Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

シンガポール旅行(6) 3日目 シンガポール・スリング@ラッフルズホテル 2010/10/17(日)

今、コロナで気分がアップする要素が何もない。なので昔に行ったシンガポール旅行の記録をここにアップする。今回でシンガポール旅行記は終了となる。
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マーライオンを見た後は、シンガポール周遊バスを使ってコンコルドホテル(俺達の滞在しているホテル)に戻る。夜はラッフルズホテルに行って、バーでシンガポール・スリングを飲む予定。ラッフルズホテルの中にあるバーが「シンガポール・スリング」発祥なのだとか。ラッフルズホテルはシンガポールでも有名な最高級のホテル。うちらがシンガポールのホテルをネットで探した時は、サマーセット駅近辺で安いホテルから順番に選んでいたので、当然ラッフルズホテルは候補に入っていなかった。

コンコルドホテルから歩いて5分程のところにショッピングモールっぽい建物があったので、そこでとりあえず夕食を摂る事にした。いつもの如く麺を選んだ。ここがシンガポールを象徴するような汚いフードコートで、スタッフがいつまで経っても前の客が残した皿を片付けずに閉口した。
そうそう、シンガポールのフードコートは片付けをお年寄りが担当していた。これも老人雇用を促す一環なのかもしれない。ただ、残念な事に動きがスローなのが欠点だ。
食い物も美味くないし、フードコートは汚いしで、もう写真を撮る気分にならなかったので、この晩御飯の写真はない。あっても大して面白みのあるものじゃないので。

ラッフルズホテルのバーに行く訳だから、あまり早く行っても仕方がない。またタクシーで行くのは勿体ない。せっかく買った周遊バスのチケットがある。バスの運行ガイド(予め貰っておいた)を見ると、最終バスがホテル最寄りの停留所に停まるのは20時半とある。なので、ホテルで休憩し、20時半近くにバス停に向かう。お目当ての周遊バスが来たので手を上げて止めようとすると、運転手が何か叫ぶ。
「もう、終わりだよ!」
どういうことだ? これが最終バスじゃないのか。日本だったら、ありえない事だが、シンガポールだったら、こういう事は全然珍しくない(と思う)。きっとドライバーが「今日は客も少ないから、もうやめーた」となったのだと思う。もしかすると、我々がバスの運行時間を勘違いしている可能性もあるかもしれない。だが、ドライバーがさぼった可能性も捨てきれない。真実は闇の中。
このバス停には周遊バス以外にも路線バスも沢山走っている。そこで、運行ガイドを見ながら他の市バスの路線図をチェックする。
「なあ、多分、XX(バスNo.)のバスなら、ラッフルズホテルに行くと思うぜ」
「それ、どのくらいで来るの?」
「あと、10分くらいだから待ってみるか…」
と相方と相談。実は昼間乗った周遊バスで、ラッフルズホテルの前は一度通り過ぎていたので、多分なんとかなる(何がなんとかなるのか、よく判らないが)という勝算があった。
そのお目当てのバスが来たので乗り込む。もっとも、我々が持っているのは周遊バスの1日券、この市バスのチケットは持っていない。多分、どこまで乗っても料金は均一だろうと思い、乗り込んだ時に「HOW MUCH?」と訊いたのだが、ドライバーが不明瞭な事しか言わなかったので(単に英語が聞き取れなかったとも言う)、取り敢えず乗車チケット(何処から乗ったのかを示すもの。田舎の市バスとかだと日本でもそういうのがあるよね。料金均一じゃなくて、乗ったところで料金が変るスタイル)を取る。が、降りる時はバスの中央辺りの出口から降りるので、運転手に料金を払わずに済む。ってゆーか、どうやって払うのかな?
結局、見事に無賃乗車して、ラッフルズホテルの前で降りました(笑)
せっかくなので、ラッフルズホテルの正面からの写真を撮る。いやあ、やっぱり歴史ある高級ホテルだけあって、佇まいが全然違う。我々が滞在したコンコルドホテルだって、悪いホテルじゃないと思うけど、なんだろう、持っているモノが違うという感じだろうか。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619022859j:plain

相方と二人で白ばっくれて、ホテルの入り口辺りまで行く。するとホテルスタッフが入り口に常駐している。うーむ、なんとなく雰囲気に飲まれる感じ。相方は「あー、ここに泊まりたかった」などと贅沢を言う。今ネットで調べてみたが、宿泊料金が、ラッフルズは、コンコルドの2.5倍〜3倍くらいする。そりゃ無理だ(笑)f:id:somewereborntosingtheblues:20210619022923j:plain

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次にホテル正面からサイドに回る。中庭のレストランに出くわす。ガイドブックに書いてあったが、ここはジーンズやビーチサンダル等のラフな格好はNGらしい。こちらはジーンズにTシャツにビーチサンダル。当然、座った瞬間に断られるだろう。ということで、記念に写真だけ撮って退散する。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023001j:plain

