Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

モロッコ旅行9(final) 8日目 カサブランカ モロッコ最終日

送迎ドライバーのピックアップは朝の8時。マラケシュのリヤドの朝食は8時から。ということで残念ながら朝食は喰い損ねた。朝の時間帯はリヤドの出入り口が閉まっているのでスタッフに開けて貰う。「チェックアウト」だと伝えて、送迎車まで。ドライバーはエッサウイラからマラケシュまで俺達を送ってくれた髭の濃いイケメン兄さんだった。と、俺達が乗り込もうとすると、先程リヤドのチェックアウトをしてくれた兄ちゃんが何か言う。アラビア語なのでさっぱり判らない。彼がドライバーに言う。ドライバーが英語で俺達に「スパの利用料金1,000DH払ってくれだって」と。あれ? 相方がスパやって貰ったのって今回だっけ? 前回宿泊時だよな、それに無料って眼鏡姉さん言ってたしな。そこでドライバーに「俺達はやってないぞ」と断固として言う。ドライバーがまたまた逆通訳。リヤドのスタッフがまたリヤドまで駆け足で。ドライバーはイライラしている。そりゃそうだ。こっちは電車の時間があるからな。暫くしてスタッフが戻ってきてドライバーに「OK」らしき事を言ったようで俺達は無事解放。マラケシュの駅へと向かう。この程度のトラブルなんざ海外では当たり前すぎて、あまり驚かなくなっている俺達がいる。
駅でイケメンドライバーとはお別れ。下はマラケシュ駅の写真。立派だなー。

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カサブランカから来たように、またまた「世界の車窓から」の雰囲気を味わう。うーむ。堪らん。

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今回は行きの電車と大きく違う点が一つある。マラケシュは終点だったから、降りる駅に気を配らなくても良かった。電車が完全に停まったら降りれば良いのだから。だが、今度は逆路線であり、カサブランカで降りるべきヴォザジャールは途中駅。降りそこなうと全然知らないところまで連れていかれてしまうのだ。俺と旧友は旅行会社がくれた路線図をチェックしながら停車駅を確認していた。何しろ、車内アナウンスもないし、駅名の表示板も日本の駅みたいにきちんとない。駅名の表示板は駅舎にのみある。俺達が乗車した1等車(指定席)からは駅舎が見えない位置なのだ。
が、旧友と上手くタッグを組んで確認したおかげで無事にカサブランカで下車。良かった、良かった。

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さて、カサブランカに戻ってきた。またまた同じホテルに泊まる。前回の部屋は暗くて雰囲気悪かったからなー。と、今回は全然違う。明るくてもの凄く良い感じ。とても同じホテルの部屋とは思えない。まあ、たったの一泊なんだけどさ、どうせなら暗い汚い部屋よりも明るいほうが良いものね。

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今日は朝食を食べてないので、皆腹が減っている。レストラン探してうろつくよりも近場で済まそうということになり、初日にカサブランカで晩御飯を食べたホテル前のレストランへ行く。
もう観光はほぼ終わりだし、ということで昼からビール。いやあ、ビールは美味いねー。ということで、旧友はしつこくナポリタン。相方はハンバーガー、俺はホース(馬)バーガー。ってゆーか俺と相方が頼んだものって、ハンバーガーなのかなあ? こういうのをモロッコではハンバーガーというのだろうか? まあ、いいけど。普通に美味かったから。

下の写真が相方の注文したチーズバーガー。これ、ハンバーグって言うのでは?

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食事も終えて、俺達の狙いはスーパーに行く事。スーパーに行けばアルコールが手に入るし、あと地元民が買っているよなモロッコ特有のお菓子も買える。それをお土産にするという作戦なのだ。それにその国の地元民御用達のスーパーマーケット行くのって結構楽しいんだよな。俺は個人的にアメリカのスーパーが大好きだ。
相方が外を走っているトラム(路面電車)を見て、「乗りたい、乗りたい」とリクエスト。まあ明日には帰国だし、記念に乗っておくかと。それにトラムの2駅先にちょうどスーパーがあるので更に好都合。
トラムはこんな感じ。

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トラムは料金が7DH(90円)。但し2回目以降は紙チケットにチャージする形になるので6DH(78円)。トラムに乗ってスーパーまで出掛ける。歩いたほうが近かった(笑)

