Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

スペイン~モロッコ旅行3 マラガの街で、お城とパエリアとハードロック・カフェ

相方に遅れる事、三日。やっと俺はスペインの南の都市、マラガにやって来た。だが、台風のせいでスケジュールが縮減され、明日の午前中にはここを立たなくてはいけない(モロッコに行く為)。今は午後の三時半。俺に残された時間は余りない。
相方の言う通りに、城壁を見に行く事にした。今回のホテルは日当たりも良く、ベランダから海とお城が見えるという、なかなかのナイスビュー。ああ、俺もここで数日過ごしたかった(しつこい)。

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城壁を見に行く前にホテルの内部の様子など。バスタブとシャワールームが別なのが珍しくないんだよな、海外では。日本人にはこの構造はどうにも違和感がある。

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ホテルを出てお城を目指す。これといって、何か凄い建造物や景色が目に入る訳でもない。でも歩いているだけでも気分が良くなる。

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相方が右足首に包帯を巻いていた。
「どうしたの?」と尋ねると「肉離れ」との答え。理由を尋ねると、札幌で出来た友人のC子さんとディスコに行って踊りまくったら、肉離れになったのだと言う。相方はモロ、バブル世代の申し子である。俺はバブル時代は苦学生で、バブルの恩恵は受けていない。理由が理由だけに同情する気持ちがゼロになった。とは言え、肉離れで城壁なんか歩いて大丈夫なのか? 階段や坂道が尋常ではないのだ。ゆっくりと相方のペースに合わせながら高台まで登ると、マラガの海が見える。

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いかにも南国風の花も咲いていて気分も良い。東京にいると、花の風景なんて気にした事もない(というか、東京だと花の景色そのものがほぼない)けれど、海外にいると、こういった景色に目をやる余裕も生まれるんだよなあ。

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あと、札幌にいた頃もやたらと花の景色で心を癒されたものだ。
花や緑のない生活というのが、どれだけ潤いに欠けるかが判るというものだ。

遠目にフェリーが見える。

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相方が「あれ、世界一周とかするのかなぁ」と呑気な質問をする。俺が「それともずっと停留していて、レストランとかやってるのかもよ」と答える。実際はどうなのか判らない。でも、そういった他愛の無い会話をゆっくりと二人で出来る。その事に俺は感謝した。海外で景色を共有し、同じ時間を過ごす。それがどれだけ大切なことか、そしてどれだけ貴重なことか。この旅行が俺にそれを教えてくれた気がする。
今度は海の反対側の景色に目をやる。大聖堂が見える。相方は既に大聖堂(カテドラル)を見て来たと言う。

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「どうだった(カテドラルは)?」と訊くと「まあ、カテドラルだからね。他の街と変わらないよ」との答え。ま、要するに教会だからね。そこは変わりようがないのだ。

かなり登ったところで、撮影スポット的な場所に到達する。下手くそなバイオリニストがピッチの不安定な演奏をしている。相方が「なんか、聴いていると不安になってくる」と言うので俺は笑い出した。上手かったら、チップをやろうと思ったが、チップをやるレベルではなかった。何故か、a-haの「Take On Me」を演奏していた。ここで、珍しく相方が俺の写真を撮ってくれた。逆光である。ちなみに、俺はこの恰好で北海道の新千歳空港からやってきたのである(着替えてません)。

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「あ、あれ、闘牛場だよ!」と相方が指さす。相方は前にスペインに来た時も闘牛を観たいと言っていたのだ。「今はシーズンオフでやってないんだってさ」と相方は残念そうに言う。俺は闘牛はそれほど見たくないし、闘牛というこのスペイン独特の文化も動物虐待の観点から、開催頻度は減っているのだと言う。

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それにしても、闘牛は許されても、鯨の肉を喰うのは許されないというのもおかしな話ではある。
城壁から撮った街の景色を適当に載せておく。良い景色だなあ、やっぱりここにあと数日はいて、飽きるまで過ごしたかった。

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城壁を一周して、今度は城そのものを観に行こうと、一旦街へ降りる。すると和食レストランに遭遇。寿司レストランなのかな?