バーの案内図が見えたので、そちらに回る。そもそも今夜の目的はそのバーにある。このバーこそが、あのシンガポール・スリング発祥のバーなのである。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023018j:plain

バーの名前が【LONG BAR】とあるが、一体全体、何がロングなのかは判らない。階段を上がると上から、50代の夫婦に10代の金髪の女の子が降りてきた。あ? 家族でバーに来たのか。うーむ、そうかここは観光バーになってるから、未成年でも平気で出入り出来るのであろうか…f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023042j:plain

店の入り口には、昔使っていたであろう、シェーカー等が展示してある。こういったものがあると歴史を感じる。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023104j:plain

そして、早速店に入る。当然バーならば、カウンターに座るのが基本ということでカウンターに座る。テーブル席も多数あり、白人観光客が多い。カウンターの中のバーテンダーは3人程いたが、皆褐色の肌。何人なのだろう?
座った瞬間に「シンガポール・スリング?」と訊かれる。なんだよ、日本人だから、観光モード丸出しに見えたのか? と馬鹿にされた気分になる。相方は当然それを飲みに来たので「ワン シンガポール・スリング アーンド…」とビールにするかバーボンにするか考える。すると、褐色のバーテンダーが「ビヤ?」と訊くので面倒臭くなって、「オーイエ、ビヤ、プリーズ」とビールにする。
まったくせかしやがるなあ、ムードも風情もねえじゃねーかと多少俺は怒りモード。そしてお目当てのシンガポール・スリングがやってくる。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023141j:plain

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相方が一口飲んで「滅茶苦茶甘い。日本のと味が違う」と言い出す。一口飲ませて貰ったが、そもそも俺は過去にシンガポール・スリングを飲んだ事がないので、どう違うのか判らない。それにこのバーがオリジナルなのだから、これが本物なのでは?

カウンターに座ったのだから、当然バーテンダーの仕事振りを見るのも楽しみの一つだ。すると連中はグラスを5、6個並べて、大量にシンガポール・スリングを作っている。それもピッチャーみたいな入れ物に大量にレシピをぶち込んで、グラスに次から次へと注ぐ。均等に注がれていないし、レシピも目分量で適当に入れているだけ。日本のきちんとしたバーテンダーがこの風景を見たら、頭を抱えると思う。
こんなに大量に作ってどうすんのかなと思っていると、ホール係の女性が「シンガポール・スリング!」とバーテンに言う。バーテン、手前の先程作ったグラスを指差す。するとホール係はそれを運ぶ。
ひでーな、作り置きかよ…そう思ったが、実際にこの店の客の9割はシンガポール・スリングを頼むようだった。だから、次から次へと作っておくのが都合が良いのだろう。もっとも、カクテルを作り置きなんかしたら、碌でも無い味のものしか出来ないのは自明の理。
我々が不味いシンガポール・スリングとビールを飲んでいると、後からやってきた白人客が「シンガポール・スリング ファイヴ!」などと、カウンター内のバーテンダーに叫んでいる。そりゃあ作り置きもしたくなるわな、これじゃあ。

日本だろうとシンガポールだろうと、こうやって××元祖の店と喧伝されると大量に客を捌く事にのみ目が行って味が落ちるのは必然なんだな。
ビールが15S$(900円)、シンガポール・スリングは、25S$(1,500円)。この不味いシンガポール・スリングに1,500円払うのは納得がいかないが、観光地料金だ。仕方あるまい。とても、お代わりを頼みたくなる味ではないので、1杯だけ飲んで退散した。

カウンターでは一番奥に相方が座り、その右横に俺が座った。で俺の右横にはマシュー・マコノヒーに良く似たイケメン金髪白人が座っていた。それは別に珍しくもなんともないのだが、彼はずっと半身を俺達に向けてビールを飲んでいた。形としては、俺と相方を観察しながらビールを飲んでいる感じ。なんだろう、アジア人が珍しかった? シンガポールではアジア人が珍しいということはないとは思うのだけれども。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023354j:plain

後でホテルに戻ってから「俺の隣にイケメン白人がいたんだけどさ、ずっと俺達のほうに体向けて、俺達を見てたんだよなあ。あれ、何だったんだろう?」と相方に言うと、相方が笑いながら返してきた。
「夫のこと、見てたんじゃない。貴方、男にモテるから」
いや、俺はストレート(異性愛者)だから、男にモテても仕方ない。どうせなら、女性にモテたい。

