Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

嵐を呼ぶ使者

f:id:somewereborntosingtheblues:20190306002505j:plain

東京にいた頃から、これは不変的なものなのだけれども、上司からの呼び出しで幸せになった事がない。
上司からの呼び出し=不幸を呼ぶもの、である。
今日も仕事をしている(振りをしている)と、後ろから声を掛けられた。
「ちょっといいかな?」
立っていたのは、俺の直属の上司であるAさん。丁度作業中だったので「5分くらい待って貰えますか」と返答すると、「じゃ、手空いたら、***(会議室)に来て」と。
うーん。俺、なんかやったっけかなあ?… あまりにも思い当たる節が多過ぎて、呼び出された理由が判らない。
とりあえず、作業を片付けて、喫煙室へ向かった。上司に呼び出されたのに、煙草を吸いに行くというのも図々しい話だが、まずは心の安寧が必要だ。それに今更、5分10分遅れたところで、俺の悪行が消える訳でもない。
会議室へ行ってみると、Aさんから「実は****の件に関して意見を聞きたいんだよね」と言われる。純粋な意見交換のミーティングだった。俺の悪行を咎める場ではなかった事に一安心し、俺は無駄に饒舌になる。世の中には、自分が分の悪い状況になると饒舌になる人と、自分が安全圏にいると饒舌になる人の二種類いると思う。俺は完全に後者だ。
だから、俺は相方と喧嘩をすると口数が一気に減る。

今の会社は、連絡用に会社支給の携帯電話があるので非常に気が楽だ。東京にいた頃は貧乏会社に所属していたから、個人の携帯/スマホの番号が会社の連絡用と共用だった。俺のスマホの電話帳には、プライベートな友人/知人の連絡先と、会社の社長、経理事務担当、取引先と全てが一緒くたに登録されていた。スマホの電話が鳴り、表示を見ると社長からなんてのが何度かあった。
これが非常に精神衛生上よろしくなかった。社長からの電話なんて、不幸をもたらす事はあっても、幸せを導く可能性なんて殆どないのだ。
電話に出てみると案の定で、取引先との契約締結がまとまらないから、今度の会談には一緒に出ろとか、給料を10%カットするから了承してくれとか、不幸のオンパレードだ(これらは例えじゃなくて、実際にあった事)。
これで社長が信頼の置ける、一生ついていこうと思わせるような人物なら良かったのだが、当然そんな事もなく、尊敬のその字にも値しないような男だった。
なんで、そんな男の下で働いていたのか? と問われれば、俺がやはり尊敬のその字にも値しないようなクズな男だから、としか言いようがない。
結局その会社は俺が東京を離れる一年前に潰れた(俺はその後、フリーランサーとなった)。これでもう社長の顔を見ることもなければ、社長からの電話を受けることもなくなるなあと安堵した。
ところがだ。
俺はFACEBOOKを利用して、古い友人達と遣り取りをしている。FACEBOOKの機能に「この人お前の友人ちゃうか?」みたいなのがある。
そこに、元社長が表示された時は、力が抜けた。互いに電話番号を登録し合っているから、こういった現象が起きるんだよなあ。
たまにFACEBOOKTWITTER、LINEを仕事に利用しているという人をネットで見かける。今はメールよりもそれらの機能のほうが使いやすいのだろう。俺はそれらSNSは現状、仕事に一切絡めていないし、絡ませたくもない(俺の今の仕事はそういったSNSを使う必要が無い)。
FACEBOOKに関しては、完全に遊びの世界オンリーなので、そこに元社長の名前が出てきただけで、嫌な気分になった。速攻で友人候補の一覧から削除。そもそも友人じゃない。

俺は今の職場のチームでは最年長だし、20代の若手君達と仕事以外で絡もうなんて思わない。そんな事を試みれば、互いに不幸になるだけだ。仕事が終わって「お疲れ様でしたー」と挨拶して職場を離れたら、その瞬間にそれぞれ他人。そのほうが良い。無論、気の合う同僚とかとは親交を深めればいい。だが、世代も趣味も話も合わない人と(年上だろうが年下だろうが)、無理して付き合ってもデメリットこそあれ、メリットは何も無い。
と話がだいぶにそれた。ま、俺の話が脱線するのは通常運転だ。

f:id:somewereborntosingtheblues:20190306002724j:plain

過去に三社に所属し(今の会社が四社目)、それなりの数の上司がいたけれども、尊敬出来る上司がいたかというと、かなり怪しい。
20代の頃に勤めていた会社の上司が俺を気に入ってくれて、俺もその人のことが好きだったが、尊敬していたかと問われると、即答出来ない。その上司は、仕事は滅茶苦茶出来たが、家庭人としても社会人としても駄目駄目だった。そういった点が俺と似ていたから好きだったのかもしれない(俺は仕事出来なかったけど)。
好きと尊敬は、違うんだよな。ただ一つだけ言えるのは、好きでもない奴を尊敬する事は出来ないってことだ。
今の会社が四社目という事は、つまり四人の社長にトータルで仕えた事になる。今の会社の社長とは、直接話すような立場じゃないから、人柄や性格は正直判らない。過去三社の社長はいずれも駄目な奴ばかりだった。夢ばかり語って現実を見られない人、従業員を会社の駒だと思って、自分が全てを回していると思っている奴、社長というのは最後の決断をしなきゃいけない立場なのに、それを平気で放棄する馬鹿。クズの見本市だ。よくあんな奴らが社長業をやっていたもんだ。ある意味感心する、というか今思い出して呆れている。

ま、だから過去に俺が所属した三社は全て潰れているんだろうけれども。