Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

悲しい話は読みたくない

昨日、前の現場で仲の良かったヒカルちゃん(25歳)と久しぶりに酒を飲んだ。前にも書いたが、ヒカルちゃんは男性である。たまに「ヒカルちゃんは女性じゃないの?」と疑う人がいるのだが、女性の筈がない。
若い女性と差しで酒を飲む訳ないだろうが。そんな事をしたら、書く必要もないが、殺される(誰に殺されるかは書けない)。

ってゆーか、お前酒辞めたんじゃねーのかよ!という突っ込みをしている人もいるかもしれない。ええ、辞めた筈なんですがね、なんでかな?

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久しぶりに会ったヒカルちゃんは相変わらずのイケメンで、楽しく二時間程酒食を楽しんだ。いやあ、こういった時間て大事だよな。ヒカルちゃんとは、確か2月くらいに飲もうという話をしていたのだ。
「仕事落ち着いたら、連絡するから」と言っている間にコロナである。そのせいで、約束が随分と伸びていたのであった。半分コロナのせいで、半分は気違いみたいに忙しかった仕事のせいだ。

たまにこういった良い出来事もあるのだが、この半年以上ずっと同じような生活が続いているせいで、あまり楽しい話がない。10月終わりに長かった単身赴任生活が終わって、相方と二人暮らしを再開出来たのが良かったと言えば、良かった点か。
だが、バンド活動は全く再開の目途も立っていないし、Saxも全然吹けていない。
Sax吹く前に老けてしまうぜ、という下らないダジャレを思いついた。あまりの詰まらなさに絶望する。

仕方ないので、ネットで人様のblogを読むのがある種の楽しみとなっている。俺自身が楽器を嗜むからと言って、バンドマンや楽器が趣味の人のblogばかり読んでいるのではない。
その辺りは雑食というか老若男女問わず、「面白いなぁ」と思うものを次から次へと読んでいる。

たまに新しいblogに遭遇する事があって、これが宝探し的な趣があって面白い。「あれ、どうやってここにたどり着いたんだっけ?」となる事も結構多い。
一回読んだだけで、速攻でファンになるblogもあれば、二回、三回と読み直す事によって、好きになる場合もある。
こういった「いわゆる正解がないもの」に関しては音楽や小説に近い。

音楽でも、初めて聴いた瞬間に好きになるミュージシャン/バンドもあれば、何度かアルバムを聴き直して好きになる事もある。だって、俺が多分一番好きなロックバンドである「ローリング・ストーンズ」を初めて聴いた時の感想は「リズムがよれよれの下手くそなバンドだなー」である。それが今や「最高だよなー」になるのだから、よく判らん。
ジャズSaxだと、俺のアイドルはエリック・アレキサンダーなのだが、彼の音は一発で気に入った。音色が最高だったんだよなあ。
東京のコットンクラブ(ジャズバー)で彼の演奏を生で聴いて「Eric,nice play」と声を掛けたら、「Thank you so much」と返事を貰えたのも、良い思い出だ。また生で聴きたいなあ(いつになるのだろう…とほほ)。

話が音楽にだいぶに逸れた。blogの話である。
たまに、blogで「自分の人生は最低最悪だ」みたいな事を書いている人がいる。どこまで本気で書いているのかは不明だけれども、そういったblogを読んでいると、こちらの気分が引きずられてダウンしてしまう。極力読まないようにしている。
コロナの影響で失職した、新しい仕事も決まっていない。ああ、僕の人生はどうなってしまうのか、みたいな事が書いてあって、悲惨な心持が延々と綴られると、読んでいて居たたまれなくなってくる。
そういった人の文章を読んで「ああ、俺には仕事があって良かった、良かった」という気分にはなれない。自分だって、いつ失職するか、リストラの憂き目に遭うか判ったものじゃないのだ。

先日読んだのは、日雇いの仕事で工場に行ったところ、一日でクビを宣告されたという話だった。フィクションかなと思ったが、工場勤務の内容が詳細に語られていたので、ああこれは本当の話だなと察しがついた。
その人は生活保護を受給していて、日々いくらで賄わなくてはいけないみたいな事が書いてあった。
読んでいるこちらの気持ちが、明らかにその人の心情に引きずられて落ちていくのが、明確に判った。ブックマークする事もせずに、俺はそのページを閉じた。文章自体は非常に惹かれたのだが、内容がいかんせん受け入れられなかった。

世の中、辛い事が多い。やる事なす事、裏目ばかりという人もいるだろう。だから、嘆く事によって発散するのも一つの手だ。それを俺は非難するつもりはない。
表現するのは自由だから。ただ、そういった文章ばかりが綴られたblogはさすがに読めない。

悲しい出来事は、リアルな世界だけで充分だ。