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スーパーで驚いたのが、いわゆるスーパーにある買い物籠。日本だと台車みたいな奴に籠乗せて押して歩く。こちらでは引っ張る取っ手みたいなものを伸ばして、床をずるずる引きずる形なのだ。これ、籠が痛むと思うんだけど。

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スーパーはモロッコと言えども日本のそれとそんなに変わる訳じゃない。ただ、このフランス語とアラビア語の併記が「ああ、モロッコだなー」って感じ。

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何故か、醤油やワサビが売っていた。モロッコ辺りで刺身が喰えるとも思えないし、何に使うのかな? カサブランカ辺りだと日本食レストランとかあるかもしれないなあ。
面白かったのが、リカーコーナーで当然ビールが売っていたのだが、全く同じ種類、全く同じ大きさの缶ビールがそれぞれ右と左の冷蔵庫に入っていたのだが、右手側の冷蔵庫と左手側の冷蔵庫で貼ってある値段が違う。なんでだろう?とそれぞれを手に取って判った。安いほうは冷えていないのだ。スーパーではビールに冷やし代が加味されるのだなあ。
各自、土産物になりそうな物やビールを買い込み、またまたトラムに乗って俺達はホテルに戻った。もうこの後はやる事がないので、晩御飯の待ち合わせ時間を決めて解散となった。
俺と相方はホテルの部屋で過ごしていても仕方ないので「どうする?」と訊くと「せっかくだからトラムに乗って出かけてみたい!」と。だが、ガイドブックにはトラムに関する情報が一切ない。まあ、バスと違って線路がある分、戻ってきやすいだろうということで、トラムに乗ってカサブランカの景色を眺める。場所的な問題なのかもしれないけど、景色はあんまりおもしろくない。
途中、今朝マラケシュからカサブランカまで乗ってきた鉄道のヴォザジャール駅前に着いた。降りる人多数。すると地元民っぽいおじさんが「ヴォザジャール!」と俺達に向かって言う。確かに典型的なアジア人顔の俺達は観光客にしか見えなかっただろうし(事実そうだ)、観光客がトラムに乗って行くとしたら目的地はヴォザジャール駅以外にまずない。おじさんは「こいつら駅が判ってないんじゃ?」と心配になって声掛けてくれたのだと思う。優しい。
そして明確な「ここで降りる!」という駅がある訳でもないので、俺達は「せっかくだから、終点まで行ってみる?」と終点目指す事にした。建物のフランス語がどんどん減って、アラビア文字の割合がどんどん増えていく。
俺達の前に座っていたおばさんが「****だよー」みたいに言ったので、ん?となったが客が全員降りた。終点か。よし、と俺達は降りて辺りを散策。

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屋台で林檎を売っていたり、パンを売っていたり。見事なまでに地元色の濃い風景を見る事が出来る。本当は地元民の姿も撮りたかったんだけど、ちょっと怖くて撮れなかった(笑) 何しろ、俺達以外は全員ジモティ。そもそもここは観光客が来るような場所じゃない。異分子100%だ。アウェイ感が半端ない。看板とかも、もうフランス語の欠片もない。一文字も読めない(笑)

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カフェがあった。滅茶苦茶ローカル色強い。店内の客は男性100%(イスラム圏の女性はカフェでお茶をしたりしない)。煙草を吸ったりコーヒー飲んだり。友人とお喋りする人もいるが、大半は一人客。こんな景色が良い訳でもない街中のカフェで何やってんのだろうか。日本でサラリーマンが仕事帰りに家に帰る前に立ち飲み屋で一杯引っ掛けるのと同じような理屈かなあ?
相方に「せっかくだから、入ってみない?」と誘ってみたが「怖くて入れない」と拒絶された。まあ、そうか。「女性客しかいないデパートの下着売り場に一緒に入って、って言われて入れる?」と喩えを出されて、物凄く納得した。

またまたトラムに乗ってホテルまで戻る。晩御飯の時間になり、ホテルのロビーで旧友と「どこで食べる?」と尋ねると「地球の歩き方に載ってたレストラン行ってみない? シーフードが美味いらしい。ワイン飲んでも2人で600DH(7,800円)くらいらしいよ」との事。じゃあ、そこにしようと。旧友は俺達とスーパー買い物後に別れた後にレストランの下見をしたらしい。さすがだな。
店に着いたのが7時ちょっと前なのだが、なんと厨房が使えるようになるのが8時からだとか。1時間、ワインだけか。まあ、最後だしいいか。ってことで、ワイン飲んでだらだらとお喋り。時間が早すぎたせいか客は俺達しかいない。

