Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

トルコ旅行(16) 最終日 トルコ風呂、そして帰国 2010/09/23(木)

2010年9月に行ったトルコ旅行の記録をリライトした。レート、年齢等は2010年9月時点のものである。
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ついにトルコ旅行の最終日が来てしまった。もう今日の15:00には旅行会社のスタッフがホテルのロビーにピックアップに来てしまうのだ。いつも海外旅行に来る度に思うけれども、楽しい時間が過ぎるのは、とてつもなく早い。
相方と最後の朝食にケバブサンドを食いたいねという話になり、街に出掛ける。ホテルには朝食がついているが、それはせいぜいコーヒーとパンとフルーツくらいだ。最後は贅沢な食事をしようという狙いだ。まあ、ケバブサンドが贅沢かどうかは不明だが。

ホテルを出て、スルタンアフメットのメインストリートに向かう事にする。あの辺りにはケバブを売っている店が沢山あったのだ。
ホテルを出て道を歩いていると、小柄な顔の濃い(いかにもトルコ男性ルックな)若者が我々の横を並んで歩いて来る。歩調を無理矢理、我々に合わせている感じ。
「日本人?」
またもや流暢な日本語で話しかけて来た。まただよ。これで、通りで日本語で話し掛けてきたトルコ人は3人目だ。
「ボク、日本でTVの仕事してました。ボクのお兄さんのお嫁さん、日本人です」
またまた本当だか嘘だか判らない話を始めた。ただ、日本語の旨さは変わらずだ。確かにこれだけ日本語がペラペラなら日本で、TVの仕事も出来るだろう。
「どこに行きますか?」
「朝食を食べに行くんだよ」
「じゃあ、良い店を知ってるから連れていってあげるよ」
青年が言う。うーむ、怪しい。こういう親切に素直に付いていったら、金を請求されたっていう話をBlogで読んだばかりだしなー。
彼が連れていってくれた店は、ただのコーヒーにしょぼいパン程度を売る店。これだったら、わざわざ金払って外で食べないよ。ホテルで食べられるんだから。
「いや、ケバブサンドが食べたいんだ」
ケバブサンドは朝からはやってないよ。お昼からだよ」
「だったら、いいよ。とりあえず、ありがとう」
「どうするの?」
「この食事だったら、要らないから、ブルーモスクでも見に行くよ」
「そうか。じゃあボクは仕事に行くよ。さよーならー」
TVスタッフ(自称)の彼は去って行った。

とりあえず、どうしようかと相方と相談する。昨日見たケバブサンドを売っている店が本当にまだやっていないのか、確認しようとなった。実際に行ってみると、確かにまだ開店前。彼の言う事は正しかった。まあ、仕方ない。今日は11時から、ホテルのハマム(トルコ風呂+マッサージ)をやるのだ。それまで時間がある。せっかくだから、最後にブルーモスクを見ておこうと、再びブルーモスクを目指す。

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ブルーモスクに行く途中に噴水やらが見えたので、せっかくなので写真を撮っておく。

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時間はまだ朝の10時くらいなのだが、既に観光客が多数。とりあえず、まあ、最後に観たブルーモスクの写真を何枚か載せておく。

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そして、ブルーモスクから観たアヤソフィアの景色。これも又、素晴らしい。

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ブルーモスクの中庭に入ると観光客がひしめいている。

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ということで、最後のブルーモスクを堪能して、ハマムの時間が近づいて来たので、ホテルに戻る事にする。ちなみに下の写真は、トルコのごくごく一般的なストリートによく置かれているテーブル。ここでスーツ姿のサラリーマンとかがチャイ(紅茶)を飲んでいる姿を普通に見る事が出来る。こんな粗末なテーブルと椅子で平気でお茶を気楽に飲むのがトルコスタイルらしい。

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ホテルに戻り、ハマムだ。なんといっても風呂なので、喉が渇く事を考えて、ペットボトルを1本持っていった。これが後に俺の命を救う事になる(大げさ過ぎ)。
地下2階のハマムの入り口に行くと、トム・ハンクスそっくりの兄ちゃんが迎えてくれる。柄模様の大きめのコットン製っぽいバスタオルを寄越し、これに着替えろと言う。相方とそれぞれ更衣室に入り、そのバスタオルを腰から巻く。相方はバスタオルの下に水着を身に着ける。俺は、タオルの下は何もつけず、だ。ちなみにさすがに更衣室は男女別である。

