Some Were Born To Sing The Blues

酒好き(2017年秋に断酒を宣言)、音楽好きな中年のおっさんの日々の呟き。趣味はテナーサックスとドラム。2016年冬に50歳目前で札幌に引越し、2017年春にピアノを始めました。そして2019年6月に東京暮らしを再開。生々流転の日々です。

俺とお前と貴方と君と…

このBlogの一人称は「俺」で統一している。別に統一しているというか、普段の言葉遣いでも俺の一人称は「俺」だ。
無論、仕事場では「私(わたし)」を使用している。

男性の一般的な一人称としては「僕」があるけれど、俺は普段「僕」は使わない。だから、俺が日常生活で使う一人称はプライベートでは「俺」で、仕事場やあまり親しくない人の前では「私」となる。

20代半ばの頃の話だ。職場で話をしていた時に「僕は@@@@だと思いますけど」みたいに「僕」という一人称を使った。その場には俺の憧れの女性上司のMさんがいた。Mさんは身長170センチちょっとのスリムで足の長い素敵な女性だった。
入社初日に挨拶をした時、タイトスカートからすらりと伸びた長い脚がセクシーだったのを昨日のように覚えている(もう20年以上も前の話だけれども)。
で、だ。そのMさんが俺の「僕」発言を聴いて噴き出した。
「君さぁ、ボクって言葉、似合わないよー」
Mさんは深い意味や考えがあって言った言葉ではないと思う。だが、俺は憧れのMさんに「僕という一人称は似合わない」と言われた事を深く心に刻んだ。そうか、「ボク」って言葉は使わないほうがいいのか、と。

それ以来、仕事場では「私」という人称を使うようにした。無論、仕事場以外では「俺」だ。Mさんに指摘を受けて以来、俺は「ボク」という言葉を封印した。

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30代前半から半ばくらいの時に、4つ上の女性と交際した事がある。別に珍しい話でもなんでもない。

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彼女と知り合った頃は、普通に彼女の苗字をさん付けで呼んでいた。彼女も俺の苗字をさん付けだ。知り合いになって、いきなり付き合い始めた訳じゃない。いわゆる飲み仲間だった。飲み仲間が7~8人いたかなあ。
あの頃は特に生産的な事をするでもなく、ただダラダラと酒を呑んで過去の恋愛話を皆でして、馬鹿話をするような時間が多くあった。それが楽しかったと言えば楽しかった。
当時はまだ、サックスもドラムも始めていなかった。学生時代の仲間と組んだバンドも自然消滅していた。だから酒を呑むくらいしかやる事がなかったんだよなあ。

ある日、飲み仲間の男性の家で呑んだ事があった。彼の家は埼玉の戸田市のほうにあった。呑んでいる途中で何か(酒か肴か、或いは両方か?)欲しくなり、近くのスーパーまで買い出しに出掛けた。その時、4つ年上の彼女と一緒に出掛け、気付くと二人だけで呑む約束をしていた。どちらから誘ったのかは覚えていない。ただ、きっと俺が酔った勢いで彼女を誘ったのだろうという推測はつく。

彼女と新宿の紀伊国屋書店の前で待ち合わせて、歌舞伎町のバーで酒を呑んだ。大人の男女が二人きりで酒を呑んで、何もない筈がない。当たり前のように付き合い始めた。
付き合い始めてすぐに、俺は彼女のファーストネームを呼ぶようになった。4つ年上だったけど、普通に呼び捨てだ。

俺は人生でそれほど沢山の女性と交際した事がある訳じゃないけど、交際相手は必ず呼び捨てだ。ちゃん付けとかした事がない。別段、何かポリシーがあるって事でもない。単なる、そうしているというだけの話。
彼女は自分よりも年下の俺を、暫くは変わらず苗字+さん付けで呼んでいた。なんでなのかは判らない。年下の男性と付き合う事に後ろめたさみたいなものがあったのかもしれない(後に彼女から聴いた話を総合すると、俺にはそう感じられた)。

いつまでも苗字で呼ばれるのが他人行儀な気がしたので、彼女に「名前で呼んでくれよ」とリクエストした。すると彼女は俺の名前をさん付けで呼んだ。
年上の彼女を俺は呼び捨てにして、年下の俺を彼女はさん付けで呼んだ。不思議な感じだった。俺は酒を呑みながら、タメ口で彼女と会話し、彼女の名前を呼び捨てにしたり、或いは「お前」と呼んだりした。
彼女はずっと敬語を使って、「俺の名前+さん」で呼ぶか「貴方」と呼ぶかのどちらかだった。俺を呼び捨てにする事も「キミ」と呼ぶ事もなかった。

彼女が俺との付き合いで一定の距離を置いていた訳じゃない。単にそういった言葉遣い(呼び捨てやら、上から目線的な発言とか)が出来ない人もいる。彼女はそういった言葉遣いが出来ないタイプの人だっただけの事。

或る日、彼女からメールが来て(まだ、スマホもLINEもなかった時代である)こう書かれていた。
「貴方に乱暴に『お前』って呼ばれたりすると、ああ、私は貴方の物なんだなあって実感出来て嬉しくなる」
彼女がそういえば、M気質であると、当時彼女のBLOGに書いていた事を思い出した。
ちなみに俺はそういった癖はない(SでもMでもない)。

最近ネットで、ある女性芸能人(誰だか失念した)が「たとえ好きな男性でも『お前』って呼ばれるとムカッとくる」という記事を読んだ。まあ、そりゃそうだよなあ。「好きな人であってもお前呼ばわりされたら、女性も嫌な気分になるだろうなあ」と他人事でその記事を読んでいた。
暫くしてから、あれ? そういや俺も昔、交際相手(しかも年上)を『お前』で呼んでた事あるなあと思い出したので、今日のエントリを書いた。

なんと呼び合おうが、当人同士が納得してれば、それで良いってだけの事だけれども。
しかし、一度くらいは交際相手の名前を『ちゃん付け』で呼んでおけば良かったという気がしなくもない。今更、手遅れだけれども。