Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

スペイン~モロッコ旅行8 バルセロナへ、そしてホテルのスィートルーム

朝の5時に起床。というのも、今日はモロッコからスペインへ移動の日なのだ。フライトは朝の8時。ということは空港には6時についていなくてはいけない、というのが日本人の常識(海外便は出発の2時間前にチェックインを済ませるのがコモンセンスだろう)。だが、ここはモロッコ。そんな常識は通用しないのだ。ここリヤド(民宿)から空港までは30分程度だと言う。ならば、6時にドライバーが迎えにくれば、6時半には空港到着。余裕だろ、というのがお迎えのドライバー、リヤドのマダムの意見だった。

そして、当たり前のようにドライバーは遅刻する。6時になってエントランスホールに降りて行っても、ドライバーはいない。レセプションのおじさんに「ここに電話してくれ」とお願いする(ドライバーが何かあったら、連絡くれと電話番号のメモをくれたのだ。俺のスマホじゃ海外で電話出来ないからね)。すると、レセプションのおじさんが言う。「ピックアップ時間は6時半だろ、だって。6時半に来るってさ」
出たよ、海外における日本人の常識が通用しない瞬間。ドライバーが俺達をこのリヤドに送ってくれた時、「日曜日のピックアップ、何時にしようか」と相談した時、しつこいくらいに俺は「6時ピックアップな」と伝えたのだ。勿論、紙に時間も書いたのだ。それなのに、このありさま。でも海外じゃこんなの当たり前だ。そんなのにいちいち驚いていたら、モロッコへ旅行なんか出来ない。

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6時半にドライバー到着。俺が「遅刻だぞ!」と言うと「そうか? あははは」みたいに誤魔化していた。全く、これだから。でも、こういった「ケセラセラ」な精神のほうが日本人みたいに眉間に皺を寄せて生きているより、よっぽど幸せかもしれない。
ドライバーは最短距離で駐車場まで歩く。やっぱり初日は案内人にチップを渡すために回り道したんだなーと思わせる。ま、いいか、大した話じゃない。

無事に、7時前後に空港に到着。

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チェックインも荷物の預かりも済み、あとは搭乗を待つばかり。と、ちょっと待った。無駄にディルハム(モロッコ通貨)が残ってるんだよな。この時、いくらくらい残っていたのかな、日本円にして500円くらいだろう。

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当然残しても意味がないので、相方と「残ったの、使っちゃおうぜ」と無理矢理コーヒーとサンドイッチを買う。

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そしたら、残金2ディルハム(30円にも満たない)。いやあ、綺麗に使い切った。ここまで上手く使えたのは凄いな。

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と、免税店にラクダのぬいぐるみが売っていた(昨日もラクダは見たしね。さすがに写真は撮れなかったけど)。正直、可愛いとは思えないのだが、相方が異常に興味を示した。
「なんか、モロッコに来たーーーって物、何にも買ってない。だから、あれ欲しいなぁ」
お前、アルガンオイル買ったろ! そう突っ込みたかったが、あれは消耗品だしなあ。相方がそういった形に残る物を欲しくなる気持ちも判らんでもない。また相方はいい歳してぬいぐるみとかが好きなのだ。これは相方が一人っ子だったのが影響していると俺は思っている。映画のトイストーリーを思い出して貰えば、納得して貰える人も多いのではないか。一人っ子は、一緒に遊んでくれる兄姉、弟妹がいないから、必然的に家での遊び相手が人形やぬいぐるみとなるのだ。そして子供の頃に身に付いたその習慣はその後どれだけ友人や恋人が出来たとしても変わらないものだと思う。
微妙に不細工な顔がまた面白い。値段を訊くと44ユーロ(五千円だとよ、この不細工なラクダが!)だとか。値段はまあいいのだが、問題は釣銭だ。せっかく消費したディルハムがまた増えては困る。「ユーロで買った場合、お釣りはユーロ、ディルハム?」と確認するとユーロだと言う。ならば問題無しだ。このラクダは今、相方の暮らす札幌の部屋に飾られていることだろう。

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そして二時間弱のフライトを終え、バルセロナ到着。バルセロナは二年振りだ。懐かしいなぁ。といかにもバルセロナ慣れしている体だが、バルセロナは二回目だ。初心者にも程がある。

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空港から滞在するホテルのすぐ近くまで行くシャトルバスがある。ストライキとかやってなくて助かったよ、本当に(カタルーニャ独立デモの影響でストとかやっていたから)。
懐かしき、カタルーニャ広場(シャトルバスの終点)。

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前回来た時は、テレビクルーとかが沢山いたんだよなあ。しかし、前回来た時に比べて、なんだか歩いている人が少ない気がした。俺達はバルセロナを勝手に「スペインの銀座」と呼んでいたのだ。それだけ人通りが多かった。だが今回は少ない。やはり独立デモやストの影響かもしれない。

