Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

ラーメンを提供して「不味い」と言われ、逆切れするのはみっともない

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(2019年4月24日。大通公園より、札幌テレビ塔を撮影)

不味いラーメンを喰ったら「このラーメン不味いよな」と意見を言う権利はある。金を払っているのだから。但し、店主に向かって直接言って良いかどうかというのはまた別の問題ではある。
貴方がラーメン屋の店主で、ラーメンを提供した。客の表情が微妙だ。どうやら、美味しいとは思ってくれなかったようだ。客同士で「ここのラーメン、イマイチだな」と言うのが聴こえたとする。この場合、「そうか、自分のラーメンはまだまだか。精進が必要だな」と思うか「てやんでい。俺のラーメンは日本一だ。美味いと思えないのなら、もう来てくれなくていいんだ」と思うのも自由。そこは貴方の信念に従えばいい。
だが、だ。そこで客に向かって「じゃあ、お前が作ってみろ」というのは違う。客はあくまでも客だ。ラーメンを作りに来ているのではない。ラーメンを喰いに来ているのだ。

以前、ネットを徘徊していたら「ジャズドラマーのBlog」というのに辿り着いた。Blogを書いているのはプロではなく、アマチュアの人。俺にとってプロかアマチュアかというのはたいした問題じゃない。ジャズとドラムというキラーワードで引っ掛かったのだ。早速読んでみると、40歳を過ぎてからジャズドラマーを志したとある。いいんじゃないですかねー、俺もドラムを始めたのは、ほぼ40歳の時だ。あ、俺も12年近くドラム叩いているのに、このていたらくなのか。ちょっと忸怩たるものがあるが、そこは才能がないので仕方ない。この開き直りが、楽器上達に対して良くない気がするが、性分なのでな。
で、このジャズドラマーがBlog上で吠えていた(怒っていた)。どうやら友人(知人に近いのかな)から「貴方がジャズドラマーと名乗るのはまだ早い。自称ジャズドラマーくらいが丁度良いのでは?」といった意味のことを言われたらしい。別にドラマーはドラマーだと思うので、ジャズドラマーだろうが、ファンクドラマーだろうが、(へヴィ)メタルドラマーだろうが、肩書きなんかなんでも良いんじゃね?と俺は思う。ジャンルがなんであれ、ドラム叩いていればドラマーだろ。そこに冠いるかねって話だ。俺なんか、過去に所属したバンドでやっていたのは、J-POP、オールドロック、ブルース、そして今はジャンルで言えばへヴィメタルだ。きっと、俺が俺自身に何か付けるとしたら「へっぽこドラマー」が一番しっくりくるだろう。

そのジャズドラマーさんは「自分はジャズが好きでジャズドラムが好きなんだ。だからジャズドラマーなんだよ。なんで自称って言わなきゃいけねえんだ。ジャズドラムも叩けないお前にそんな事言われたくねえ」と書き連ねていた。
そこで俺はむむ?となってしまった。プロならともかく、アマチュアの場合は何をするにしても「自称」じゃないのかな。プロだったら、CDを出すとか音源ダウンロード販売した場合に、会社のほうでカテゴリを決めてくれるだろう。だから必然的に「ジャズ」や「ロック」とかの肩書きがつく。本人の意思とかあまり関係ないだろうと思うが。でも、アマチュアの場合はそういったものがないのだから(自主販売とかしているアマチュアもいるだろうが、プロと違ってカテゴライズはされないだろう)、自分で名乗るしかないよね、ということは結果として自称になる、そういう事だ。
そもそも、そこで「自称」と付けるのが嫌だという辺りが単に「言葉遊び」に引っ掛かっているだけで、つまらんプライドだなと思う。自称だろうがなんだろうが、いいじゃねえか、と。そこ、拘るポイントじゃなくねえか。
「僕は自称ジャズドラマーです」
「僕はジャズドラマーです」
どっちでもいいよね、端からしたら。あ、ちょっと今二行書いて思った。「なんで【自称】なんですか?」「下手だからです(笑)」っていう流れになるのが嫌なのかな。或いは、自分でジャズドラマーと名乗るんじゃなくて、周りから「あの人の叩くドラム、すっごくジャジーだよねー」って言われたいとか、そういった事なのだろうか。
でも、本人はBlogに自分のドラムはまだまだ下手だって書いてるんだよ。典型的な謙遜てやつかな(実は自分は上手いんだぞ)と。ちなみに、俺はサックスもドラムもギターも全部下手だが、これは謙遜じゃなくて事実である。何しろギター担当で所属しているバンドのリーダーから「お前のギター、本当に下手だなー」と呆れられているくらいなんだから。あと、ピアノに関してはまだ、上手い下手の話をするレベルにまでいっていない。

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自称が付こうが付くまいが、どうでもいいのだが、俺が気になったのは「ジャズドラムも叩けないお前にそんな事言われたくねえ」の部分だ。
いや、それ言ったらお終いでしょ、と。何か批判(或いは批判めいたもの)をするとたまに「じゃあ、お前がやってみろ」という無意味な頭の悪い反論をする人がいる。この反論(とも呼べないものだが)をする人は、「僕は馬鹿です」と宣言しているのと変わらないので、気をつけたほうがいい。
冒頭に書いたラーメン屋の話と一緒だ。こっちは金を払ってラーメンを喰いに来ているのだ(金を払えば何をしても良いという意味ではない、無論)。ラーメンを作りに来ているのではない。
だから、ジャズドラムを叩けない人に「貴方の腕はまだジャズドラマーと言うには早いんじゃない」と言われたからといって、逆切れするのは、正直滑稽だ。そんなことを言い出したら、ジャズのライブに来る客は全員何かしらの楽器が出来なきゃいけないという理屈になる。或いは、楽器が出来ないのなら、否定的な感想を一切述べてはいけないという事になってしまう。

新橋で焼酎のお湯割りを飲みながら、巨人の試合の批判してるおっさん達を見てみろ。カシマスタジアムで臙脂のユニフォームを着て、鹿島アントラーズを応援しているサポーター達に耳を傾けてみろ。あいつら、野球もサッカーも碌にやったことないのに、評論家ヅラして偉そうに監督の采配批判や選手のプレイに文句言ってるぞ(ちなみに、それは俺のことだけどな)。

そもそも、肩書きなんてものは、最初は自分で名乗るものだけれども、結局定着するのは周りの人が見て判断した結果によるのだ。
俺なんか、誰に対しても誠実で、ずっと女性に優しくて、仕事を真摯にこなして、人に迷惑を掛けずに51年生きてきました。
「寝言は寝て言え。お前みたいにいい加減で、女性と酒にだらしなくて、仕事に対する責任感のない、人間の屑以外の表現が見つからない奴は見た事がない」と言われるんだぞ。
不味いラーメン出して、申し訳ありません。