Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

酔いどれピアニストになるのが、今の野望だ

札幌に来て一ヶ月半程が過ぎた。昨日、初めて雪の上で滑って転んだ。幸運だったのは、摺り足状態で歩いていたのと、雪の上に尻もちをついたので、怪我などがなかった事だ。「くそ、こけた」その程度で済んだ。運が良かった。
これで俺も立派な札幌市民の仲間入りだ。そうなのか? 多分違うと思う。

札幌に来てから、平日も平気で酒は呑むわ、止めていた煙草をまた吸い始めるわ、悪習慣ばかり復活している。これは良くない。
札幌に来る事が決まった時から、やろうと思っていた事が明確に一つだけあった。
「ピアノを習う→ピアノを弾けるようになる」だ。
30代の終わりにサックスを始めた。そして一年後にドラムを始めた。その時「サックスやドラムが形になるにはある程度の時間が掛かるだろう。ある程度の形になったら、その時はピアノもやろう」と決めていた。
何故かというと物凄く単純な話で、ピアノを弾けるという事に憧れがあったからだ。それだけの話だ。

ピアノバーで、バーボンのロックを呑みながら「マスター、ちょっと弾かせて貰ってもいいかな?」と言いながらジャズのスタンダードを自分流のアレンジで弾く、それに憧れていた。だがピアノの前にサックスをモノにしたかった。だからピアノの優先順位が低かった。それだけの話だ。

だから38歳(39歳だったかな?)の頃にサックスを始めた時、50歳くらいになったらピアノを習おうと思っていた。流石にこの歳になって自己流で習得出来るとは思っていなかった。そしてまだ50歳にはほんの少しだけ余裕があるが、ピアノを始める事にした。

東京にいた頃から、勤務地、居住地を鑑みて通えるピアノ教室を探しておいた。今年になってからピアノ教室に通っている。まだレッスンは4回受けただけだ。

ピアノの先生には以下の事を伝えた。
① ジャズのスタンダードを自分流のアレンジで弾けるようになりたい(これが俺のピアノにおけるゴール)。
② だから、ピアノの楽譜とかを見て、それを完璧に弾けるようになりたいという考えは一切ない(ピアノを綺麗に、上手く弾けるようになりたいという野望は一切ない)。
③ 上記①がゴールだけど、いきなり出来る訳はないから、まずはピアノでコードを弾けるようになりたい
④ そして、コードを中心とした伴奏(弾き語り)を出来るようにまずはしたい。
⑤ 伴奏(弾き語り)が出来るようになったら、今度はその弾き語り(歌)の部分をピアノでソロを弾けるようになりたい。

レッスンはこの俺の目的に沿った形でやって貰えないだろうか、と。ピアノの先生は20代半ばくらいの若い女性だった(まあ、ピアノ教室の先生は大抵若い女性なんだけどね)。
彼女は「判りました。じゃあ、そういった形でやりましょう」と言ってくれた。
最初のレッスンで「俺がピアノのコードに関して知っているのは、コードがCだったら、ルートのド、そこから5音、3音、つまりドミソを押さえるとCのコードが鳴るという事だけです。で、Cマイナーにしたい場合は真ん中の(この場合はミ)を半音落とす、ドミ♭(レ♯)ソを弾けばCマイナーになるって事だけです」と伝えた。
先生は「それだけ判っていれば充分です」と。

勿論、最初からジャズのスタンダードのコードだけ追うというやり方もあると思うんだけど、それは難易度が高い。だからまずはメジャーなロック、ポップスの曲を使ってコードを覚えるやり方にした。
最初の課題曲はビートルズの「LET IT BE」だ。超メジャー曲だ。これを選んだのには理由がある。まずメロディが頭に入っているから、曲を覚える手間を省ける。そしてこの曲は取りあえずコードを4つ覚えれば(実際はもっと使っているんだけど)、それなりに曲を弾いている感覚になれるという事だ。

この曲はC、G、Am、Fが弾ければそれなりに恰好がつく。で今はこの曲をひたすら練習している。右手でコードを押さえ、左手は指一本でルートだけ弾く。今現在の俺の弾いている「LET IT BE」は幼稚園児のお遊戯レベルだ。
だが、それは当然だ。だって俺のピアノ奏者としての立ち位置は幼稚園児と同じなのだから。

でも全然悲観はしていない。むしろ楽しんでいる。サックスを初めて吹いた時のような、ドラムで初めてエイトビートを叩いた時のような高揚感がある。

勿論仕事もあるし、家事もしなくちゃいけないし、観たい映画もあるしで、ピアノ一辺倒の生活が出来る訳じゃない。でも、独りで札幌暮らしをしていて、ピアノという新しい楽しみを持つ事が出来たのは悪くないと思っている。

さて、blogをアップしたら、今日も5分でいいからピアノを弾くとしよう。

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