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俺は何もツマミがなくても酒が飲める人間なのだが、旧友は「酒飲むときはツマミがないとダメなんだよー」と店に「なんか前菜くらいはないのー」と尋ねる。そしたらオリーブの漬物が来た。モロッコはこればっかりだな(笑)
やっと8時になったので、料理メニューを。まずは前菜の盛り合わせ。これだけで200DH(3,200円)する。この店、結構良い値段なんじゃ?と思ったがまあ、最後の夜だしなと気も大きくなっているので、あまり気にせず注文。

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さすがにもうタジン鍋は飽きたし、ここでは何か変わったものを食べようとメニューを物色。シーフード・ヌードルという単語が目に入ったので俺はそれを注文。見た目はシーフード焼きそばにしか見えない。味も見た目通りだったが、久しぶりの麺類なのでそれはそれで楽しかった。

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相方が注文したのは、なんだったかな? 忘れてしまった。見た目だけだと、シーフードとラム肉のステーキだろうか? よく判らない。

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旧友が頼んだのはウナギだったかアナゴだったか、なんかそんな感じの料理。モロッコでウナギかアナゴが獲れるのかよ? という疑問もあるだろうが、よく覚えてないので、そこはスルーでお願いします。見た目がイマイチなので旧友のオーダーした料理は写真無しだ。
で、まあ最後だしということで、ワインもお代わりする。調子に乗ってよく飲んで、よく食べた。この後、旧友と相方はそれぞれデザートまで注文した。俺は甘いものが好きじゃないし、お腹も満ちてたのでデザート無しだ。

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デザートを食べ終わった頃は俺は結構酔っていたのだが、会計の勘定書を見て一瞬びっくりした。1,800DHと書かれていた。モロッコで3人で食事して、代金が1,000DH超えた事などない。1,800DH=23,000円だ。一人頭8,000円。日本で考えたって充分お高い店だ(モロッコの食事料金は日本と比べてもそれほど安くはない、そもそも)。慌てて、俺は二人分にあたる1,200DHを財布から出そうとするが、もはや残金がなかった(笑) 俺が足りないぞと言っていると相方が自分の残金を足してくれてなんとか2人分捻出し、旧友に渡した。今までは2人分料金+チップ分まで払っていたが今日はギリギリしかないので、チップ分は無視(ひでーなー(笑))。旧友も最後に払う時、チップ分は払っていなかったような…(支払は旧友に任せたので)。
本当はホテルに戻ったら、さっき買ったビールを飲もうと思っていたのだが、結構酔っていたので、そのまま寝てしまった。モロッコではワインと炭酸水ばかり飲んでいた気がする。

ということで、翌日はピックアップのドライバーが10時に来てそのまま空港まで送られる。ホテルの部屋の電話が鳴り「迎えに着たよー」と言われたのでロビーに降りようとエレベーターに乗ったら、スーツをびしっと着たヨーロッパ系のビジネスマンと乗り合わせた。彼がこちらに向かって「ボンジュール」ときたのでこちらも「ボンジュール」と。いやー、ボンジュールって人生で初めて言った。
あとは退屈な20時間前後のフライト時間を経て帰国した。当然空港内や飛行機の中で特筆すべき事は特になし。後で調べたら、財布の中に65DH残金があった。900円弱だ。日本ではモロッコDHは両替出来ないので、これはもうこのまま旅行記念の紙幣として残るのみだ。空港の寄付用のボックスに入れてくれば良かったな。
途中ドバイ空港でトランジットした。行きと違って帰りはもう乗換時間がギリギリでビールを飲むような時間的余裕がなかった(ビールを飲む金もなかったけどな)。
下は飛行機の中から撮ったドバイの夜景。いやー、金持ち国家は夜景も綺麗ですな。

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そして、日本帰国直前で見た富士山の景色が下。雲の上の富士山もなかなかだな。

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成田空港に到着し、俺達の旅行は無事に終了した。本当は時間に余裕があれば、旧友とビールの一杯でも飲むところだったのだが、高速バスの時間が5分しかなかった。
マンションに着いてから、相方と部屋で食べた「ラ王」の美味かったこと(笑)

ということで、俺のモロッコ旅行記はこれにてお終い。長い間お付き合い頂き、ありがとうございました
m(__)m