Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

ブルース・セッション@札幌に参加してきたのだ

ここ最近、似非ピアニスト気分になって、日々「LET IT BE」を弾いていた。いや、弾いていたなんて恰好良いもんじゃない。毎日毎日、練習していたに過ぎない。
未だに、間奏とエンディングで引っかかっているのだ。だが、レッスンを受けたら先生から「ゴールが見えて来た感があるのでペダルの練習もしましょう」と言われ、ペダルの練習も始めた。一つミッションをクリアすると、すぐに次のミッションがやってくる感じだ。だが仕事と違って自分の好きな事に関してだから、それは楽しいミッションだ。

そうやってピアノ以外の事をすっかり忘れていたら、ひょんな事からドラムの事を思い出した。理由は単純で、とあるブログを読んでいたら、そのブログ主がドラマーだったので、「あ、そーいや俺も前はドラム叩いてたんだ」と思い出した次第。
ピアノを弾くのは勿論楽しいのだけれども、やはりバンドで他の楽器の人達と一緒に演奏するのも楽しいんだよな。そこで一気にドラム熱が上がってきて「ドラム叩きたいなー」となった。すぐにバンドメンバー募集サイトで「北海道、ドラム」をキーワードで検索する。が、無論そんな都合よく、条件がマッチする募集がある訳がない。

あ、そうだ。ブルースセッションに行けばいいんじゃないか。そう思い至った。前から検索して目星をつけていた店があったのだ。確認すると毎月最終日曜日にブルースセッションをやっている。これはちょうどいい。

と、思い出した。俺は東京から札幌に引っ越す時に、持っていたドラムスティック、全部処分しちゃったんだよなあ。だって、札幌でドラム叩く機会が生まれるとは思ってなかったしさ。勿体ない事したな、取っておけば良かった。とか言いつつ、ちゃんとスネアは札幌に持ってきたんだから、今一つ覚悟が中途半端だね、俺は。

そこで土曜日にピアノレッスン後に楽器屋さんに出掛けた。札幌駅付近にパルコがあり、その中に楽器屋さんがある。スティックを2セット買う。まあ、セッションに参加するだけなら、1セットだけでもいいんだけど、たまにすぐに折れる可能性もあるからね。
店を出たら、路面電車に遭遇。いやあ、札幌だねえ。

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ということで、日曜の夜にお目当ての店に行く。ブルースセッションは19時スタートとホームページに記載してある。東京にいた頃に何度かブルースセッションに参加した事あるけど、あの時はホームだったからなあ。セッションホストは知っている人達だったし、店には顔なじみの人達が何人もいた。店のスタッフとも仲良くなっていたし、行けば「あらー、Tちゃん久しぶりー」と声を掛けて貰えた。

だが、今回は札幌。完全アウェイだ。知ってる人も誰もいないし。だが、ここで尻込みしていたら、いつまで経っても知人も仲間も出来ないしね。最初の一歩が大事だ。

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店に入り、カウンターの中にいたママっぽい人に「今日ブルースセッションやってますよね?」と確認。「初めてですか?」と問われたので頷く。セッション料金が1,000円と飲み物一杯。ビールを注文。楽器を訊かれたので「ドラムです。でも初めてなんで、暫く見させて下さい」とお願いする。

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既にセッションは始まっていた。セッションホストっぽい人がキーとリズムを指定してみなで演奏している。「スリル イズ ゴーン」という王道を演奏していたので、やっぱブルースは東京も札幌も変わんねえかと安堵する。
ビールを呑みながら曲を聴く。やはりブルースセッションなんで、年齢層は高め。セッションホストのボーカルの人以外は、俺よりも年上に見えた。

どうやらこの店は3曲ワンセットで回すらしい。3曲演奏すると、ホストがメンバーを指定して楽器が入れ替わる。2セット目で滅茶苦茶ガタイの良いドラマーが出てきて、ビビる。
そうしていると、セッションホストのボーカルの人が俺のところにやってきて、「次ドラムいいですか?」と訊いてくる。まあホストの人も俺が今日初めてだってのは判ってるから、確認したんだろう(中には「いやあ、今日は見学だけにさせて下さい」って言う人もいるだろうしね)。
せっかく、スティックも買ったし、ドラム叩きたい。ミスったっていいじゃねーか。セッションの恥はかき捨て、だ。ということで、「はい、判りました」と頷く俺。

