Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

スペイン~モロッコ旅行5 モロッコでタジン料理のディナーを食す

ロッコに入国し、無事にリヤド(民宿)にも到着した。まず俺達がやらなくてはいけないことは両替だ。モロッコの貨幣通貨であるディルハムに両替しなくては。リヤドのマダム(女主人)に両替所の場所も教えて貰った。荷物を部屋に置き、俺達はリヤドのある旧市街を歩く事にした。
その前にリヤドの建物の中の紹介をしておこう。廊下とかが洒落ているのだよなあ。モロッコの一般家庭の中に入った経験はないから、正直何とも言えないけれども、モロッコの家の中ってこんな感じなのかなあ…と。実際はもっと汚いんだろうけれどもね。

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俺達の滞在したリヤドは、坂の上にあったので、階段がきつい。足を怪我している相方には、ちょっと大変な道だった。ま、これも仕方ない。いい歳してディスコでフィーバー(死語である)なんかするからである。自業自得だ。

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ロッコの旧市街は迷宮だ。翌日、俺達はそれを痛感する事になる。だが今日はとりあえず両替、そしてディナー。そのくらいだ。本格的に歩き回るのは明日。というのも、もう時間が夕方の五時を回っていたから、リヤドの場所も判らない状態で歩き回ると、帰って来れなくなる可能性が高かった。マダムに書いて貰った地図を頼りに歩くと、どうみても地図に描かれた両替所の場所にあったのはクリーニング屋

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「なあ、まさかクリーニング屋で両替してんのかな?」俺は相方に言う。相方も首を捻る。俺達もモロッコの事情に精通している訳じゃない。もしかすると、クリーニング屋が両替もやっているのかもしれないが、どうみてもそんな雰囲気じゃない。
何度か歩き回ったが、これは無理だなと判断。「帰ってマダムにもう一回訊いてみよう」となった。リヤドに戻るとマダムが「両替出来た?」と訊いてきたので「場所判らなかったんだけど」と答える。マダムが「なんで判らないの?」といった顔つきになる。
すると、御主人(この人がリヤドの実質オーナーだろう)が「ワシが一緒に行ってやろう」と。御主人は殆ど英語が話せない。フランス語オンリーだ。こっちはフランス語が判らない。でも、そこは何となく雰囲気で通じるものがあるのだな。
御主人に連れられて両替所に行く。どう考えてもマダムの描いてくれた地図が間違っていたと思う。また、この両替所が全然両替所に見えないんだよな。下が両替所の写真。これは営業終了後に撮った写真だけど、営業中でも扉が開いているだけで、中で若い兄ちゃんがソファで座っているだけなんだもの。両替所って看板もないし、何かしらの店をやっている風情でもない。こんなの絶対判る訳ない(笑)

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両替商の兄ちゃんが「いくら両替したいんだ?」と訊いてきたので、「200ユーロだ」と答える。相方と「300ユーロ(36,000円くらい)替えておけば充分かな」と部屋で話していた。だが、今回はモロッコでは特に買い物をする予定もなかったし、食事代くらいあれば充分だ。それにディルハムは余っても他国で使えない。下手に残るくらいなら、ギリギリの両替にして、あとはユーロでなんとかしようという目論見だった。
兄ちゃんが電卓を叩く。レートは悪くなかった。手数料等考えても妥当な感じ。すると、リヤドのご主人が兄ちゃんに何か言っている。兄ちゃん、電卓の数字を御主人に見せる。御主人頷いていた。ようは「うちの客だから、ぼったくるなよ」という事なんだろう。御主人が付いてきてくれたおかげで、無事に両替も出来た。相方が後で「オーナーが付いてきてくれたから、変なレートにならずに済んだのかも」と言っていた。
多分、御主人はこの街の顔役なんだろう。だから、両替商の兄ちゃんも下手な事はしないのだと思う。マフィアの上下の掟みたいなもんかもしれない(笑)
ピンボケしちゃったが、下はマフィアのゴッドファーザーこと御主人と相方。

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無事両替を終えて、一旦リヤドに戻る。マダム(リヤドの女主人)に「リヤドの裏にモロッコ料理を食べさせるレストランがあるわよ」と先程教えて貰っていたのだ。相方の足の怪我もあるし、俺達もまだこの街の事が判っていない。下手に遠出すると戻れなくなる。ということで、リヤドの裏でディナーを摂る事にした。
外の雰囲気は悪くない。夜のモロッコの旧市街って、それだけで良い感じなんだよなあ。こういったところを歩いているだけで、なんかワクワクしてくるというかね。

