Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

映画「ビリギャル」を観たのだ

ケーブルTVで「ビリギャル」をやっていたので観た。有名なので皆内容は知っているだろう。成績が学年ビリの女子高生が高校2年から勉強を必死にやって慶応大学に受かるという話。実話だというから恐れ入る。
最初から大学に受かるというオチが判っているので安心して2時間程度のんびり観られた。

「なんか似たような話、最近観たぞ」と、ちょっと考えた。2月か3月くらいに、ケーブルTVで一挙放送していた「ドラゴン桜」だ。こっちは落ちこぼれの学生数人が東京大学合格を目指す話だった。
落ちこぼれ(不良)が、何かの切っ掛けで勉強やスポーツに燃えて結果を出す、という話は昔から鉄板だな。ちょっと前なら「ルーキーズ」だし、大昔なら「スクール・ウォーズ」だ。

日本人は(日本人に限らず)、駄目というレッテルを貼られた人間が何かに一所懸命になって成功するという話が好きなんだなあとしみじみ思った。まあ俺も嫌いじゃない。事実、ビリギャルで主人公の女の子が塾の先生に「受かったよー」と言って抱き着いた瞬間、俺もちょっとウルウル来たもの(笑)

ところで、俺が学生をやっていたのはもう30年も前の話なんで、今の社会の学歴事情を知らないのだが、今も学歴って有効なのかな。
俺が大学に入ろうとしていた30年前は、まだ「学歴」というものが立派な武器だった時代だと思う。俺が通っていた高校は普通高校だったのだけれど、進学率が90%くらいだった。進学せずに就職するというと、クラスの奴らが「え? なんで進学しないの」と驚くといった感じだった。
ちなみに俺が通っていた高校からは東京大学合格者が歴代ゼロで、東大合格者を出すのが学校の至上命題だった。だが、先生も生徒もそれは100年経っても無理なのは判っていた。だって、東大目指すような奴は、俺が通っていた高校よりも上のランクの高校に入っていたからね(笑)

俺は高校2年くらいで自分の将来像を割とちゃんと描いていた。将来は商社マンになろうと思っていたのだ。だから、大学は外国語学部に入ろうと思っていた、それも英語以外の学科で。商社マンだったら英語以外にも何か外国語を使えるようになっていたほうがいいだろうという考えからだ。

そして実際に外国語学部に入ったので、そこまではライフプランは問題なかった。だが、その後留年したりして、色々狂い始めた。
勉強にさっぱり身が入らず、2留するのがほぼ確実になった。そうなると、大学卒業時に25歳になってしまう。大学を卒業して25歳で就職するよりも、中退して少しでも早く社会に出たほうがいいんじゃないか、そう思うようになった。大学中退となると、もう商社マンは無理だ。いや、探せば無理じゃないかもしれないが、あまり現実的じゃなかった。

大学卒業という肩書を失った俺は考えた。手に職つけるしかねえな、と。実は当時、ガラス職人とかも考えた。だがああいう仕事は10代の頃からやるものだろう。22歳(大学を辞めた時の年齢)では遅い。
さて、どうするか。選択肢はあまりなかった。当時、バブル経済が破綻する寸前だった。プログラマーシステムエンジニアという職種しかなかった。これだな、俺はソフトウエア会社に就職した。

俺が就職した会社は従業員が15人くらいしかいない、小さい会社だった。資格は高卒以上。問題無しだった。大卒の社員は一人しかいなかった。
それから転職して、社員7人の輸入代理店、そしてまたまたソフトウエア会社(社員8人)。これら3社の資格は全て高卒以上。とか言っても、卒業証明書を提出する訳でもない、いい加減な会社ばかりだった。

結局、大学を中退してからの俺は、学歴重視の会社とは無縁に過ごしてきたので、今一つ学歴の重要性が判っていない。また類は友を呼ぶじゃないが、俺の周りに高学歴の人間は殆どいなかった。
俺の無駄に長い人生で、高学歴と呼べる人と遭遇した事は2回しかない。

一人が30代の時に付き合っていた女性で、慶応出身だった。だが、男女の付き合いで学歴は関係ないしね。中にはそういった事が影響する男女もいるかもしれないけど、俺とその女性は関係なかったからなあ。
そしてもう一人が今のチームのリーダー。リーダーは日本で2番目に偏差値の高いと言われる大学の院卒だ。エリートである。俺みたいな大学中退者と京大院卒が同じチームってのも凄い話である。ちなみにリーダーはA社の社員(ここは多分、大卒以上が必要資格だと思う)で、俺はA社の子会社であるB社の社員だ(B社は中途採用の場合、学歴不問である、多分)。

学歴なんて社会に出れば関係ない。これは社会人なら誰でも思う事だろう。事実、そうだ。だが、学歴という括りとは関係ない部分で「頭の良い大学に入れる能力のある奴というのは、間違いなく、どこかしら優れたところがある」というのは歴然とした事実だと思う。
よく受験勉強に優れている人間と、実際の地頭が優秀な人間は違う、とか言う。だが、やはり試験で優秀な結果を残せるというのは一つの才能なのだ。たとえばギターが上手く弾ける、或いはサッカーが上手い、とかいうのと同じでね。

俺が人生で遭遇したこの高学歴の二人は、どこか「やっぱ有能だよなあ」というものを持ち合わせている(いた)。
今更、人生終わりが近い俺が「学歴」の事なんか考えても何の意味もないんだけどさ。
「ビリギャル」という映画を見たせいで、そんな事を考えたのだ。

俺は自分の人生に関しては「まあ、こんなもんだろ」と思っているから、大きな後悔とかは特にない。でも、時々「あ、留年してしまう。やばい、卒業出来ない」っていう夢を年に2回くらい見るんだよね。未だにだよ。あ、ここ数年はさすがに見てないけど。40歳過ぎまで定期的にそういった「留年して苦しむ夢」を見ていた。

だから、俺は大学を辞めた事を心の奥底では凄く後悔しているんだろうなあと思う。商社マンになろうと思っていた10代の俺を裏切ってしまった自分を責めているのだろう。

だが、後悔せずに生きている人間なんている訳がない。だからこれでいいのだ、きっと。人生なんて、そんなもんだ。

ということで、昨日作った野菜たっぷりの麻婆豆腐の写真でも載せておこう。普通は豆腐、挽肉、ネギくらいだろう。だが、野菜を摂る為に、ほうれん草、椎茸、エリンギ、モヤシ、長葱、キャベツを入れた。豆苗も入れれば良かったかな?(話が飛び過ぎである)

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