そして、3セット目は俺の出番だ。ステージに行き、ドラムセットの調整。そーいや、ドラム叩くのなんて、去年の夏以来じゃねえか。東京のOIL CITYってとこでセッションして以来だ。半年以上叩いていない。大丈夫かな。10代の頃からドラムやってた人なら身体が覚えてる、ってのがあるだろう。だが俺は40歳でドラム始めた超初心者のおっさんドラマーだ。身体が覚える程にドラムが身体に染み込んでいない、残念ながら。
ちょっとビビりつつ、ボーカル&ギターの人が「キーはEで、シャッフルで」というのを確認する(まあ、ドラムはキー関係ないんだけどね)。ベースの人のフレーズを聴きながらドラムを叩く。これなら、なんとかいけるかな、って感じで3曲やった。典型的なシャッフルとスローブルースだったかな? 久しぶりのドラムは楽しかった。

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そうして自分の番が過ぎたので、ママにテキーラのロックを注文。テキーラを呑んでいるとママが声を掛けてくれる。俺が初めてだから、気を遣ってくれたのかな。ドラムやサックスのワークショップもあるから、良かったら参加してと言われる。楽しそうだな、問題はワークショップが平日の午後とか、参加無理なんだけど(笑)

そうしてテキーラをお代わりしていたら、キーボードを抱えた若者がやってきた。30歳前後かな? 早速セッションに参加していた。いやあ、ブルースピアノはいいねえ。
彼が演奏を終え、席に着いた。ちょうど俺の隣の隣の席に座った。これはチャンスだ。
「どうも初めまして。自分今日初めて参加なんですよ」
「ボクも今年の1月から参加したばかりで…」
「実は自分もピアノ始めたばかりでして。いやー、ピアノ恰好良いですねえ」
と若干彼を持ち上げつつも(実際恰好良かったのだ。お世辞ではない)、ピアノの話をしたりする。彼はブルースセッションに参加しているのに、一番好きなジャンルはハウスとかクラブミュージックなのだと言う。ちょっとびっくりした。武者修行とかのつもりでブルースセッションに参加してるのだろうか?
その辺りの話をもっとしようとしていたら、次のセッションの番が来てしまった。まあ、仕方あるまい。

俺はセッション2週目。ボーカルの人が「フーチークーチーマン」やりましょうと言う。この曲は以前参加していたバンドで演奏した事もあるのだ。だから、大丈夫だと思っていたが、曲が始まったら、どうやって叩いていたかすっかり忘れていた。やっぱり身体が覚えているレベルまで達してないんだよなあ。三連だという事は勿論判っているから、誤魔化しながら叩いた。ボーカルの人には悪い事した。

そうやってトータル3セットに参加した。つまり3曲×3セットで9曲叩いた訳だ。途中で、明らかに「なんか上手くいかないから、これやめようか」とボーカルの人に言われた曲もあったりした(つまり、俺がちゃんと叩けないので、これは止めたほうがいいよね、という感じ)。申し訳ないと思うけど、セッションは基本「一番下手な奴(=俺)に合わせる」だから、仕方ないと割り切った。だって、いくら格好つけたって叩けないものは叩けないしね。

最後にセッションホストの人が「スィートホーム・シカゴ」の王道でセッションを〆る。俺はそれを聴き終えると(もう23時半くらいだから、結構遅かったのだ)、各メンバーに「今日はどうもありがとうございました」と挨拶をして帰る準備。やっぱり新参者だし、下手くそだから迷惑かけたからね。そこはちゃんと挨拶しとかんとね。

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そしたら、とある人から上から目線の発言を喰らい、ちょっとモヤモヤした。まあ、仕方ない。こういった場で必ず「素人はちゃんと頑張れよ」的な発言をする人はいる。そこで言い返しても何の意味もないので、頷いておいた。

ピアノをやっていた若者とも挨拶をして「来月も都合あえば来るんで、よろしくです」と握手を交わした。他にもギターで声を掛けてくれた人もいたし。慌てても仕方ない。こうやってゆっくり輪を広げていければいいと思う。
そうすれば、東京にいた頃みたいに新しく仲間が出来るかもしれないしね。

恋愛と一緒だ。慌てず、焦らずに、だ。