかじゃねえよ。お前が俺に資料作れって指示したんだから、どちらのやり方(それはどちらでも良い、AでもBでも)か提示してくれよ。
さらにババァは「もう貴方には付き合いきれません」と宣言した。付き合いきれないのはこっちだよと言いたかった。
その後、資料はどう作ったか忘れてしまった。そんなことは些末なことだ。

自分が間違っているのに、一切謝らず、仕事の指示を出した相手(この場合は俺)に、後続作業の指示を放棄し、上の人間に俺の悪評を報告する。典型的なパワハラだ。俺自身、明らかなミスを何度かその現場でやらかした。だから、ババァが100%悪だと言うつもりはない。俺の積重ねたミスがババァの怒りを誘発した部分もあるだろう。だが、自分が間違えたのなら、素直にその間違いを認めて、修正案を出すのがまともな人間、社会人だろう。あのクソババァにはそれがなかった。
ちょっとクソババァという汚い単語を使い過ぎた。もうこの話はこれ以上書いても楽しい気分にならないので、ここでやめる。

さて、翻って俺がハラスメントを犯してこなかったのかと問われると、これも答えに困ってしまう。俺は40代の頃は部下を持っていたが、パワハラはしてこなかった筈だ。さすがに断言は出来ないけれど。
やっぱり、俺がやらかしたハラスメントと言えば、セクハラだろうなぁ。

前にも同じエピソードをこのblogに書いたことがある。30代の頃、現場の喫煙所で煙草を吸っていた。f:id:somewereborntosingtheblues:20220324011046j:plain

俺と一緒にいたのは、同じチームで働く年上の女性。彼女はスーツ姿だったが、タイトスカートに包まれていたお尻を俺に突き出し、尋ねてきた。
「ねえ、私ってお尻、大きいかな?」
これ、よく考えると女性から男性へのセクハラだよな。20年くらい前の話なので、どうして彼女がお尻の大きさを俺に確認したのか、その意図がよく判らない。この会話の前の遣り取りが全く記憶になく、彼女がお尻を俺に突き出して、大きいかなと尋ねた行為のみが記憶にインプットされている。この行為に対して、俺が嫌悪感を抱けば立派なセクハラだ。
そこで俺はどうしたか。無論、突き出された彼女のお尻を優しく撫でてあげた。彼女が「もう、えっち~」と返す。彼女が俺にお尻を触られたことに対して不快を感じたならば、それもまたセクハラだ。尤も、彼女がお尻を突き出さなければ、俺だって彼女のお尻を撫でたりはしない。
鶏が先か、卵が先か。
というか、これセクハラじゃなくて、職場でいちゃつくバカップルだろう。但し、この時俺と彼女は付き合うことはおろか、手も繋いだこともなかった。無論、キスもそれ以上の行為も一切ない。そんな関係の2人が一体何をやっているのだ?
客観的に見れば、職場の同僚にお尻を突き出す女性も、その尻を触る男もどっちもハラスメンターだ。俺が当事者じゃなかったら、「お前ら、何やってんの?」と両肩を竦めて、呆れるところである。

相手との関係次第で、全く同じ行為がハラスメントになったり、愛情表現になったりする。ハラスメントは難しい。
って綺麗にまとめようとしてんじゃねーよ、俺。前半のパワハラ話はともかく、後半はただの頭のネジの緩んだ馬鹿女と馬鹿男のエロ話じゃねえか。
全く、こんなエピソードを読まされた貴方達は、ブログ・ハラスメントの被害者ですな(こんな言葉は無い)。