Some Were Born To Sing The Blues

酒好き(2017年秋に断酒を宣言)、音楽好きな中年のおっさんの日々の呟き。趣味はテナーサックスとドラム。2016年冬に50歳目前で札幌に引越し、2017年春にピアノを始めました。そして2019年6月に東京暮らしを再開。生々流転の日々です。

学ぶ必要なんて、どこにもない

学生の頃は勉強が嫌いで、社会人になってから勉強する事の楽しさを覚えた、なんて事を言う人がたまにいる。
その言い分は判らないでもない。学生の頃は勉強が義務だったのに比べて、社会人になって、自ら望んで学ぼうとすれば、姿勢や意欲が違って当然だ。

相方は、40代半ばくらいから突如スペイン語を習い出した。東京で個人レッスンを受けていて、札幌に引っ越しても、新しい先生を見つけて継続している。

俺みたいに、「もう勉強はいいや」って感じの人間からするとある意味尊敬する。ただ、相方は学生時代に明らかに勉強をサボっていた人なので、そのマイナス分を今補っているようなものかもしれない。
相方は時々、「こういう時ってどうやって勉強するの?」と俺に訊いて来る。俺は中退したとは言え、大学に入った人間(つまり、受験勉強経験者という意味)だから、その辺りのやり方を知りたいのだろう。

尤も、相方の場合は勉強というよりも、あくまでも「メキシコ人とのコミュニケーションを取る為の手段を身につけようとしている」というのが正しい。だから、続けていられるのかも。

俺は札幌でサックス教室に通い、それとは別にジャズのセッション教室にも通っている。どっちも教室だけれども、やはりこれも「学ぶ」という観点からすると程遠い。
そもそも、音楽なんて「勉強」するもんじゃない。「感じる」ものであり「楽しむ」ものだ。「音を楽しむ」と書いて「音楽」ってのは凄く上手い表現だと思う。

サックスは吹き始めてもう12年になる。残念ながら、俺の描いていた通りに吹けるようにはなっていない。何しろ、俺はサックスを始めた時に「一年後にはジャズのアドリブがガンガン吹けるようになっているんだろうなあ」と夢想していたのだ。実際は一年経っても、スケール(音階)もまともに吹けない有様だった。
当初の予定通りには全くならなかったけれども、それで良いのだ。別にプロになろうとか、そういった話じゃないのだから。

今は正直、サックスの上達に関しては何も期待していない(自分自身に)。でも、だからといって悲観している訳でもなんでもない。このまま楽しく吹ければそれでいいや、って感じなのだ。
どこかのタイミングで、良くも悪くも開き直ることが出来た。それはきっと「もう歳だし、上達も見込めないから、むしろ上達とか考えずに楽しければいいんじゃないの?」と自分自身を納得させる事が出来たからもしれない。
特に何か大きなきっかけとかは無かったのだけれども。なんとなく達観したんだよな。

だからサックス教室は、サックスの先生に何かを習うというよりも「自分よりもサックスの上手い人(俺の二周り下!だけどね)」と一緒にサックスを吹く場所だと考えている。むしろそのほうが楽しいのだ。
それにサックスの先生は若くて美人さんなのでさらに楽しい(そっちがメインだろ!とか言わないように)。
東京時代は、男性の先生にサックスを習っていたのだから。

セッション教室のほうは、サックス以外にドラム、ギター、ピアノ、ウッドベースの人達と合同レッスンを受けている。
最初のレッスンを受けた時の触れ込みだと「セッションのイロハが学べる」という事だったのだけれども、段々と「バンド形態で皆で曲を覚えて、発表会で演奏しましょー」みたいな感じになってきた。
どうも、当初の思惑と違うなぁという気がしているのだが、それも、まあ有りかなと思っている。このセッション教室のインストラクターが定期的にライブをやるので、そのライブを見に行くと、二部のセッションに参加出来るのだ。
そのセッションに参加したいが為にレッスンを受けているようなものだ。

教室の主催者からたまに「今度、@@@でライブがあるんですけど、一緒に見に行きませんか。東京から凄腕のサックスプレイヤーが来ますよ。見るのも良い勉強になります」とメールが来る。
そのメールを読むと「なんか違うよなぁ」と思ってしまう。

ジャズサックスだったら、何でもいいのか? 違うだろ。俺のサックス・アイドルはエリック・アレキサンダーだ。札幌だと生で見るのが難しい。見ようと思ったら東京まで行かないと無理だ。
彼のライブだったら、飛行機代払っても見に行く。でも、スタン・ゲッツが仮に生きていたとしても、彼のライブに金を払って見に行こうとは思わない。そういう事だ。

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ロックのライブを見に行こうぜと言われて「ローリング・ストーンズ」だったら、10万払っても惜しくない。でも、パンクバンド(具体名を出すとファンの方に悪いので、固有名詞は無し)のライブだったら、無料でも断る。ロックなら何でも良いって事じゃない。ジャズでも同じ。

それと「見ると(サックスの)勉強になる」というのも違和感しかない。俺は勉強しに音楽のライブなんか見に行きたくない。
俺がライブを見たいのは、大好きなバンドやミュージシャンの音や姿を生で聴きたい、見たいからだ。
アイドル好きの人達がいわゆる「出待ち」というのをするのだって、お気に入りのアイドルを生で目の前で見たいからだろう? それと行動原理は同じだ。

確かにプロと言われるジャズミュージシャンは皆上手い。でも、上手いミュージシャンの演奏を聴いても、それは「感心する」だけで「感動はしない」。
いや、感動しなくたって構わない。聴いて「あー、格好いいなあ」と思えるだけでも充分だ。

第一、「勉強」目的でライブなんか行っても楽しくないだろ。勉強なんて詰まらない物の代名詞なんだから。
高校に4年通って、大学に3年通って中退した人間が偉そうに言える事じゃないが、これだけは言える。
音楽に関して「勉強する」なんて言葉は使っちゃいけない。

とか言いつつ、ライブとかで一緒になったアマチュアのドラマーさんに「(貴方のドラム演奏を聴いて)勉強になりました」とか言っちゃうんだけど。
駄目じゃん。