Some Were Born To Sing The Blues

酒好き(2017年秋に断酒を宣言)、音楽好きな中年のおっさんの日々の呟き。趣味はテナーサックスとドラム。2016年冬に50歳目前で札幌に引越し、2017年春にピアノを始めました。そして2019年6月に東京暮らしを再開。生々流転の日々です。

メキシコ旅行8 2018/11/04 旅行6日目 ストリートミュージシャンと昼間のバー

旅行六日目、午後。
相方は、ダウンタウンの散歩で疲れたのか、ホテルで休んでいる(多分、昼寝をしている)。
そこで俺は、前から行きたかった楽器店の集中しているエリアを探索する事にした。

ホテルを出て、交差点を曲がると、早速ストリート・ミュージシャンの演奏が。

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弦楽器四重奏だ。いいねえ、こういったのは、日本じゃまず路上じゃお目にかかれない。なんといっても、センター二人の美人さんが素敵だ。ああ、眼福、眼福。
とはいえ、演奏していたのはクラシック系。ちょっと俺の守備範囲外だ。クラシックは嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、正直な感想は「よく判らない」なんだよなあ。
俺が習っているピアノの先生に「ぶっちゃけ、モーツアルトとバッハとベートーベンの違いが判らん」と言ったら、先生は苦笑していた。「全然違いますよ」と。
そりゃ、そのジャンルをある程度聴いてきた人には違いが明確だろう。
だが、ハードロック聴かない人にレッド・ツェッペリンとディープ・パープルの違いが判るだろうか。
ジャズに興味のない人にビル・エバンスキース・ジャレットの差を感じる事が出来るか。そういう事だ。

とりあえず、楽器店を目指して、クラシック四重奏とはおさらばした。と、今度はトランペットの音色が聴こえてくる。ギターとトランペットのデュオだ(あの楽器はペットじゃなくて、別の楽器かな?)

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これはなかなか俺好みの、ブルージーなテイストのジャズっぽい音を奏でていた。俺はトランペット系の音に関して何か言える程の者じゃないので、偉そうに言える事はない。
でも、音楽なんて楽しければ良いのだ。うん、素直に良い音色だった。ギターも枯れた良い音だ。これはチップだな、という事で10ペソ(60円!)投入。20ペソくらい払うべきだったか?

二組のミュージシャンに遭遇出来たので、これはなかなか良い経験だなと満足していたら、ん? 聴きなれた楽器の音が。これはサックスだな。
音の聴こえるほうへ行ってみると、ちゃんとしたフルバンドが路上で演奏していた。これは、凄い。ドラム、ベース、キーボード、パーカッション、ギター二本、そしてアルトサックスとテナーサックス。すげー、ビッグバンドじゃねえか。
曲はいわゆるフュージョン系だったり、アシッドジャズとでも言うべき、洒落た音楽をやっていた。

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これは楽しい。音楽ジャンル的にも、俺の好きな世界だし、それになんといっても、テナーサックスがバンドにいる。テナーサックスを趣味とする俺からしたら、こんな楽しいバンドはない。
まずはじっくりと一曲聴く。テナーサックスが良い音してるんだよなあ。俺の出せない甘いムーディな音色(一時憧れたけど、俺には出せない音色だと、途中で挫折した系列の音だ)。

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それに何といっても、このテナーサックス奏者のお兄さんがイケメンだ。俺は面食いだから男女問わず美形を見ると、それだけで嬉しくなってしまう。イケメンがテナーサックスを吹いているなんて、俺からしたら、よだれもんの世界である。
一曲演奏が終わった時点で非常に満足したので、楽器ケースの中に20ペソ紙幣を投げ込んだ。バンドの横に立っていた太目のお姉さんが「グラシヤス」と声を掛けて来る。マネージャーみたいな立ち位置の人かな?
二曲目の演奏が終わった頃は、俺は完璧にこのバンドのファンになった。楽器ケースの中に、どうやらCDが置いてあり、それを買っていく人がたまにいる。
よし、俺も買うとするか。俺はマネージャーのお姉さんのところに行って、CDを指さして「クワント・エス(いくら)?」と尋ねる。スペイン語ポンコツの俺だが、この程度なら言える。が、問題は向うが何を言うか、聴き取れないという事だ。
そこで、俺は紙に(金額を)書いて、とジェスチャーする。向うが何か言ったか、当然判らない。すると後ろの男性が「FIFTY!」と。俺は財布から50ペソをお姉さんに支払う。たったの300円だ。安いもんである。このCDは家で時々聴いている。

よし、そろそろ楽器屋に行くとするか。楽器店の密集エリアに向かう。途中で、ブレイクダンスをしている若者グループもいる。いやあ、いいねえ。こういった人達に巡りあえると楽しくなる。
人生は楽しんだ者勝ちだ。

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楽器屋が延々と何軒も並んでいる。当然、メキシコでギターやサックスなんか買える訳もないから(持って帰れない)、見るだけ。でも、見るだけでも楽しいのだ。女性が、買う予定もないのにショップに行って、洋服やアクセサリーを見て目の保養をするのと同じ理屈だ。

