Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

モロッコ旅行4  3日目 アイト・ベン・ハドゥへ行く

さて、旅行3日目。本日は【アイト・ベン・ハドゥ】へ行く。【アイト・ベン・ハドゥ】とは世界遺産に登録されており、ハドゥ一族が築いた集落なんだとか。まあ、いつものように事前下調べを何もしていない俺は一切知らなかった。実は今日のエントリを書く為に、ウィキペディアで軽く調べた程度であったりして。
相方は世界遺産マニアなので、今回モロッコに行くに辺り、【アイト・ベン・ハドゥ】は絶対に外せない訪問地としてピックアップしていた模様。今日の行程はオプショナル・ツアーなのである。相方は日本にいる時にそういったツアーを調べまくって、既に申し込んでいたのであった。旅行に行く時にこういった「調べ魔」がいると助かりますな(笑)
ツアースケジュールとしては、朝の7時に集合。そしてそれから約4時間のドライブで【アイト・ベン・ハドゥ】へ行き、その後は映画スタジオの見学(この時だけガイドがつく)。でまたまた4時間かけてマラケシュまで戻るという強行日程。まあ、距離があるから仕方ないんだけどね。
俺と旧友Tは起きて20分もあれば出発出来るが、相方は化粧やらなんやらで時間が掛かるので朝の6時に起床。まだ暗い。7時近くになっても、まだ街は暗かった。どうやらサマータイムを導入している関係で日の入りが遅い分、日の出も遅かったのであった。
ピックアップ場所に行くと、ワゴン車が待ち構えていた。名前を確認後、車に乗り込む。車の中には、バックパッカーぼい金髪白人兄ちゃんが1人。そして俺達アジア人3人。たった4人だけらしい。まあ、こういった少人数でツアー開催はよくある事なので、特に驚きもなく(以前、トルコでオプショナル・ツアー申し込んだら、参加者が俺と相方の2人だけって事もあったしな)。
ということで、車は豪快に飛ばす。とにかく約4時間突っ走る訳だからなー。走っている間に、どんどん陽が昇ってくるのが感じられて、それはそれで楽しかった。

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ワゴン車は山道を豪快に飛ばす。それにしても、こんなガードレールもない山道よく飛ばせるなあと感心する。俺が運転手だったら、とてもじゃないが、こんなスピードは出せない。まあ、毎日この道を走って観光客を送っているのだから、当然といえば当然か。
山道を走っている途中でワゴン車が空地らしき場所で停まる。なんだろ?と思っているとワゴン車のドアが開いた。降りろ、ということらしい。山が見えるなあと思っていると、運転手が「あれがアトラス山脈だぜ」と。へー、と感心する我々。アトラス山脈なんて中学の地理の時間に聞いた事がある地名で、自分の人生においてかかわってくるなんて、思った事もない。その山々が目の前にあるとはビックリだ。これがあるから、海外旅行はたまらんのだよなあ。【アイト・ベン・ハドゥ】は暑いという情報を得ていたから、Tシャツの上は薄いパーカー一枚のみ。このアトラス山脈の記念撮影をした辺りは標高も高かったせいか、滅茶苦茶寒かった。

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また、ワゴン車が途中で停まる。何かと思うと、運転手が「あれがベルベル人の住居だ」と説明してくれる。ベルベル人というのはアフリカの先住民の事。アメリカのインディアンみたいなもんかな。

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そして、車はさらに走りお昼近くにだったか(ちょっと時間は忘れてしまった)、お目当ての【アイト・ベン・ハドゥ】に到着。ドライバーが「1時間、自由行動」と告げる。ふーむ、ついにここかぁといった感じ。実は俺は【アイト・ベン・ハドゥ】の予備知識が一切なかったので、特に何も感慨もなく。駄目な男だねえ、俺は(笑)
ただ、それでも目の前で見た【アイト・ベン・ハドゥ】の迫力はさすがに素晴らしかった。トルコのブルー・モスクを見た時にも思ったけど、素晴らしい建造物ってそれに対する知識とか一切なくても、心奪われるものなんだよねえ。

