全集中、水の呼吸
神奈川で暮らし始めてから、相方が時々意味不明なことを言う。上記の言葉もそうだ。ついに頭がイカレタかなと思い、「それ何だよ」と問うと、鬼滅の刃だよとの言葉が返って来た。
鬼滅の刃が人気のアニメだということくらいは知っていたが、内容は一切知らない。そもそも俺はアニメオタではないので、アニメなんて最後にちゃんと見たのは小学生くらいの頃だろう。
相方は札幌で一人で暮らしている頃に、鬼滅の刃を全話見たのだと言う。なんでいい歳したおばさんが鬼滅の刃に嵌ったのかな、その辺りは判らない。相方が札幌で一人暮らしをしていた頃、俺は東京で単身赴任生活をしていた。そして俺はテレビを持っていなかった。だから流行りのアニメを見る機会がなかった。仮にテレビがあったとしても、鬼滅の刃は見ていなかったと思うけど。
相方が俺に熱く鬼滅の刃のあらすじを教えてくれた。炭治郎という主人公は家族を鬼に皆殺しにされる。妹のネズコは命を取り留めるが、鬼の血が体内に入ったせいで鬼になってしまう。その復讐のため、ネズコを人間に戻すため、炭治郎は鬼を撲滅する鬼殺隊に入り、孤独な闘いを続けるのだ。これがざっくりとしたあらすじらしい。確かに面白そうな話ではある。
その鬼滅の刃の総集編が2日に渡って放送された。先週のことだ。相方は「今日は鬼滅の刃があるんだよー」と楽しみにしているらしく（全部見たんだろう？）、「晩御飯作ってると鬼滅の刃が始まっちゃう（だから今日は晩御飯作らない、作りたくない）」と言い出した。
俺は別に「飯作るのが女房の仕事だろ！」などと昭和の亭主を気取る人間でもないので、「じゃ、弁当にする？」と訊くと相方は頷いていた。2人で弁当を食べながら鬼滅の刃を見た。確かに面白い。ちょっと必殺仕置人ぽいテイストもあるし、鬼に嚙まれるとその当人も鬼になるという設定もゾンビ映画の流れだ。
2日連続で鬼滅の刃を見た。面白かったが、果たして俺自身は嵌るというほどではなかった。理由としては、俺があまりアニメに興味がないからだろう。実写にしてくれたら、嵌ったかもしれない。
今週末の土曜日も鬼滅の刃を放送する予定になっていた。相方がその放送を楽しみにしているのがよく判った。土曜の夕方に「鬼滅は何時から？」と訊くとー「さあ？」との答え。
じゃ、番組表を見て確認しようとテレビのスイッチを入れると、テレビが点かない。何度も試したが、テレビの液晶は真っ暗なままだ。一旦、電源コンセントを抜いて暫くしてから再度試したが、駄目だった。
「おい、テレビ壊れたぞ」俺が言うと、相方は「えー、鬼滅見れないじゃん」とショックを受けていた。あはは。
しかし、昨日の夜はテレビ映ったのだけれどな。本当に電化製品は或る日突然、前触れもなく壊れるのである。（下の写真が壊れたテレビである）
今年になって、DVDプレイヤーが壊れた。そして今度はテレビだ。よく電化製品は一つが壊れると、伝染して壊れるというのはよく言われる。実際問題として、電化製品が伝染して壊れる訳がない。単に同時期に電化製品を買ったから、同じタイミングで寿命が来たということなのだと思う。
相方は典型的なテレビっ子である。夜になると「今日は面白いテレビやっているかなー」と言う。俺は単身赴任生活時代はテレビがない生活をしていたから、テレビがなくても平気だ。だが、相方には必要だ。
「じゃ、テレビ買いに行くか」と夕方の6時から川崎のビックカメラに出掛けた。
今時のテレビの値段の相場が判らない。何しろ壊れたテレビは、俺と相方が一緒なって少ししてから買ったものだ。もう10年近く使っていた。今時のテレビみたいにネット接続も出来ないのである。
相方が「新しいテレビだったら、ネット接続出来るから映画見られるよ！」と言う。相方が契約しているネットフリックスで映画が見られるのだと言う。地上波の番組はどうでもいいけど、映画が見られるのは良いな。
ビックカメラに行って、テレビ売り場に行くと、大量にテレビモニターが並んでいて、クラクラする。
値段もピンキリで安いものは5万円くらい（韓国や中国製）、高いのになると196万円というのがあった。テレビに200万円てなんのジョークだよ。それでも25万円とか44万円とか、一体全体どうしてテレビがそんなに高価なのか、俺には理解出来ない。
結局、REGZAの9万円のを購入することにした。ネット接続も出来るし、50インチだから悪くはない。それにしてもまた金が飛んでいく。11月のカード支払いで頭が痛い。今年になって冷蔵庫で25万弱。そしてテレビで9万円。
電子レンジも、最近不調だ。これもきっと近いうちに買い替えが必要だ。
そして俺は途方に暮れる。
