Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

トルコ旅行(7) 2日目 カッパドキア最後の夜 地獄の悶絶 2010/09/18(土)

2010年9月に行ったトルコ旅行の記録をリライトした。レート等は2010年9月時点のものである。人に自慢出来る程、多く海外旅行を経験していない。
唯一自慢出来るとしたら、かなりの率で海外にいくとお腹を壊している事かもしれない。
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カッパドキア最後の夜ということで、ガイドブックに載っていたちょっとお高めの店に行く。店の名前は「アラトゥルカ」。2階のテラス席が人気らしい。

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店の入り口に案内係がいる。やはり流暢な英語を話す。ということで、テラス席に案内される。ここから見るギョレメの街の景色はとても綺麗だ。ここで夜を過ごしていると、非常に楽しい。

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まずは、ビールを注文。昨日の店に比べると、若干お高めだった記憶がある。具体的な値段は忘れた。確かに料理全体が昨日の店より高かったが、それでもラスヴェガスやサンフランシスコに比べれば断然安い。
それと他の店は、ビールを運んで来る時に空のグラスとビール瓶を持ってくるのだが、この店はグラスに注いだビールを持ってきた。その辺りもちょっと差別化してるのかなといった気もした。

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壺焼きケバブは昨日、今日の昼と食べたので、さすがに今夜は違うものを注文しようということになった。それでも、やはりラム(羊)は美味い、ということで、相方はラムチョップを注文、俺はいわゆるハンバーグを注文。

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食べてみると、やはりラムは美味い。俺と相方の中で「トルコに来たら、ラムを食え!」というのは合言葉になった。いわゆる、目黒のサンマだ。そして本当にラムは美味い。
お約束でつくパン。ライスがついてるのに、パンがつくというのがよく判んないんだよなあ。お好み焼きにご飯がつくような感じとでも言ったらよいのか?…

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料理は、文句無しに美味かった。実際は店のメニューは「前菜、スープ、サラダ、メイン、デザート」とちゃんと分かれていたのだが、日本人がフルコースなんか頼むと、メインに行き着く前に討死になるので、メインを2種類頼んでシェアするのが妥当。何かつけるにしても、せいぜいスープかサラダを1品追加が妥当だと思う。貴女がギャル曽根だったら、この限りではない。
ここでは、全部合わせても60TL(トルコリラ:3,500円くらいかな?)だった、多分。安いね。
下は珍しく相方が俺を撮ってくれたものだが、生憎ピンボケだ。夜景は撮影が難しいってのもあるが、相方が俺を撮ると、半分以上の確率でピンボケしている。ある種の才能だな、やれやれ。

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まだ時間も早いので、バーに行こうという話になった。実は昨日の夜歩きまわった時、そして今日のオプションツアーの時、ギョレメ野外博物館に向かう途中に「洞窟バー(CAVE BAR)」なるものがあるのを発見していたのであった。せっかくカッパドキアに来て、バーがあるのだから、何か飲もうという狙いだ。
ただ空港で換金して以来、一切換金していなかった。レストランでトルコリラを払ってしまったので、ちょっとキャッシュの残高が怪しい。残キャッシュが60TL(約3,300円)くらいだったか? 明日はイスタンブールに移動だから、イスタンブール移動後に換金しようという考えだった。
「いくらなんでも、1杯25TL(1,400円弱)もあれば飲めるだろう。1杯だけ飲もうよ」
ということで、洞窟バーに行く。洞窟バーに行く途中でギョレメの中心街の入り口である噴水の横を通る。ライトアップされていて、なかなか綺麗だ。

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店に辿り着く。入り口にソファが置いてあって、そこでケビン・スペイシーそっくりなオヤジが本を読んでいた。店の中は異常に暗い。まあ、バーだしな。店の中央に暖炉みたいな代物がある。そこで、煌々と火が燃えている。

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店に入ると、先程のケビン・スペイシーが「何にする?」と英語で訊いてくる。この人、店のオーナーなのか? メニューがあったので(英語で書かれていた)相方はジンライム、自分はキューバリブレを注文。すると、ケビンがカウンターの中にいるバーテンダー(というか、店員)に何か話しかけている。ケビンはこちらに向かって言う。
「彼は英語が話せないから、僕が通訳してるんだ」
通訳は別に構わないのだが、その店員は注文を確認した後、レシピ本みたいなもんの頁をめくり始めたぞ。おいおい、こいつちゃんと酒作れるのか?
出来上がったのが、こちら。店内が暗いので、ちゃんと撮れていないが、酒もちゃんと出来ていないので、ダブルで失敗である(笑)

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相方のジンライムは凄まじい代物だった。グラスの底に何かが沈んでいる。ストローで掬い上げると、それは砂糖だった。砂糖入りのジンライムなんて初めて飲んだ。そして自分のキューバリブレは何か説明出来ないが変な味がする。コーラが古いのか、氷のせいか(多分、こいつが元凶)、あるいは両方か。
当然、キャッシュオンデリバリーだと思い、金を払おうとすると、ケビンがメニューを見る。
「いやー、値段いくらか知らないんだよねー」
って、お前は一体この店の何者なんだ? 俺から金を受け取って先程の店員に渡した後、今度はケビンは店の中にあるダーツを始めた。自由過ぎる。