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そして閉まっている店とかも多い。デモの影響を恐れての事だろう。前回泊まったホテルが見える。バス停留所からホテルまでは徒歩5分程度。この利便性があったから、今回もこのホテルに滞在する(と言っても一泊だけなんだけど)事にしたのだ。左手に見える白い背の高い建物が俺達の泊まるホテル。

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相方が言う。「ねえねえ、あのドアマン、私達のこと覚えてるかなー」「覚えてると思うぜ」と俺は返した。前回泊まった時、俺達はホテルのドアマンと仲良くなって色々喋ったのだ。俺はドアマンからカタルーニャ独立の話を聴かせてもらい(二年前も、カタルーニャ独立運動を起こしていた)、相方は相方でドアマンとスペイン語で会話を楽しんでいたのだ。相方が「ドアマンに、もっとスペイン語頑張れーって言われたよ(笑) あと、お前の亭主はよく煙草吸うなあって言われたー」と俺に何度も言っていた。亭主が英語しか話さず、その妻はスペイン語しか話さないアジア人夫婦、結構印象的だったんじゃないかなあ、と。
(その時の邂逅はこちら。ドアマンと俺のピンボケ2ショットがあります

http://somewereborntosingtheblues.hatenablog.com/entry/2017/10/30/220204


ホテルに到着すると、入り口にはドアマンがいた。俺達の顔を見るなり、「Hey, I remember you!」と声を掛けられた。懐かしき再会だ。ホテルに入り、レセプションに「予約してるんだけど」と声を掛けたら、「ミスター&ミセス ヤマダ(仮名)か?」と訊かれたので、違う、違うとバウチャーを見せる。時間はお昼の1時くらい。チェックインにはまだ早い。きっと「荷物は預かってあげる。チェックインは3時まで待て」と言われると思っていた。だが、予想に反して、もうチェックイン出来ると言う。
「部屋はダブルとツイン、どっちが良い?」と訊かれたので「ツイン」と答えると、「ダブルはどうだ。そっちのほうが広いんだ。料金は同じで構わない。望遠鏡もあるよ」と言われる。ん? と思ったが、ピンと来た。今回のデモ騒動で泊り客のキャンセルが多発したのではないか、だから広い部屋が空いているから使って良いぞというホテルからのある種のサービスなのではないか、と。
考えてみれば、前回も同じくらいの時間にホテルに来たのに部屋に入れなかった。だが今回は入れる、おまけに良い部屋も空いている。つまりキャンセルが相当数あったのだろう。
ドアマンが部屋まで案内してくれる。これもよく考えればおかしな話だ。客を部屋まで案内するボーイの姿が一切見当たらない。従業員もストやってるのかもしれないな。一旦、9階までエレベーターで上がった後、ドアマンが言う「ここからエレベーターは乗り換えるんだ」
最上階に到着。部屋に入って驚き。なんとスイートルームだった。いやあ、これはラッキー(実際はスィートじゃないけど、俺達からしたら、ここはスィートルームだ)。

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ベッドルームがあり、そしてちゃんとリビングがある。テラスもあり、ここからサグラダファミリアが見える。ああ、なるほど。望遠鏡の意味が判った。これでサグラダファミリアを観るわけね。俺と相方は一緒になってから海外旅行は数はそれなりにこなしているが、ここまで良い部屋に泊まった事はない(予算がないから当たり前なんだけど)。

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相方もさすがに興奮していた(普段、ホテルの備品シャンプーや石鹸には目もくれない相方が、チェックアウトの時は、それらを全てバッグに仕舞い込んでいた。どうしたの?と尋ねると、それらは全てフェラガモなのだと言う。フェラガモって靴やバッグのブランドだと俺は思っていた。部屋が高級だと備品も高級になるんだね)。
相方が言う。「今日は晩御飯は外で食べなくて良いかも。何か買ってきて、部屋で食べようかー」
それも悪くないなーと俺は頷いて言った。「そーいや、さっきヤマダさんかって訊かれたろ? もしヤマダ夫妻が俺達より先にホテル来てたら、この部屋取られてたな」
「かもねー。あと、どうせスイート使わせるなら日本人にってのがあったのかもよー。日本人なら宣伝してくれるだろうからって」
それはあるかもしれないな。ま、泊まったのが俺みたいな、旅行blogとは一番縁遠い人間だったのがホテルの見込み違いだけれども(笑)

今回の旅行はスタートから台風で日程を削られ、バルセロナのデモやストの恐怖に怯えたりしていたが、最後の最後に良いプレゼントを貰った。
さあ、今回の旅行の最後の観光だ。グエル邸を観に行こう。