Some Were Born To Sing The Blues

酒好き(2017年秋に断酒を宣言)、音楽好きな中年のおっさんの日々の呟き。趣味はテナーサックスとドラム。2016年冬に50歳目前で札幌に引越し、2017年春にピアノを始めました。そして2019年6月に東京暮らしを再開。生々流転の日々です。

When You Close Your Eyes(Night Rangerのliveを観て来た)

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今日は仕事を15時に早退した。何故なら、ナイト・レンジャーという往年のロックバンドのライブを観に行く為だ。無論、定時に上がっても、ライブには間に合う。だが、定時前後に仕事がいきなりやってきて、逃げられなくなる可能性もある。
それは避けたい。何のために一万近いチケット代を払ったのか意味がなくなる。そこで15時に早退すると予め言っておけばそういった事を予防出来る。そもそも定時に上がるのに了承がいる時点でだいぶにおかしな話ではあるのだけれども。しね、ブラック企業

ナイトレンジャーというロックバンドに関して言えば、実は俺がちゃんと聞いた事のある曲は5~6曲しかない。「なんでそんな知らないバンドのライブ観に行くんだよ?」と不思議に思う人がいてもおかしくない。俺も或る意味「変だなー」と思う。実はライブのチケットを取ったのが、札幌にいた頃だったのだ。
札幌は東京に比べて100万倍良い場所だ。というか、東京は人が暮らす場所としては最下層だ、糞である。こんなとこに住む人の気が知れない。みんな死ねばいいのに(暴言過ぎである)。
札幌は良いところだったが、唯一東京に負けていたのが、外タレのライブが見られないということだ。札幌時代、好きなミュージシャンのライブが見られずに悶々とした。で、東京戻る事が決まった時に「あ、東京戻ったら、好きなライブ見られるなあ…」と思い、それでのべつまくなしにチケットの予約をしてしまったのだ。そのうちの一つがナイト・レンジャーだった。

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ナイト・レンジャーは、昔人気のあったアメリカン・ロックバンドだ。良質なメロディと恰好良いツインボーカル、そして派手なギター。売れる要素がいくらもあった。彼らの人気が絶頂だったのは、今から35年も前となる。俺が17歳の頃の話だ。勿論、俺も彼らのヒット曲は一通り聴いていた。だが、格別ファンだったという訳じゃない。でも、彼らのヒット曲を聴くと、17歳の頃の自分が甦るのだ。
出たよ、ジジイの回顧録が。そう思う人もいるだろう。だが、それは仕方のないことではないか? 俺はもう51歳だぞ。この歳になれば、先細る未来よりも、輝いていた若き日を思い出しても罰は当たらんだろう。

ナイト・レンジャーの往年のヒット曲を聴いていると、若かった頃の自分を思い出し、当時の恋人のことを思い出す。当然のことながら、今でもその恋人に未練があるとか、そういう事じゃない。もうそんな気持ちは一切残っていない。ここだけの話だが、FACEBOOKで彼女の近況を知る事が出来るのだ(俺と彼女はFACEBOOK上は友達になっているのだよ、これが)。彼女は既にお祖母さんになっている。孫を抱きかかえた写真を時々アップしたりしている。
それを見ると、「35年前に、俺はこの人と付き合っていたんだっけ?」と不思議な気分になる。でも、そういったもの全て込みで、やはり17歳の頃の時間は別格のものだったなあと思うのだ。
これは、10代の頃でなければ持ち得なかった時間であり思い出なのであろう、と。そしてその思い出や気持ちがナイト・レンジャーのヒット曲とリンクしているのだ。これはナイト・レンジャーに限った話じゃない。当時流行っていたブライアン・アダムスシンディ・ローパーも同じ想いを呼び起こす力がある。

今更還暦過ぎたロックバンドの演奏聴いて何が楽しいんだよ? そう思う人もいるだろう。だが、音楽ってのは理屈じゃない。数式じゃないのだ。想いや感情や経験や色々なものが全て合わさって、その楽曲と結びついていく。
ナイト・レンジャーのヒット曲に"When You Close Your Eyes"という曲がある。「君は瞳を閉じる時、俺の事を思ったりするかい?」そんなたわいのないラブソングだ。俺が今初めてこの曲を聴いたら「くっだらねー曲だなー」と一笑した事だろう。だが、俺が初めてこの曲を聴いたのは17歳の時だ。17歳の俺にとって、この歌詞はとても重い意味を持っていた。当時、好きで好きで堪らなくて、結婚まで考えていた彼女のことをこの歌に重ねていた訳だ。
今の俺からすれば、17歳の俺なんて、若くて青くて経験値も何もなくて、ただただ純粋なだけだった。でも、あの頃の純粋さは、どうやっても今の俺には持つことが出来ない。というか失ってしまったというか、もうどれだけ頑張ったところで持つことの出来ない蒼さだ。
そして、ナイト・レンジャーというバンドの曲を聴く事によって、俺は当時の自分を思い起こす事が出来る。それが音楽の素晴らしさだ。音楽によって、俺はあの若き日に戻る事が出来るのだ。人によっては、これが音楽ではなくて、映画だったり、ドラマだったり小説だったりするかもしれない。

ということで、全然ライブの話になってないが、まあいいや。ナイト・レンジャー好きな人はそういった同好の士のblogでセットリストや演奏内容をチェックするだろうから。
三時間近いライブ、楽しかった。51歳の年寄を17歳に戻してくれた。ほんの数時間しか持たない魔法だったかもしれないが。でも、音楽にはそれだけの力がある。そしてそういった魔法を知っている限り、人はどれだけ歳を喰っても、やっていけるんじゃないだろうか。
そう思うのだ。