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店頭で、俺の憧れの楽器である「ハミングバード」(という種類のギター)が置かれていた。へえ、黒は珍しいな。ただ、聴いた事もないメーカーだった。メキシコの国産メーカーだろうか。

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ドラムセットも大量に置かれている。下手くそながら、俺は一応ドラマーでもあるからね。せっかくだから、記念にドラムスティックでも買おうかなあと思ったが、実用品はやっぱり日本で買ったほうがいいので、スティック購入はやめておいた。

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下の写真は、説明不要だろうが、楽器屋さんの写真を撮ろうと思った訳ではない。デニム姿のお姉さんが素敵だったので「盗撮」したのである。だが、あくまでも楽器屋を撮影しようとしたら、たまたま女性が映りこんだだけだ(非常に見苦しい言い訳である)。

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楽器屋さんを五軒くらい廻って、大体楽器屋巡りにも満足した。まだホテルに帰るには早い。狙いは決まっている。さっき、楽器屋のすぐ近くにバーがある事を確認していたのだ。

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ここは、いわゆるガイドブックに載っているような店じゃない。何か珍しいメニューがある訳でもない。ごくごく普通にコロナビールがあり、テキーラのボトルが並んでいて、フードメニューはビーフかチキンのタコス。そんなありきたりな店。
メキシコシティに何十、何百とあるような店だ。地元民に愛されているけれども、わざわざ観光客が時間を使ってまで寄るような店でもない。
でも、だから良いのだ。こういった変哲のない、普遍的な店が良いのだ。
店に入り、カウンターに座る。奥にはテーブルがあり、友人同士や家族連れが食事や会話を楽しんでいる。俺の前に立っていた白人バーテンダーがメニューを持ってくる。「コロナ」と告げると、すぐにボトルとライムが運ばれる。

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値段は、だいたい40ペソ(240円くらい)。安いなあ。店でコロナビールが300円未満で飲めるのだ。洋酒好きの飲兵衛には堪らない店だ。俺の隣には70歳くらいの常連のおじいさんが、別のバーテンダーとお喋りに興じている。スペイン語だから当然何を言っているか判らない。だが、どうせ奥さんの悪口か、最近の政治家は使い物にならんという愚痴か、贔屓のサッカーチームの不振を嘆いているか、そのうちのどれかだろう。

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俺にビールを運んできたバーテンダーはずっと客に背を向けてスマホをいじっている。そして、時々チャーハンみたいなものを食べている。接客中に自分の食事をするというのは日本では考えられない。だが、逆にそれが世界標準と言ってもいいかもしれない。海外にいくと、日本のサービスというものが、どれだけ厳格に定義づけられているかがよく判る。
こちらは、一人で来ているから、話し相手もいないし、言葉が判らないから他の客の会話を盗み聞きして楽しむという事も出来ない。仕方ないので、店内のテレビに映っているサッカーをちらちら見たり。

でも、こういった経験が楽しいのだ。海外に来て、一人バーでコロナビールを飲む。悪くない。コロナはお代わりした。ビール二本で500円でお釣りが来る。安いなあ。

さて、時間も良い具合だ。そろそろホテルに戻るか。と、戻る途中でまたまた別の路上バンドに遭遇。今度のバンドはロック色の強い演奏をしていた。1980年代のヒットソングを演奏していたが、曲は忘れてしまった。残念ながら、ギターとボーカルがだいぶに下手だった。でも、こうやって演奏が色々聴けるのは悪くない。

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ホテルに戻ると、相方は元気が復活していた。やっぱり、疲れた時は休息が一番だ。相方は、ネットでディナーを摂る店を調べていたらしい。「ホテルから2ブロックのところに、創業100年くらいの老舗があるらしい。評判良いから、そこに行こう」
当然、俺には断るつもりも権利もないので、頷くのみ。
ホテルからいつものメインストリートを過ぎる。すると、道がいきなり寂しい感じになる。一本道を過ぎただけで、随分と雰囲気が変わる。

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行った時間が遅かったせいか、既に待っている客が何組か。相方と「明日、もっと早い時間に来よう!」と諦める。俺達は行列に並んでまで、食事をしようとするタイプじゃない。
ホテルのすぐ横に「生コロナビール」を飲ませる店があるとこのことで、そちらに行く。ここもまた庶民的な店だ。今気づいたけど、ここも創業90年なんだな。

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コロナビールのボトルに、各種ソースが入っているのだが、鮮度が怖くて使う気になれない(笑)

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ちゃんと食事を摂る店というよりも、タコスを肴にコロナビールを飲む店、といった雰囲気だろうか。

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今日も飽きもせず(いや、飽きてるんだけどね)、タコスを注文。見た目は美味そうに見えない。が、味は見た目通りである。

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今日は、蚤の市のような露店を見る事も出来たし、楽器屋も沢山覗けた。色々なストリートミュージシャンの演奏を楽しめた。そして昼からメキシコのバーでコロナビールを飲んだ。
なんの変哲もない一日かもしれない。でも、そんな変哲のないメキシコの一日は、とても貴重だ。