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お城の様子。さすがに日本の城とは趣が違う。俺達はこういったものを見ると「おー、すげー」と思う。

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となると逆説的に、ヨーロッパの人が姫路城や熊本城を観たら、感動するのも納得する気がした。あと城じゃないけど、清水寺とかね。いかにも日本的な建造物だから。

街のカフェの様子が見える。これがいかにもスペインて感じで俺は好きなんだよなあ。

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本当はこういったところで「セルベッサ(ビール)」とか注文して飲みたいところだけれどもね。相方との約束で酒は飲まないのだ(機内でたらふく白ワインを飲んだのはここだけの秘密)。
そして城の内部に入る。城のフォームと街の近代的な建物の対比がまた良いのだ。城の写真も大量に撮ったのだが、同じような構図が多いので割愛。満足して街に戻る。

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マラガの街に到着した時に目に入った不思議なフォルムの幾何学的な建造物。これは一体何なのだろう?

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一旦、ホテルに戻り小休憩。相方の足の怪我の兼ね合いもあるから、適度に休憩を取らないといけない。段々と陽が落ちて来る。それでも、スペインは日の入りが20時くらいと遅い。初めてスペインに来た時、朝の8時を過ぎないと日が昇らず、夜の8時くらいまで明るいのを体験した時はえらく驚いたものだった。
相方が「日本は日のいずる国ってのはホントなんだねー」と感心していたっけか。
夕暮れの城の様子も、これはこれで良い。

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相方に「スペイン滞在が三日間削れたから、初日のディナーは豪勢に行こう。高そうなレストラン探しておいて」と日本からメッセージを送っていたのだ。相方は一人でマラガの街を適当に散策しながら、海沿いの良い雰囲気のレストランを見繕ってくれていた。

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窓際の海が見える(と言っても暗くて良く見えないんだけどね、実際は)席に座り、まずは飲み物。俺は勿論、炭酸水。相方はビールを注文。

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グラスに氷が入っていた。俺が「氷、大丈夫かな?」と相方に言う。過去に海外で提供された氷でお腹をやられた事が何度もある。胃腸の弱い俺には、海外での氷は鬼門なのである。
「ボトルから直接飲めば?」と相方は言う。だが、せっかくの炭酸水。やはり氷ありで飲みたい。腹を壊したら、その時はその時だ。と、グラスに注いで飲む。運よく、翌日お腹が痛くなるような事はなかった。
相方と「やっぱり、パエリアは外せないでしょー、サラダもいっとこうか」とメニューを相談。相方が「あと、お肉食べたいなー」と言う。相方は一人でこの街で過ごしている間は、カフェでサンドイッチを食べたりして、夕食にしたのだと言う。確かに海外では女性が独りで、ちゃんとしたレストランで夕食を摂るという事はない。日本みたいな「おひとり様」はあり得ないのだ。
メニューを見て「じゃ、サーロインステーキでも行っておくか」と。メニューを確認すると、パエリアは二人前からの注文とある。これは以前も経験したから判っている。「量多いんじゃないかな?」「そん時は半分だけ喰って、あとは残せばいい」と俺。勿体ないけど、サラダ頼んでパエリア二人前注文してステーキまで完食出来る訳がない。
ウエイターが来たので「サラダとシーフードパエリア、それからサーロインステーキ」と注文したら、ウエイターが「パエリアは二人前だよ。そんなに食べられる訳がないよ」と言う。うーむ、そりゃこっちもそれは判っているさ。親切心から言っているのだろうけれども。ウエイターが「やめとけ、やめとけ」とステーキの注文を阻止するので、「じゃ、パエリアの量見て、それで追加するか決めよう」となった。
それにしても、どのレストラン行っても、オリーブがお通しのように出て来るんだよなあ。韓国に行くとキムチが無条件で出て来るようなものか?