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ということで、3人で【アイト・ベン・ハドゥ】探索を始める。と、入ってすぐに、土産物屋通りが。早速捕まる相方と旧友T。なんと絨毯を売ってる土産物屋さんが流暢な日本語を話す。これにビックリ。なんでも昔日本に住んでた事があるのだとか。相方が話をしてて、俺は意図的に無視してたので(売りつけられるのが嫌だったから)、細かい話は忘れた。旧友Tは隣のターバンを売ってる土産物屋に掴まっていた。お前らなんですぐに土産物屋に掴まるんだ???

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旧友Tは、結局ターバンを売りつけられたらしい。100DH(1,300円程度)だって。高いんだが安いんだか、よく判らない。

海外のこういった世界遺産とか有名な観光名所を見ていつも思うんだけど、きちんと『順路』とかが示してあるのって、日本くらいなんだよね。他の国は割と放置プレイというか「好きに回りなよ」ってのが多い。で、俺と旧友で適当に歩いていたら、人の家に入り込んでしまったので、慌てて引き返す(【アイト・ベン・ハドゥ】は現在でも居住している人がいるのだとか。そういった人の家に入った場合はチップを渡すらしい。白川郷が現在でも普通の民家と観光用建造物が混在しているのと同じような理屈ですかね)。
次に古びた建物があったので入ろうとすると入口に「入場料 10DH」とあったのだが、料金を徴収する人がどこにもいない。出たところで払うのかな、と勝手に入る。なんか、昔のモロッコの暮らしが伺える感じ。一番奥まで進むと行き止まりなので戻って出てきた。暫くしてその入り口を再度見たら、その時は料金徴収の人が椅子に座ってた。怠けてたのだな、まあそれだったら入口に「10DHはこの箱へどうぞ」みたいに書いて料金箱置いておけばよいと思うんだけど。それじゃダメなのかな。
土産物屋で無駄な時間を喰ったので、ちょっと【アイト・ベン・ハドゥ】の頂上まで行く時間が怪しくなった。がここまで来て行かない手はない。それにツアー客は俺達以外はあのバックパッカーの白人青年一人だ。多少の遅刻は見逃してくれるだろう、ということで頂上まで。この日に備えて俺はバスケットシューズを履いていたのであった。
頂上で記念写真を撮って、一気に下山する。

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ちなみに、ここであの映画「グラディエーター」の撮影が行われたのだとか(ってゆーか、その映画見てないけどな、俺は)。

そしてワゴン車は次に映画撮影所に。
ここから、映画撮影所専門のガイドがつく。また他のツアー客と一緒にさせられ10人くらいで回る。その別ツアー客が若いヨーロッパ人の男性ばかりの集団で、こいつらが全員で写真を撮りまくっていて非常に五月蠅かった(笑)
相方はハムナプトラ(原題:マミー)の大ファンなので、「ここでハムナプトラ撮ったのかなー?」とワクワクしてガイドに訊いていたら「撮ってない」とあっさり言われて、テンションだだ下がりしていた(笑)

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ガイドが「ここで****を撮影しました」とか説明してくれるのだが、そもそもこういったエジプト/砂漠的なシーンの多い映画のファンじゃないので、何のことやらさっぱりである(おまけに当然ガイドは英語の原題を言うから、余計に判らなかった)。暑さでだいぶへばってきたし、朝食摂ってないから腹も減ってきたしで、映画はもういいから、ランチ食べたいなーって気分になってた(笑)

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撮影所の説明が終わり、やっとランチになった。ウエイターに「飲み物は?」と訊かれたので何があるのと尋ねるとビールがあると。無論俺も旧友も大喜びでビールだ。相方は炭酸水。
待っていると、なんかサラダみたいなお皿が。真ん中はツナか。