トムに案内されて、ハマムに入る。ハマムは大きなサウナ室みたいなものだ。ただ、床が大理石で出来ていて、部屋中央に大きな大理石の六角形のテーブルがある。その上に腹這いになれと言われる。ここで、暫く汗をかいて、皮膚を柔らかくしてから、垢すりをやるらしい。
ここは、ホテルのハマムなので、相方と一緒にハマムに入り、2人して腹這いになる(そもそも、予約した時に2人一緒にしたいと申し出ていたのではあるが)。街のハマムだとさすがに男女別々に入るだろう(街のは経験していないので、何とも言えないが)。
だから、カップルや夫婦で2人一緒にハマムをしたいという場合など、このようなホテルの小さなハマムは良いかもしれない。ただし、街よりもかなり割高になると思うけど。
10分程、放置される。ただ、大理石に腹這いなので腰の辺りの骨が当たって体が痛くなってくる。では、と仰向けになると、暫くすると今度は尻が痛くなってくる。なんといっても、大理石だからね。日本人の中肉中背な人だと、大理石が身体に当たって痛くなってくると思う。

垢すり担当のおばさんが入ってくる。最初に相方に垢すりを始める。韓国垢すりとかを経験した事のある方なら、それをイメージして頂きたい。
身体全体を垢すりでゴシゴシと擦られる。適当に垢が取れる。よくガイドブックなんかに「吃驚するくらい垢が取れる」なんて書いてあるけど、実際体験してみると、それ程でもないような気がするのは気のせいだろうか。それともこちらが期待し過ぎなのか。
そして垢すりが終わると、今度はシャボンを大量に作って相方の身体を洗い出す。この間、こちらはずっと大理石で腹這いになったり仰向けになったり。さすがに20分以上もずっとサウナに入りっぱなし状態なので、だいぶにのぼせて来た。フラフラしてくる。

相方の身体を洗い終わると、今度はシャンプーだ。これもガイドブックに書いてあったのだが、店にあるシャンプーで頭を洗われると、髪がガサガサになるらしい。粗悪品なんだろう、きっと。相方は日本から持って来たシャンプーをこのハマムにも持ち込んでいた。これで洗ってくれ、ということだ。そして、シャンプーを終え、洗顔もして貰って相方の施術は終了。

次はやっと自分の番だ。もう、この時点で30分近く放置されっぱなしなので、熱でフラフラである。相方が持参したペットボトルの水があったので(ハマム内に持ち込んでいたから、完全に温くなっていた)、それを一気飲み。いやあ、まじで死ぬかと思った。
そして俺も垢すり、シャボンで身体を洗って貰い、シャンプーと洗顔。垢すりは普通に気持ちよく、垢が取れる。ただ、それほど凄いものかと問われると、ちょっと疑問。
大昔に社員旅行で韓国に行って、やっぱり韓国垢すりをやって貰った事があったが、その時もちょっと期待はずれだった。それに近い。実際に良いか悪いかというよりも『旅の記念にせっかくだから』程度の気持ちでやるのが良いと思う。

ハマムを出ると、ジャグジーに入れといわれる。熱さで相当まいっていたので、これは有難かった。ここのジャグジーは水風呂よりはちょっと温かい程度。日本のサウナで限界まで耐えて、その後に入る水風呂の気持ち良さを想像して貰えれば、イメージが判るかと思う。
ジャグジーに10分程入り、クールダウンしたところで、シャワーを浴びる。ここは、きちんとシャワー室があったので、そこでしっかりとシャンプーと洗顔をやり直す。やっぱりおばちゃんのシャンプーと洗顔だと、ちょっとね…(笑)

次にマッサージ室に連れて行かれる。相方は、トムにマッサージを受けていた。今回の我々は垢すり+ボディのシャボン洗い+マッサージ30分の基本コースにオプションでスポーツマッサージ60分をつけていたのだ。随分贅沢だな。スポーツマッサージが何か、一切判っていなかったのだけれども。
相方はトムのマッサージのお陰で肩こりが随分楽になったと感激していた。俺も先ほどのおばちゃんにマッサージを受ける。ああ、こりゃ天国である。
そして俺のマッサージも終了し、2人で休憩所で休む。トムがグラスに入った水と葡萄を持ってきてくれた。せっかくなので、有難く頂く。