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あと、お通し第二段というか、無条件でサーブされるパン(無料ではない)。これで結構お腹が膨れるのだ。無論、パンはオリーブオイルに浸して塩胡椒で食べるのがお約束(俺達の中では)。

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サラダがやってきた。相方が「海外くると、どうしても野菜不足になるからねー。朝食は殆ど野菜ないし」とサラダに喜んでいた。「野菜を食べないと死んじゃう教」の信者であるのだ、相方は。

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そしてやってきたシーフードパエリア。思ったよりも量は多くない。これで二人前なら、ステーキいけるんじゃね? と俺は思ったが、まずはパエリアを片づけよう。二人で「うん、このパエリア美味いな」と感嘆し、どうでもよい会話をしながら夕食を味わう。

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当初はステーキいけると思っていたのだが、パエリア後半になってきた辺りから、相方が「お腹一杯になってきた」と言う。俺も「ステーキは要らないかな」という気分になってきた。
さすがに互いに喰えなくなってきている事を実感する。
食事を終えた頃に、60歳過ぎに見える白人男性が俺達のテーブルにやってきた。「お食事中、失礼。貴方達は何処から来たのかな?」なんだ?と思ったが特に害は無さそうなので「日本からだよ」と答えると、白人男性は「どうやら妻の勘が当たったようだ。お邪魔して失礼した」と去って行った。相方が「アジア人は珍しいのかなー」と言う。「奥さんの勘が当たったって言ってたから、俺達が何人か賭けてたんじゃない?(笑)」と、俺は返す。確かにマラガの街でアジア人は見かけなかった。
ウエイターに「デザートは?」と訊かれたがこれは断った。「コーヒーでも飲むか」と訊くと「だったら、ホテルの近くにハードロック・カフェあるからそこ行こうよ。そこでアイス食べたい」と相方が言う。ハードロック・カフェか。それも悪くない。
ということで、この海の近くのレストランを後にする。食事代は約60ユーロ(7,200円くらい)。スペインは物価が高いのだよなー。でも、美味しかったし、満足した。それに俺にとってはマラガで最初で最後のディナーだからな。この程度の贅沢は許されるだろう。

ということで、ハードロック・カフェに行く。御存じの通り、ハードロック・カフェには、有名なミュージシャンの使用したギターや衣装が飾ってあるのだ。それを見るのが楽しみの一つでもある。

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サミー・ヘイガー(元ヴァン・ヘイレンのヴォーカリスト)のギターが飾ってある。

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本当なら、ここでテキーラのストレートかバーボンのロックをいきたいところだが、それは我慢してノンアルコールカクテル。名前は忘れた。なんとかモヒート。物凄く甘かった。

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相方はチョコとバニラのアイス。なんで女性は「お腹一杯」と言った後にアイスが喰えるのか? 甘い物は別腹という言葉の意味が、俺は50年以上生きてきても未だに理解出来ない。

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テーブル席のところにギターが飾ってあった。プレートを見ると「元ボンジョビのギタリスト、リッチー・サンボラ使用のギター」とある。おお、さすがハードロック・カフェ、有名どころのギターが盛りだくさんである。

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カフェエリアの横にはTシャツショップが並列されている。俺は一枚赤いTシャツが気に入ったので「これ買おうかなー」と悩んでいると相方が言った。「マラガは今日しかいないんだよ。買い物するチャンスは今しかないよ」と俺の背中を後押しする。相方は「買い物しないと死んじゃう教」の信者でもある。

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そーだなー、マラガは今日が最初で最後の夜だし。ということで、赤いTシャツ、33ユーロ(約4,000円)で購入。旅の記念にもなるし、デザインも気に入ったので悪くない買い物だ。

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店を出て、相方が「あー、お水買うの忘れてた。ホテルの近くの店、10時で閉まっちゃうんだよ」と絶叫した。ホテルの近くにはいわゆるデリ(コンビニ的な店)は殆どなかった。じゃ、しょうがない。ちょっと反対側まで歩いてみよう、と適当に歩いていると、運よく24時間の店を発見。俺達は夜の散歩を楽しんだ。
夜のマラガも良い雰囲気だ。最初で最後というのが勿体ないが、これもまた旅だな。

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さあ、明日はモロッコへ向けて出発だ(でも、やっぱりもう少しマラガに居たかった)。