Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

さよならJ-P0P、こんばんはBlues

先週、旧友と5年振りにアコースティックギターデュオの練習をしたことを書いた。5年のブランクがあって再開出来たのだから、運が良いとも言える。というか、運が良かったとしか言いようがないのかもしれない。
こういった一度終わった物事を再びやるには、本人のやる気や努力だけではどうにもならなくて、運や巡り合わせみたいな要素も必要だ。

そこでちょっと俺は調子に乗って、去年の3月から活動停止になっているバンド(J-P0Pのカバーバンド。俺の担当はドラム)のグループラインにメッセージを送った。f:id:somewereborntosingtheblues:20211110010545j:plain

「皆、元気ですか。特に何かあった訳ではないのですが、また皆の演奏に合わせてドラム叩きたいと思っています」という意味のことを、非常にカジュアルな言葉で書いた。バンドでドラムを叩きたいという希望はあるが、メンバーの中には病院勤務の人間もいる。簡単に「じゃあ、バンド再開しましょう」と言えない立場の場合もあるのだ。また、活動停止になって既に1年8ケ月が過ぎている。このバンドに関しての情熱が無くなっているメンバーがいても不思議じゃない。

ギターとキーボードからはその日のうちに返信が来た。が、一番このバンドに熱心だと思われたベースからは音沙汰無し。ボーカルからも反応がない。
そういうことなのかもしれない。バンドという趣味そのものに興味が薄れた可能性はある。コロナの影響で、生活が以前と変わってしまい、バンドに時間を費やすことが不可能になったというのもあり得る話だ。単純にこのバンド自体に飽きて、別のバンドに活動方向をシフトさせたのかもしれない。
理由なんて判らない。所詮推察でしかない。だが、ボーカルとベースからリアクションが何もないという事実が全てだ。

時を同じくして、去年の3月に活動を始めようとして、コロナのせいで始動出来なかったブルースバンドのグループラインにギターからメッセージが送られてきた。
「ちょっと活動再開しませんか? 新しくベーシスト募集して。近いうちにスタジオ入れたら良いですね」と書かれていた。

微妙にややこしいのだが、上記のJ-POPカバーバンドのギタリストと、下のブルースバンドのギタリストは同じ人だ。名前は仮にK君としておく。J-POPのカバーバンドのメンバーを集めて活動が始まった時、たまたまギターのK君と俺のサシで飲んだことがある。
「僕、本当はJ-POPじゃなくて、ブルースやりたいんすよー。J-POP難しいじゃないっすか」彼は愚痴を言った。
未だに不思議でしょうがないのだが、彼は最初の自己紹介の時に「ブルースが好きだ」と言っていた。ブルースを好きな人間が、何故邦楽にしか興味のない女性ボーカル(J-POPバンドのボーカル)に声を掛けたのだろうか。
フットサルやりたいのに、3on3のバスケットにしか興味のない人間をフットサルに誘うようなものだろう、それは。

K君と飲んでいた時に「だったらさ、J-POPバンドとは別にブルースバンド組めばいいじゃん。ギターはK君がいるし、ドラムは俺がやる。あとはベースさえ見つけりゃ、ブルースバンドやれるじゃん」俺は酔った上で戯言をほざいた。K君は俺の寝言を本気にした。
K君が「ボーカル志望とベース希望の人見つけてきましたよ。スタジオ入りましょう!」と言ったのが、2020年の1月。言った手前、あとには引けない。しょうがねえ、俺はJ-POPバンドとブルースバンドの2つのバンドでドラムを叩こうと決めた。それが2020年の2月頃だ。つまり、コロナ騒動が世の中に広まるちょっと前の話。

ブルースバンドは、一度セッションで手合わせしたベースの人が「スケジュール的に無理なんで、やっぱり辞める」と言って、ベースレスになってしまった。新しいベースを探そうとなっていた頃に、コロナの影響でそもそもスタジオ入り自体が不可になったのだ。

あれから1年9ヶ月が過ぎた。旧友とのアコースティックギターデュオのブランクに比べれば短い。だが、旧友とはそもそも30年以上の友人としての付き合いがある。これは強固だ。多少の空白なんて、なかったものに出来る。それに比べてブルースバンドのメンバーなんて数回スタジオでセッションしただけ。それなのに2年近いブランクの後にまたスタジオに入れそうな雰囲気になってきた。

ギターのK君とは「J-POPバンドはボーカルとベースから反応ないから、多分このまま終わりだろう」という会話をした。望みはゼロではないけれども、限りなくゼロに近い。
まだブルースバンドのほうが、再建の望みはある。

久しぶりに「クロスロード」や「スィートホーム・シカゴ」をドラムで叩けるのか。うん、悪くない、悪くないぞ。