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客が俺と相方しかいなかった(予約して貸切スタイルになっている)から、内部の写真撮っても良かったかもしれないな。

予約した時に「どれくらい掛かる(時間)?」と訊いたら「最大で2時間だよ」とトムは言っていたのに、この休憩所の椅子に座った時は2時半だった。11時に予約していたのだから、トータルで3時間半掛かった計算になる。11時に予約をしておいて正解だった。予約を1時間ずらしていたら、空港へのピックアップに間に合わない。
2時間というのは、トータルで2時間じゃなくて、一人2時間という意味だったのかもしれない。
15分程そこでマッサージの疲れを取り、トムとおばちゃんにチップを上げて、店を出る。また大盤振る舞いで10$ずつあげてしまった。やりすぎである。でも、良いサービスだったからね。良いサービスには、それに見合った対価を払わねばならない。

トルコリラで料金を払ったが、1人辺り170TL(約9,300円)である。相当高い。が、これはオプションで60分のマッサージを追加したからだ(こっちのオプションのほうが基本のコースよりも高かったと記憶している)。基本コースだけなら、この半額以下で出来る。ただ、基本コースだけの料金でも、街のハマムよりも断然割高だ。
割高なのにも当然理由があって、何度も書いているけれども、ここのハマムだと他の客とバッティングしない、恋人や友人や夫婦だと一緒に入れる、女性客の場合、男性スタッフに施術される心配がない、等のメリットがある。金額とそれらを天秤に掛けて、どちらを選ぶかは自由だ。

そして、旅行会社のスタッフにピックアップされてアタテュルク国際空港まで。

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本当は、ハマムが終わってから時間が余るだろうから、そうしたら街でケバブサンドを食べようかと思っていたのだ。ハマムの時間が予想以上に掛かったので、昼食を摂っていなかった。そこで、空港で最後のトルコ料理を食す。念願のケバブサンドである。

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トルコリラは日本では両替出来ないので、持ち帰っても意味がない、ということで最後に100TL(約5,500円)ほど残っていたが、免税店で無理矢理使う。免税店は料金表示が全てユーロだったので、レジの人に「トルコリラで払える?」と訊くと、OKとの返事。なので無理矢理酒などを買い込んでトルコリラを消費する。
最後に残ったのは5TLくらい(300円弱)。いやあ、よく使った。
EVERYBODY LOVES DUTY FREEと書かれている(下の写真)。いやあ、それはどうかな?(笑) 

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ま、女性は安く化粧品が買えるから好きかもしれないね。

搭乗の時間となる。成田空港のように、直接飛行機に乗り込めない辺りが笑ってしまう。バスで飛行機近くまで運ばれ、そこから降りて、直接飛行機の階段を昇る。なので、下のような写真が撮れてしまう。

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帰りもやはり、免税店で買ったウィスキーを飲んで帰国の途についたのであった。
下はお約束の機内食

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途中、食あたりになったりして、大変な思いもしたが、総じて非常に楽しい旅行だった。今回はエーゲ海側に全く行っていないので、もし次回もトルコ旅行に行く機会があれば、是非とも行ってみたい。トルコに1度行った人がまた何度も行きたくなる、実際に何度も行く、という話をBlogなどで読んで実に共感出来た。
下の写真は旅のお供、クマジロー君だ。

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トルコ旅行記は今回でお終い。本当に楽しかったよ。今年(2010年)、トルコに行っておいて良かった。
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なんとか、2010年のトルコの旅行記のリライトを全て完了する事が出来た。リライトと言っても、読み返して気になった日本語を直したり、2020年の目線で言葉を追加したりとか、その程度。

なんで、10年も前の旅行の記録を載せたかと言うと、それはやはりコロナのせいだろう。
旅行はおろか、出掛けることや会食もままならない日々が何か月も続いた。そしてそれは来年になっても続くだろう。こんな生活を続けていたら、鬱積するばかりだ。
だからせめてblogの中だけでは、自分の好きな海外旅行の空気に浸ろう、そう思って書いた。

読んで下さった皆さんの多少の慰みになったのなら、望外の喜びである。