今年の元日早々、川崎ラゾーナ(商業施設。早い話がショッピングモール)へ出掛けた。目的は、551の豚まんを購入すること。そしてもう一つは、俺の誕生日祝いに財布を相方に買って貰うこと。
以前使っていた財布は、やはり相方に誕生祝いで買って貰ったものだ。多分、6~7年は使っていただろう。これだけ使用していると、全体の革の損傷も激しいし、そろそろ限界だ。それに財布は長く使い過ぎると金運が下がると言う。
財布は毎年新年に買い替えるのが金運アップには良いらしい。そうは言っても、プレゼントに貰った財布を一年で買い替えるのはなかなかに難しい。
俺の場合は明確に「このブランドの財布が欲しい」というのは無い。というか、俺にとっては、楽器以外で「このブランドが欲しい」というものは存在しない。自慢ではないが、俺のクローゼットに収まっている上着とパンツ(ズボンのこと)は、ほぼ全てがユニクロとファッションセンター島村で購入したものだ。
ファッションセンター島村で購入した3,000円くらいの長袖シャツ4着をもう3年~4年は着ている。とっくの昔に減価償却済だ。というか、普通の人間ならワンシーズンで買い替えてもおかしくない。
ユニクロの上着は結構、他の人と被る(同じものを着ている人に遭遇する)ことが多い。だが、島村ならその心配は要らない。ファッションセンター島村は最強である…というか、島村の話がしたいのではない。財布の話だ。
川崎ラゾーナに行き、財布を売っていそうなショップに入る。先ほども書いたが、目当てのブランドがある訳ではないので、行き当たりばったりだ。そこで、とある財布に一目惚れした。「おっ!これいいじゃん」俺は一発で気に入った。
表面の革のデザインが良い。なんでも車のステアリングやシートに使用しているのと同じ革を使っているのだとか。だが、一目見た時に、気に入ったのと同時に懸念が一つあった。
「この財布、日本のお札入るのか?」
なんだか、札入れ部分が小さいような気がしたのだ。相方が「そんな訳ないじゃん」と笑う。俺はその時、使っていた財布から一万円札を抜き出して、お店のサンプルの財布に入れた。うむ。ちゃんと入る。
そのショップには他にも別ブランドの財布を多数取り揃えていた。だが、俺の中では先ほどの財布でほぼ決まりだ。念のために、店内をぐるりと回り、他に良いものがないか確認した。
一目惚れした財布を上回って、俺を魅了した財布はない。店内に入ってから、ものの10分で欲しい財布が決まった。相方に「これが欲しい」と伝え、値札を見せる。相方は「許容範囲だね」と頷く。財布の値段は一万円後半だった。相方は、私だったら絶対に他の店も行くけどなぁ(他の店の財布もチェックする)と言う。だが、俺はこの財布が気に入ったのだ。他を物色するのは時間の無駄というものである。
そして、今日時点で使い始めて約2ヶ月となる。この財布を気に入っているか否か、そう質問されたら「気に入っている。次の(財布の)購入機会があったら、同じブランドのものが欲しい」そう思うほどにはこの財布がお気に入りだ。
だが、だが、だ。
この財布、とにかく使い辛い。二つ折り財布なのに縦が長いのである。通常、二つ折り財布の場合、カード類は横に入れるものが殆どだ。だが、この財布はカードを縦に入れるのである。滅茶苦茶出しづらいし、入れづらい。
そして札入れ部分も縦が長い。だから、お札を入れる場合も出す場合も苦労する。
ATMに行き、キャッシュカードをまず出すのに苦労する。そして、現金をATMから取り出し、財布に入れる時も苦労する。縦が長すぎるのだ。だから、既に財布に収まっているお札と、今から入れようとするお札の高さがそろわず、ぐちゃぐちゃになる。また、財布に仕舞っているお札を取り出す場合も、取り出すのに手間が掛かる。
小銭入れの部分の使い勝手の悪さは、過去一である(過去一とか言う単語は使いたくないが、仕方ない)。
見事なまでに最悪である。財布というのは、ファッション性も重要だがそれと同時に実用性も高くなくては駄目だ。この財布、見た目は100点、いや200点をあげても良い。だが、使い勝手はマイナス500点である。過去にここまで使い辛い財布を手にしたことはない。
しかし…である。
実は、ショップでこの財布のサンプルを観た時から、俺は気付いていた。「この財布、二つ折りなのに、縦が長いな…」そして、お札が入るか試した時に、感じていたのだ。「この財布、お札がめっちゃ入れ辛い…」
サンプルを確認した時点でそこまで判っていたのに、俺はこの財布を相方に所望した。見た目に惚れたからだ。また財布を持った時の肌触りも最高の感触だった。
俺はデザインと使い勝手を天秤に掛けて、デザインを取った。いや、これは嘘だ。使い勝手の悪さよりも、見た目の格好良さが完全に勝利していた。 比較する以前の問題だった。

貴方もきっと「これ、実用性は最悪なんだけど、ルックスに惚れちゃったんだよねー。使い勝手は良くないんだけど、デザインが好きでさー、手放せないんだよねー」というものがあるだろう、それと同じだ。
誰でもそんな、不器用な愛で方をするものが、一つくらいはあっても良い。