Some Were Born To Sing The Blues

酒好き(2017年秋に断酒を宣言)、音楽好きな中年のおっさんの日々の呟き。趣味はテナーサックスとドラム。2016年冬に50歳目前で札幌に引越し、2017年春にピアノを始めました。そして2019年6月に東京暮らしを再開。生々流転の日々です。

自分の事を一番判っていないのは、自分なのかもしれない

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(先週作った、肉野菜ラーメン。野菜を摂りましょう(笑))

先日、男4人で酒を飲んだ。A君は40代前半、Bさん、Cさん、俺は50代という、おっさんの集まりである。

最初の生ビールを乾杯した辺りでA君が言う。
「年明けてから、金が掛かってしょうがないですよ。今、婚活中なんで。今月も7人の相手と会ったから、金がなくて…」
A君が婚活中なのは知っていたし、金が掛かるのもやむなしであろうとも思う。A君は、いわゆる婚活サイトだか、結婚相談所だかに登録して、相手を紹介して貰っているのだと言う。そこに関しては特に突っ込む気はない。結婚したい男性が、結婚したい女性を紹介して貰い、上手くいけば結婚まで辿り着く。
そういったシステムを否定する気は俺にはない。

が、A君の発言に俺は衝撃を受けた。
「39歳の女性を紹介して貰ったんですけど、勘弁してくれーですよ。なんで、そんなアラフォーの女性を紹介してくるんですかね。こっちは30前後を希望してんのに」
いや、ちょっと待て。A君は43歳である。43歳の男性に39歳の女性を紹介する。なんらおかしなところはないと思うが。それに、30歳なんて、A君と一回り歳が違うのだぞ、どうして、そんな若い女性を紹介して貰えると思っているのだ?

よくネットとかで、自分の事を一切鑑みずに、若い女性が良いという男性の発言を目にする。ああいったのは、俺はネット上の創作物だと思っていた。だって、そうだろう? 自分の年齢やスペックを考えたら、そんな若い女性と付き合える、結婚出来ると思える要素ってなんだ?
俺は今既婚だし、結婚相手や恋人を探してはいない。だが、もし仮に俺が今、パートナーを求めたとしたら、40代後半から50代半ばくらいの女性が適切な年齢層だと思う。俺が結婚相談所とかに登録して、30代半ばから後半の女性を紹介されたら「若すぎませんかねえ」と自分から言う気がする(俺は52歳である)。

さらに驚いたのが、次の発言だ。
「やっぱりね。アラフォーにもなって結婚出来ない女性って、なんらかしらの事故物件なんですよ。結婚出来ないのには、やっぱり理由あるんすよねー」
この時、Bさん、Cさん、俺は反論しなかったが、三人とも同じことを思っていたに違いない。
「お前が言うな!」

結婚していない40歳前後の女性を事故物件というのなら、結婚していない43歳の君も充分に事故物件だろうが。なんで、その場合に自分だけ例外扱いになるのだ?
A君は普段の発言とかにおかしなところもないし、見た目もハンサムである。初めて会った時は、なんで結婚出来ないのかなと思っていたが、ちょっと腑に落ちた。こんな考えの人間だから、結婚出来ないのだ。

俺達は、やんわりとA君に言った。
「30歳前後なんて、さすがに若すぎるだろう。会話とか合わないんじゃない?」
すると、A君は再び、矛盾するようなことを言った。
「だって、40前後じゃ、もう子供作れないじゃないですかー」
A君は子供が欲しいのだと言う。子供が欲しいという独身者の気持ちを否定する気はない。だが、君だってもう40歳廻っているんだぞ。だったら、何故もっと若い頃に、真剣に結婚しようと動かなかったのだ?
子供が欲しい、だから相手の女性は若くないと子供産むのが難しい。つまりアラフォーじゃNG。その理屈は君自身にだって当て嵌まるのだ。男性だって40歳過ぎたら、妊娠させる可能性は低くなるのではないかね。

見事なまでに、自分の事は一切スルーして、相手にばかり条件を求めている。
こういった「女性は若いのに限る」なんて発言はネットで何度も見かけた。そのたびに俺は「ネット上だからって、詰まらん発言するなー」と思っていた。それは本心じゃなくて、単にウケを狙って書いているのだろうと思っていた。
だが、A君の発言を聴いて「ネットにある発言って、実はリアルでもそう思っている人って一定数いるのだなあ」と驚いた。

さらにA君は訳の判らん事を言い出した。
「シングルマザーって美人が多いんすよ。あれ、なんでなんすかね」
「いや、シングルマザーの中にも美人もいれば、不細工もいると思うぞ。というか、シングルマザーだから美人という理屈は判らん」俺は返した。
すると、A君はさらに理解不能な事を言う。
「この前、新幹線に乗ったら、シングルマザーがいてすげえ美人だったんですよ。子供は5歳くらいの女の子で」
「ちょっと待て。なんで母親と子供だけでいたら、シングルマザーになるんだ。旦那はたまたま別行動とかしてる場合もあるだろ」
「いや、新幹線ですよ。シングルマザーですよ、あれは」
「現地で落ち合う予定とか、単身赴任の旦那のところへ奥さんと娘さんが訪ねて行こうとしてるのかもよ」
A君の思い込みというか、殆ど妄想の世界には呆れ果てた。これはきっと女性に自分の願望や理想を相当押し付けるタイプだなと俺は考えた。

多分、A君は交際相手とかに「ねえ、私の話ちゃんと聴いてる?」とか「私の言った事、理解してる?」とかよく言われたタイプなんじゃないかと思う。相手の事を理解しようともせず、自分の描いた世界を無理矢理構築しようとする、そんな人だ。そういう人は結婚には向かない。曲がりなりにも既婚者の俺が言うのだから、一分の理はある。

自分の事を一番判っていないのは、実は自分なのかもしれない。俺は彼の発言を聴いて、しみじみと思った。
となると、俺も独りよがりな考えや発言をしていないか、自分を顧みる必要があるな、そんなことを考えた。