Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

がっかり観光名所と旅先での喧嘩

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俺の職場は札幌時計台のすぐ近くだ。仕事に行く時は必ず時計台を目にする事になる。札幌三大がっかり観光名所の一つと言われている時計台だ。毎日見ても、特にこれといって何か気持ちが変わるような部分がある事はない。毎日毎日観光客が多数押し掛けているけど、実物見てガッカリしてるのだろうなあという想像はつく。

もう9年前になるけれども、マイレージが溜まったので、それを使ってシンガポールに遊びに行った事がある。なんでシンガポールに行ったかというと、相方の仲の良い友人が当時シンガポールに滞在していたからだ。シンガポールに遊びに行くというよりも、友人に会いに行くというのが主目的だった。

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(ここはかの有名なラッフルズホテル。泊まりたかったが予算の倍以上したので、写真を撮っただけ)

シンガポールの思い出は、とにかく暑かった、それしかない。街を相方と散歩していると汗だくになったので、リュックに入れておいたTシャツに着替えた。これが午後3時頃。そして午後5時くらいには、その着替えたTシャツも汗だくとなった。
シンガポールと言えば、マーライオンだ。こちらは世界三大がっかり観光名所。当然見たけれども、世間の評判通りにがっかりした。「噂通りにしょぼいなー」が感想だ。それ以上でもそれ以下でもない。しかし、勝手に期待しておいて、勝手にがっかりして、マーライオンからすれば良い迷惑である。

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あと、シンガポールスリング発祥のバーにも遊びに行って、シンガポールスリングを飲んだ。相方に言わせると、東京のまともなバーのほうが美味いとか。このバーも或る意味観光地化して、典型的な観光客がやってきて「シンガポールスリング、5つ!」とか注文しているのだ。バーテンダーもそれが判っているせいか、注文入る前からひっきりなしにシンガポールスリングを作っていた。ピッチャーに「それ何人分だよ?」というシンガポールスリングを大量に作っておいて、注文が来ると、その既に出来上がっているものをグラスに注ぐだけ。そりゃ、まともな味のカクテルになるはずがない。おまけにレシピも相当いい加減で、目分量でぶち込んでいた。
観光地化すると、味が落ちるというのを目の当たりにした気がする。

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こちら札幌時計台も多数の観光客でにぎわうが、その殆どが中国人観光客。ただ、韓国人や他のアジアの人達も結構見かける。で、或る日俺が時計台のすぐ近くにあるコンビニに行った時のことだ。店の前で男女が向き合っていた。なんとなく雰囲気からして、良い感じじゃない。喧嘩してんのかなと思ったら、女性が口を開いた。中国語のようだ。観光客である。すると男性も何か言い返した。無論、俺は中国語は単語一つとして判らない。でも、発している言葉の雰囲気からそれが友好的でないのは充分に伝わってきた。若い男女の口喧嘩である。
せっかく海外に来てまで喧嘩するなよ、とは思ったが大きなお世話である。当人達には、当人にしか判らない事情がある。
その時にふと「成田離婚」という言葉が頭に浮かんだ。新婚旅行に出掛けた夫婦が旅行先で喧嘩をし、互いにやっていけるパートナーじゃないと判断して、帰国後すぐに離婚するという、例のアレだ。現実問題として、「成田離婚」する夫婦がどれくらいいるのか知らない。けれども、凄く単純な疑問として、結婚する前に二人で旅行とかしたことがなかったのだろうか。恋人時代に旅行をしておけば(これは国内、海外どちらでも同じはずだ)、そういった相性みたいなものは判ったと思うのだけれど。ただ、よくネットとかに流布されている「新婚旅行で海外にいったら、亭主が全然英語話せずに幻滅した」なんてのがあるが、あれはちょっとふざけるなと言いたい。亭主が英語話せなかったら、お前が話せばいいだろ、なんで亭主が英語話す事が必須になってんだよ。俺なんか、スペイン行った時は、会話は全部相方に任せてるぞ!(相方はスペイン語を習っている)

10年近く前にサンフランシスコに行った時、何かの拍子で相方が現地のアメリカ人とお喋りを始めた(相方の英語は物凄くブロークンである)。俺は横で黙って聴いていた。暫くしたら、相方が「ね、ね。今この人なんて言ったの?」と俺に話を振ってきた時は、腰が砕けそうになった。お前、意味判らずに会話してたのか、と。
で、ふと思い出したのだが、俺と相方はそれなりに国内/国外を問わず旅行に出掛けたが、現地で喧嘩らしきものになった事は一度しかなかったなあ、と。それはメキシコに出掛けた時だ。路線バスに乗ったは良いが、停留所が判らず、降りるところを間違えて見知らぬ街を彷徨った。
当時はまだ相方はスペイン語が全く喋れなくて、俺達は自分がどこにいるかも判らず、適当に歩き回っていた。この時俺が相方に「降りるとこ間違えてんじゃん」と詰り、相方は無言で歩き続けるというものだった。喧嘩までいってなかったような。「二人の空気が悪くなる」程度だった。
この迷子になった時は、運良く流しのタクシーに乗ってホテルまでたどり着いて事なきを得た。二人して、ヘロヘロになったのだが、相方が「シャワー浴びたら? スッキリするよ」と互いにシャワーを浴びて、無言の仲直りをしたような気がする。悪い雰囲気があのシャワーで流されたのはとても良かったと思う。だって、せっかく海外に来て、食事の時とかに気まずかったら、それはかなり切ない。

時計台近くのコンビニ前で喧嘩をしていた中国人カップルがどうなったかは知らない。その後ちゃんと仲直り出来たのか、旅行が終わるまで険悪だったのか。
ただ、一つだけ言っておく。喧嘩になりそうな場合は、男が我慢すれば良いのだ。そうすれば、ほぼ99%喧嘩は起きない。経験者が言ってるんだから、間違いない。