Some Were Born To Sing The Blues

酒好き(2017年秋に断酒を宣言)、音楽好きな中年のおっさんの日々の呟き。趣味はテナーサックスとドラム。2016年冬に50歳目前で札幌に引越し、2017年春にピアノを始めました。

部屋とYシャツとマイカーとギターと私

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東京時代の友人(40代、男性)と暇つぶしにラインで遣り取りをしていたら「今度車買うんで、今貯金中」と彼が返してきた。あれ? 彼は車好きで、結構良い車に乗っているはず。確か、500万円くらいの外車に乗っているんじゃなかったか。「500万くらいするポルシェかなんか乗ってなかった?」と質問すると「600万のBMWです!」の返事が来た。あ、こりゃ失礼。
「今度は1,000万くらいのポルシェ買う予定っす」とお気楽な口調が返って来た。凄い話であるなや。車に1,000万円か。

俺は札幌に来てから、人生で初めて車を買った人間である。初のマイカー購入が50歳の時。遅すぎである。というか、高校時代までは群馬にいたが、その時は無論免許がない。免許を取得したのは大学時代の20歳の時。この時だって、別に車の運転がしたかったのではない。将来、就職する時に車の免許があったほうが何かと都合が良いだろうと考えたからだ。他に理由はない。教習所を卒業するまで半年くらい掛かった。運転にそもそも興味がないし、俺は客観的に見て、車の運転に向いていない。だから、各段階も何時間かオーバーして進んだはずだ。その頃は、大学近くの学生専用ぼろアパートに住んでいたが、隣の部屋の後輩が「僕も早く先輩みたいに免許欲しいっす」とか言っていたのを思い出す。「将来は、***って車欲しいんですよねー」と夢を語っていた。

女性が皆、料理好きで料理が得意でないのと同じように、男でも車に興味を一切示さない奴もいる。それが俺なのだが。車というのは、俺にとって「移動手段」であり、「荷物運搬道具」以上の意味を持たない。それ以外の用途は存在しない。
見た目が格好良く、スピードの出る外車とかに憧れる、車好きな人の気持ちが理解出来ない訳じゃない。それは女性が次から次へと洋服や靴などを買いたくなるのと同じようなものだろう。
「その気持ちは理解出来る。賛同は一切しないけどね」といった感じだ。ただ、問題点として車は値段がかなり高い。ちょっと買って、失敗したから買いなおすとか、別のものを買うという訳にはいかない。ましてや、前述の彼が買おうとしているのは、1,000万円だ。ちょっとした中古マンションの値段である。伊豆だったら、700万円くらいで1LDKのマンションが買えるのだぞ(なんだ、その不要な情報は?)。
相方に「東京時代の知り合いが、今度1,000万円のポルシェ買うんだって」とラインしたら、「いいなぁー」という返事が来た。相方は車好きなのだ。今危うく、【相方は女性のくせに車好きなのだ】と書こうとしてしまった。車好きに性別は関係ないわな。

札幌に来てから車を買ったのも、相方が車を欲しがったからだ。「東京と違って、札幌で暮らすには車がないと生きていけない」と相方は力説した。冬の雪さえなければ、その主張は却下出来たのだけれども、さすがに冬の札幌は車がないと不便すぎる。ましてや相方は日常生活品や食料の買い物担当でもある。冬の降雪で車もだいぶに汚い。相方が車を見る度に「車汚いなぁ。洗車したい」と呟いている。雪の季節が完全に終わるまでは、洗車をしても無意味なので、ひたすらその時を待っている感じだ。そろそろ洗車しても良い気候になってきた。
俺からすると「車が汚くても走るからいいだろ」と思うが、それは口には出さない。車をギターやサックスに置き換えると、車好きの人の心情が理解出来るからだ。
「車なんか走ればいいんだから、レンタカーでいいじゃん」俺はそう思う。だけど、俺がバンドの練習に行く時に「なんでわざわざギター持って行くの? スタジオのレンタルギター使えばいいのに」と言われたら、カチンと来る。そういうことだ。自分にとって大事なものをレンタルで済ませてよい筈がない。借り物でない自分自身のものだから愛着だってより一層湧く。
「狭い日本でそんなスピードの出るスポーツカー買ってどうすんの? 軽自動車で充分じゃん」というのが、俺の本音だ。だが、これをギターに置き換えれば判る。「なんで、そんな高いフェンダーのギターが必要なの? 貴方の腕前だったら、国産のギターで充分でしょ」と言われたら、「腕関係ねえんだよ。フェンダーのギターが好きだから買うんだよ。ギタリストのロマンだよ!」と反論するだろう。そういう事だ。ちなみに俺はギタリストじゃねえけど。「最低限のギターがなんとか弾ける、似非ギター弾きおじさん」である。

自分が興味の持てないものを人が好きだった場合、自分の好きなものに置き換えると、物凄く自然にその心情を理解する事が出来る。
だから、妻が次から次へと高級ブランドバッグを買っても、怒ったりしないで、自分の趣味の物に置き換えて考えればよいのだ。
夫が休みの日になると、一日中洗車と車のボディのワックス掛けに時間を費やしてたら、「どんだけ車に時間掛てんのよ!」と思わずに、自分も出掛ける前に化粧と洋服選びで夫をイライラさせていたなあと思えば、腹も立つまい。

それにしても、こっちは40万円のギター買うか悩んで、結局諦めたのに、向こうは1,000万円のポルシェか。桁が違いすぎて、もはや比較対象ですらない気がする。ま、車は趣味と実益兼ねてるからな、ギターと比較する事がそもそもの間違いだ。
人の趣味と女性問題にあれこれ口を出すのは、野暮って事だ。