Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

陽気なギャングは地球を回しているのに、俺達は一体何を回しているのだろう

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ニュース番組を見ていたら、小田急線(東京の私鉄。新宿が終点/始発なので、とにかく混む)が止まって大混雑になっている事を報じていた。
テレビで見ると駅は人が溢れ、代替輸送の駅前には大行列が出来ていた。それを相方と見ていたのだが、二人して「うわー、相変わらず東京は凄い人(混み)だねー」と恐ろしい気分になった。
二年ちょっと前まで俺達もあの人混みに紛れて通勤していたのだ(俺達は小田急線沿線じゃなかったけれど)。
東京にいた頃は、東京にどれだけ人が沢山いたかを実はあまり気にしていなかった。いや、人が多いのは新宿や渋谷に行けば実感出来たけれども、そういったものだと達観していた部分がある。長年住んでいた事によって、「慣れた」という部分も大きいのかもしれない。
俺が「電車止まってんなら、無理して代替輸送に並んだり、駅に留まったりしないで、近くの喫茶店やファミレスに行けば良いのに」と言うと、相方が反論してきた「こういった時の駅近くの店は満員で入れないんだよ!」
なるほど、そうかもしれない。確かにそうだ。さらに相方は言う。「近くの店は入れないし、家に戻るのも大変でしょ。会社に連絡すれば、なんとかして来いって言われるし」相方が東京時代に勤めていた会社は典型的なブラック企業である。相方曰く「うちの会社は明るい北朝鮮だから」誰だ? そんな素敵で恐ろしいキャッチフレーズを考えた奴は。

札幌で暮らして二年半弱になるけれども、札幌の地下鉄が止まったことはないなぁと思い出した(地震の時を除く)。それに比べて東京の地下鉄はよく止まった。マシンスペック的な意味で東京と札幌の地下鉄に差異があるとは思われないから、やはりそこは人口の差か。それに東京は地下鉄が網の目のように交差しているから、一つ路線が止まるとそれが波及していくという部分もあるだろう。
あ、あと雪に滅法弱かったな。これは札幌市民だから思う事だけれども、東京の交通機関は雪に弱い。東京に住んでいた頃、降雪が原因で電車が動かなかった事があった。二時間くらい遅れて出社すると、チームの半数は出勤していなかった。当時は「雪だから仕方ないよね」と思うが、札幌市民となった今となっては「東京いくらなんでも雪に弱すぎだわな」と。年の1/3が雪の季節の札幌と、年に一度5センチ程度しか雪の降らない東京を比較することが無意味ではあるが。

東京の大崎の現場に通っていた時期があるのだが、電車が品川で止まった。確か、品川と大崎は一駅区間だったかな。チームの同僚に「電車が品川で止まった。遅れる」とメールすると「品川から大崎なら歩けるよ」と返事が来た。そこで20分くらい歩いて現場まで行った事がある。これは「なんとしても現場に行かねばならない」という使命感があったからじゃない。電車が止まって、どうにもならなくなったから、混雑した駅で運行再開を待つよりも歩いたほうが気分が良いからという判断からだ。気候もよくて、20分程度の散歩には丁度良かった。
電車が止まって駅の大混雑の中、運行再開を待つ人を見ているといつも思う。「電車が動かなかったら、会社休みにすればいいのに」と。無理して代替輸送に切り替えたりすると大変だ。そのせいで代替輸送になった沿線やバスがこれまた馬鹿みたいに混む。事故の元だ。二次災害を引き起こしたらどうするんだ。
そしてこれは判りきったことだけれども、「貴方がいなくても、会社は回る」。当然、俺もその例に漏れない。俺がいなくても会社は回る。じゃ、お前は何のために会社に属しているのかって? そんなの決まってるじゃないか、給料貰う為だよ。それ以外の理由なんて存在しない。

東日本大震災が起きて数日後、電車が動かなかったので、自転車で一時間掛けて職場まで行った事があった。俺は非常に反省している。そんな馬鹿なことをするべきじゃなかった。素直に「電車動かないから休みます」と言えば良かったのだ。そこまでして会社に行く意味も意義も必要性も何もない。せっかく自転車に乗っていたのだから、コンビニでコーヒーとサンドイッチでも買って、河原か公園に行くべきだった。そこでゆっくりとコーヒーを飲みながら、読書でもすれば良かったのだ。全く時間の大事さが判っていなかった。

その反省を活かし、交通機関がストップしたら、俺は躊躇なく休むつもりでいる。残念ながら札幌の地下鉄は優秀で、全然ストップしないけれど。