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食べ終わって「ずいぶんしょぼいなー。これだけかよー」と文句を言っていたら、やっぱりちゃんとメインでタジン鍋がやってきた。
今回のタジン鍋は、具材はチキンでカレー味。タジン鍋も色々種類がありますなー。まあ、これは普通に美味かったです。ただ、今回の旅行の中で食べたタジン鍋としては、味は一番下。ちょっと味付けが弱かったような。

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まあ、正直味付けはテーブルに調味料があるから問題ない。問題は「蠅」だ。そうまたもや蠅だ。スタジオ内レストランの中庭で食べてるのに、どうしてこんなに沢山の蠅が飛び交っているのか理解出来ない。
タジン鍋を食べながら、ひたすら左手で蠅を追っ払う。モロッコでの食事は「蠅を追っ払う」というのが基本セットだ(嫌なセットだな)。
デザートに林檎が丸々一個来た。むいてないのな(笑)
で、食事を終えてワゴン車に乗り込むとなんと金髪白人女性2人組が既にいた。誰だ、この人達。と、どうやら後で気付いたが、これはドライバーがヒッチハイク的な事をしている旅行者2人を勝手に乗せたらしい。金は取ってるのかもしれないし、取ってないかもしれん。が、この女性2人組を乗せた以降、ドライバーのテンションが明らかに上がっていたのは間違いのないところだった。
で、その後は2箇所程簡単な撮影スポットに寄り、また4時間近くのドライビングタイム。さすがにへばって帰りは俺も相方も旧友も皆半分以上寝ていた。ただ、途中で物凄い横揺れがあったりして、熟睡って訳にはいかなかったが。
フナ広場前でドロップして貰い(ドライバーには1日運転して貰ったのでチップに100DH=1,300円渡した)、リヤド(民宿的ホテル)に帰る。帰宅時間はほぼ20時くらい。
レセプション(フロント)には例の美人の眼鏡お姉さんが。「今日はどこ行ってきたの?」と訊かれたので「ワルザザード。すっげー良い経験したけど、滅茶苦茶疲れたよ」というとお姉さんが相方を見て「良かったらスパ無料でやってあげるわよ、どう?」と。あれがお姉さんのサービス発露なのか、それとも元々女性宿泊客にはスパ無料が設定されていたのかは知る由もなし。
相方がスパに行っている間、俺と旧友Tは無論レストランでビール。弾丸ツアーの後のビールは美味いわな。
で、本当は「タンジール」という料理を出してくれるレストランで夕食を食べるつもりだったのだが、いかんせん、時間が遅くなり過ぎた。レストランの場所もガイドブックでしか判らないからまだ実地確認していないし。ということで、スパを終えた相方がやってきたところで「今日は晩御飯ここで良いんじゃね?」という事になり、リヤド内のレストランで晩御飯を摂る事にした。
ひき肉と卵のタジン鍋とラム肉のタジン鍋を頼んで、これを3人でシェア。パンも付くし、これで標準の日本人の胃袋には充分。というか、疲れてあんまり食欲がわかなかった、というのが本音か。ってゆーか、昼飯も晩飯もタジン鍋なんだが…(笑)

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。どちらも絶賛する程でもないけど、充分に美味い。晩飯には、ワインも飲んだ。いやー、海外で飲むワインは堪りませんな(アルコールなら何でもいいんだろ、という突っ込みは禁止)。

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さて、明日はまた旅行会社のドライバーにピックアップされて、エッサウィラという街に行く。そこで2泊した後にまたマラケシュに戻ってくるというスケジュールなのだ。
エッサウィラは、1日ツアーでも行けちゃう程度の小さな街。だが、相方はその街の美しさに惹かれて、2泊というスケジュールを立てた。いわゆる「観光」でなくて「休暇」に行くというニュアンスだな。
そして、エッサウィラはは予想にたがわぬ美しい街である事を我々は知る事になる。ということでまた後日に続く。