二人して、カクテルを半分程飲んだところでギブアップして店を出る。とても飲み干せる代物ではない。飲み干さなくて正解だったが。というか、半分飲んだ時点で既にアウトだったのだが…
仕方ないので、残った金で瓶ビールを2本買って、部屋で飲む事にする。部屋に戻って、シャワーを浴びた後、相方は疲れと時差ボケのせいか、すぐにベッドに。

こちらはせっかくのビールがあるので、ビールを飲みながら、「浅間山荘事件」を読む。なんでこんなもんをトルコまで持ってきて自分は読んでいるのであろうか?
買った瓶ビールは約500ml。1本飲んだ辺りで、腹の調子がおかしくなってきた。過去に経験した事のない腹痛が発生する。酒のせいか? だが、酒は大して飲んでいない。レストランのビール2杯、キューバリブレ、そして部屋で飲んだ瓶ビール1本。どう考えても調子がおかしくなる量じゃない。
が、腹痛が酷くなってきたので、もう1本のビールは諦めてベッドに潜り込む。

ここからが地獄の始まりだった。腹痛が5分に1回程度起きる。なんというか内蔵をぎゅーっと掴まれるような痛み。大昔、大学生だった頃に酸化した油を使って作ったスパゲティで胃痙攣を起こした時に若干似ている。そして、腹を押さえて腹痛をやり過ごすと、今度は便意に襲われる。
この、腹痛→便意のコンボを3回くらい辛抱すると、さすがに耐えられなくなって、バスルームに直行だ。当然の事ながら、(汚い話ですみません)下痢である。

腹痛が来ると、身体をエビのように折り曲げて、痛みをやり過ごそうとする。「うんうん」唸っているので、隣のベッドで寝ていた相方も「どしたの?食あたり?」と起き出して来た。
実は、成田空港で相方が「いつも各種薬をセットでもって行くけど、今回は下痢止めないんだよね。買っておく?」と俺に確認していたのだ。俺は「いや、過去に海外旅行で下痢になったことねえし。要らねえよ」と馬鹿な事を言ってしまったのであった。
俺は、カッパドキア洞窟ホテルのベッドの上で唸りながら、2日前の自分をぶん殴りたい気持ちでいっぱいだった。下痢止め、ああ、下痢止めが欲しい…この夜の俺は、シャーリーズ・セロンミラ・ジョボビッチがセクシーな下着姿で迫ってきたとしても「いや、いいから服着ろ。それより下痢止め持ってねえか?」と言ったであろう…(アホですか?)

とにかく、腹痛に襲われて身体を丸めながら、時々バスルームへ行ってベッドに戻り…を繰り返しながら、何が原因だったのか考えた。
ホテルの朝食、ツアー中の昼食が原因のはずはない。何故なら時間が経ちすぎているし、まったく同じものを相方も食べている。日中の飲み物はペットボトルの水。生水は摂っていない。夕食のラムチョップは、自分と相方でシェアした。ハンバーグは火が通っている。
やはり、バーで飲んだキューバリブレ以外に考えられない。ジンライムは俺も相方のを少し貰って飲んだが(相方も飲んでいる)、キューバリブレは相方は一切口をつけていない。やはり、これか。

状況証拠的に、腹痛の原因はキューバリブレだ。厳密にはキューバリブレに入っていた氷、だろうか。
原因が判ったところで、実は何の意味もない。原因が判っても腹痛は収まらないからだ。起き出した相方が調整胃薬を出してきてくれたので、それを飲む。ああ、やはりラッパのマークの正露丸が欲しい。

そうやって一晩中、悶絶しながら過ごした。何回トイレに行ったか記憶にない。ちなみにその日、丸々あったトイレットペーパーが明け方頃には、殆どなくなっていた。
トルコのというか、そのホテルのトイレットペーパーの質が最悪で、明け方頃は、黄門(誤字わざと)が痛みで酷い事になっていた。ここだけの話だが、日本に帰ってから、しばらくはボラ×ノールにお世話になった(笑)
 
トルコ旅行3日目をこれ以上ないという最悪の体調で迎えた。この日は、イスタンブールへの移動の日。ホテルを11時にチェックアウトして、14時の飛行機でイスタンブールへ(ホテルから空港までは車で1時間)。本当は8時くらいに朝食を摂って、10時半くらいまでギョレメの街を散歩しようと計画していた。が、腹痛のせいで全てが無しになった。
腹痛+トイレで体力が最低ラインなので、チェックアウトぎりぎりまで寝る事にした(というか、とても動けない)。朝近くになって、だいぶ腹痛も頻度が収まり、痛みも弱くなってきた。

相方がスーツケースの整理をしたり、忘れ物のチェック等をしている間もこちらはひたすら横になっている。多分、俺は今後の人生において、キューバリブレを飲む事は二度とないであろう。