時間がまだ早いので(22時くらい)、カジノに行く事にした。シンガポールのとあるホテルにはカジノがあるのだ。現地のシンガポール人だと入場に100S$(6,000円)掛かるらしいのだが、外国人だと入場料は無料なんだとか。外国人に金を落とさせる為の作戦だな。Mさん(相方の友人)から「ラッフルズから5$くらいで行けるよ」とホテルの名前を教えて貰っていたのだ。あとで気づいたのだが、このカジノのあるホテルは、マリーナベイサンズだった。マリーナベイサンズは以下の写真を見て貰えば、判るかと思う。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023445j:plain

タクシーに乗ってマリーナベイサンズに到着。ここからは写真が撮れないので(カジノは撮影厳禁)、カジノの写真が一枚もないのが残念。そして、そもそもの目的として、ギャンブルをやりに来た訳ではないので持金があまりない。
仕方ないので、1ゲーム5¢(30円)のスロットマシンで遊ぶ。持金が増えたり減ったりして適当に遊ぶ。本当は俺はルーレットをやりたかったのだが、ちょっとミニマムベットが高かった。今回の旅行はあまりお小遣いを持ってきていないので、こういったカジノのような湯水の如く金を使うイベントは適していない。
相方とそれぞれスロットで夜中の1時くらいまで遊ぶ。使った金は50S$(3,000円)とか、そんな程度。子供の遊びレベルだね。どうも俺は貧乏人なんで、ギャンブルに大金を注ぎ込めないんだよな。朝の4時半にホテルをチェックアウトして、7時のフライトで日本に帰国なのだ。時間も丁度良いということで、またまたタクシーでコンコルドホテルに戻る。
シンガポールも最後の夜なので、ホテルの近場をちょっとだけ散歩する。怪しげなシャッターがあったので、写真を撮る。アダルトショップの前で写真を撮られる日本人女性。相方も良い迷惑である。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023517j:plain

相方はシャワーを浴びて、ベッドに潜り込む。こちらはあと3時間程でチェックアウトだから、徹夜を決め込む。
さすがに免税店で買ったワイルドターキーがまだ残っている。それにコンビニで買ったビールもある。テレビを点けて、これらの酒を一人で飲み始める。真夜中の乞食の宴会ですな。で、ガンガン飲んでいたら、ビールもワイルドターキーも空になった。さすがに飲み過ぎか?f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023608j:plain

仕方ないので、夜中だがホテルを抜けだして街のコンビニでギネスビールを買って来てそれを飲む。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023627j:plain

そして、チェックアウトの時間。ホテルのフロントに行って、500S$(3万円)払おうとすると、勘定書には600$以上の値段が書かれている。おい、ちょっと待て。俺らは楽天トラベルから申し込んだが、それにはホテル代金は500S$と書かれていたぞ。
俺は予約表みたいなものを出しながら、フロントの女性に「聞いていた話と違うぞ。こっちは500S$って聞いたぞ」とクレーム。すると彼女はペンで料金の明細に丸をつけながら「TAX(税金)です」とあっさり、いなす。さすがに天下のコンコルドホテルのフロント係が詐欺行為を働くとも思えないので、楽天トラベルのある意味詐欺に近い行為なんだと思う。我々が楽天から申し込んだのは、そこが一番安かったからだ(同じコンコルドホテル、同じ日程でも申込む旅行会社によって料金が違った)。つまり楽天はTAXが掛かるということをサイトに明記していなかったのだ。それにTAXは料金から必然的に導き出されるだろうから、最初からそれはサイトで示すべきだったと思う。ホテル料金は500S$だと思って、その分はプールしておいた。また、カジノに行くので多少のシンガポール$の余裕があったので運良く払えたが、一歩間違えば支払い不能状態に陥るところだった(その場合はカードで払う事になっただろうけど)。
今後、楽天トラベルを使う事はないと思う。皆様もネットから海外のホテルを予約する際は、TAX等も込みの値段かどうか、きちんと確認されたほうが良い。ささやかなアドバイスである。

そしてタクシーに乗り込み、朝の空港に向かう。まだ朝の5時なのだが、結構車が走っている。15分程走って、空港に到着。まだ、周りは暗い。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023726j:plain

出発ゲートも薄暗い感じだ。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023744j:plain


朝から免税店は開いているが、先ほどホテルのフロントで予想外の出費があったので、土産を買う余裕がなくなった。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023803j:plain

仕方ないので、朝からやっているバーガーキングでハンバーガーを食べた。俺がシンガポールで最後に食べたのが、ハンバーガーだ。なんとも締まらない話ではある。f:id:somewereborntosingtheblues:20210619023825j:plain

金曜の夜19時に日本を出発、土日観光、月曜の朝7時にシンガポールを立つという突貫旅行は無事に終了した。
やっぱり海外旅行は面白いね。日本じゃ味わえない料理や風景や空気、それが海外旅行の醍醐味なんだろうと思う。
ということで、このシンガポール旅行記もこれにて終了。お付き合い頂き感謝します。