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下の写真がレストラン。なんか良い雰囲気だよなあ。

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三階のテラス席に通された。新市街の景色がよく見える。驚いたのが、モロッコなのに、やけに明るいのだよなあ。俺達はもっと暗い風景をイメージしていた。

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「モロッコって、充分電気来てるんだねー」とは相方の弁。こういったのも実際に来てみないと判らないことだ。そしてそれを知る事が出来るから、海外旅行は楽しいのだ。
メニューはディナーコースがある。おお、これを選べば簡単じゃないかということで、相方はラムのクスクス料理。俺は「やはりモロッコ来たら、タジンでしょ」ということで、ビーフのタジン料理。前回(もう6年近く前か)モロッコに来た時もタジン鍋を喰いまくったのだが、またしつこくオーダーするのであった。
飲物は当然、炭酸水。というかこの店はアルコールはそもそも置いていない。

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ロッコの旧市街はアルコールを置いてない店のほうが一般的だ。リヤドのマダムに「このレストランはワインないわよ、それでも良いの?」と訊かれていた。その時「俺はアルコールは飲みません。彼女(相方)は飲みますけど」と答えたら、マダムはえらく驚いていた。モロッコの女性からすると、夫が酒を飲まずに妻が酒を飲むというのはあり得ない事なのかもしれない(モロッコイスラム圏だから、アルコールはそもそも厳禁だ。それに妻だけ酒を飲むという夫婦の関係が想像の範疇外なのかも)。
お約束のように、オリーブ、そしてパン。

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前菜は、スープとサラダ。このスープとサラダが美味くて、俺と相方は「この店ヒットだねー」と大喜びした。このスープにパンを浸して食べると非常に美味い。

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サラダは当然、塩胡椒とオリーブオイル三昧だ。

しかし、この後のメインディッシュで裏切られる羽目になるとは思いもよらなかった。
ラム肉とクスクス。このクスクスの量が半端なかった。クスクスというのは、小麦粉を細かく捻ってお米のような形にする料理(で合ってるかな?)。残念な事にラム肉の上に乗っているソースが甘い味付けで、これは俺達日本人の口には合わない感じだった。相方は「このソースが美味しくない」とがっかりしていた。

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そして俺の注文したビーフタジン。大量にプルーンが乗っている。これも俺的には「ちょっと違うな」って感じだった。俺は甘い料理って好きじゃないんだよね。だから酢豚とかも好きじゃないし。肉も筋張っていて、今一つだった。

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そして一番の誤算というか、俺達のミスはメインディッシュを二品も頼んでしまった事だった。俺達は歳喰っているせいもあって、食が細い。海外ではいつもメインを一品にサイドメニューを二品くらい。これで充分だったのだ。それなのに、久しぶりのタジン料理とクスクスを目の前にしてメインを二品も頼んでしまった。明らかに頼み過ぎ。クスクスも半分くらい食べてギブアップ。俺達が喰えなさすぎなのか、海外は量が日本人には多すぎるのか…

それでもデザートにモロッコプリン、そしてエスプレッソ。

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料金はトータルで600ディルハムくらい(いくらだ? 6,500円くらいかなあ)。ここは多分、観光客相手の店なんだろう、値段はちょっとお高めだった。ま、でも俺達はモロッコでは特に観光も買い物も考えていなかったから、料理くらいは贅沢しないとね。
レストランの横にあった廃墟の建物に書かれていた文字。勿論、何が書いてあるかは一切判らないんだけど、こういったのを見るだけでも楽しい。

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リヤドに戻ると、入り口のライトが点いていて、これがまたお洒落なんだよなあ。

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部屋は禁煙なので、一階のロビーみたいなところ(ここには灰皿がある)で煙草を吸っていたら、夜のレセプション担当のおじさんが「テラスで吸えるよ」と教えてくれたので、テラス(最上階)まで行って、煙草を吸いながら、モロッコの夜景を楽しんだ。

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さあ、明日はモロッコの迷宮でものんびり歩いてみるとしますか。