Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

俺達に明日はない

f:id:somewereborntosingtheblues:20180807231003j:plain

「定年退職したら、妻と温泉旅行にでも出掛けたい」
たまに、そんな寝言をネット上で見かけるけど、馬鹿も休み休み言え!と言いたい。

そもそも、何故定年後なのか、今じゃないのか。こういった発言をする人の定年が何年後なのか知らないけれども、今の会社に勤めていて、定年後までお前は確実に自分が生きているという保証があるのか? そして妻も生きている、一緒にいる(結婚生活を保持している)という確証はどこから来るのか。

俺自身が「自分はいつ死んでもおかしくないんだな」と思ったのはプロレスラーの橋本真也さんが亡くなった時だ。俺はプロレスは全然詳しくない。未だに、猪木、馬場、タイガーマスク(佐山さんのほうね)くらいである。
橋本さんは40歳で亡くなったんじゃないかな。当時働いていた現場で夜中にシステムの入替えがあって、喫煙所で煙草を吸っていたら、橋本さんが亡くなったというニュースをやっていた(確か)。

俺は既に彼よりも年上だったから「プロレスラーなんて屈強な人が40歳くらいで死んでしまうのか。だとすれば、彼よりも年上で鍛えてもいない自分なんか、いつ死んでもおかしくねーな」と思ったものだった。
だとすると、やりたい事はやれるうちにやっておいたほうが絶対に良いのだ。
相方は海外旅行が大好きで、(俺と一緒に)毎年海外に行っているが「あと何年行けるかなー」とよく呟いている。それは海外旅行をするには、それなりの体力が要るからだ。年寄りな俺達の体力は年々落ちてきている。

アメリカみたいにバリアフリーをある程度考えてくれているところならともかく、ヨーロッパや中南米みたいに「バリアフリーってなんすか?」みたいなところも少なくない。
もう9年くらい前になるけど、サンフランシスコに行ってゴールデンゲートブリッジを二人で歩き、街まで徒歩で帰ってきた(そこはサイクリングコースなので、普通は自転車で行くらしい)。トータルで1時間くらい歩き続けた。景色が滅茶苦茶良かったのと、俺達がまだ40代前半だったこともあり、その長距離散歩は楽しかった。ただ相方と二人で「これ、5年後だったらやろうとは思わないよね」である。
楽しい事はいくつになってやってもいい。むしろやるべきだ。だが、世の中はどうしたって、体力がないと出来ないものもあるのだ。

f:id:somewereborntosingtheblues:20180807231120j:plain

俺達は金がないから、海外行く時は必ずエコノミークラスだ(金がない奴が海外いくのかよ? という突っ込みもあるだろう。だが、旅行以外で大きな贅沢はしていないのだ、俺は。相方は知らんけど)。
正直、エコノミーの席で10数時間座りっぱなしはきつい。年々きつくなってくる。往路はまだ「楽しみだなー」という高揚感が勝っているから良いのだけれども、復路は「旅行終わっちゃったなあ。ああ、また仕事だあ」と気分もダウンしているから、余計に辛い。ロト6当たったら、ビジネスクラスで海外旅行してみたい(一度でいいからファーストクラスでアメリカかヨーロッパ行ってみたいけど、まあ無理ですな)。

f:id:somewereborntosingtheblues:20180807231210j:plain

話がだいぶそれたので元に戻す。だから、やりたい事があったら、すぐにやるべきなのだ。
俺がいい歳して、ギター、ドラム、サックス、ピアノと色々手を出しているのも、「やりたい事はやろう」と思っているからだ。音楽に関しては、やりたい楽器は全て手を出したので、現時点ではこれ以上他の楽器に手を出すつもりはない、今のところ。
だけど、そのうちまた他の楽器とかもやりたくなるかもしれない。そしたら、それはそれで全然構わない。やりたい事はやるのだ。
だって、人はいつまで生きていられるか、いつ死ぬのか判らんのだぜ。だとしたら、心残りあったら嫌だろう?

俺が例えば今日の夜寝て、翌朝になっても目覚めないまま死んだとしたら、「ああ、まだブルースピアノにチャレンジしてないのになー」とか「ドラムでファンクやってないなー」とかそんな事を地獄で考えるだろう(天国に行けると思っている程図々しくはない)。結構遣り残してるのだ!
またニューヨークにも行きたいし、ポルトガル、イタリアはまだ行ってない。イギリス行ってアビーロードや切裂きジャックのバーも見てみたい。
鹿島アントラーズの優勝の瞬間をスタジアムで見たい!(今年は無理だな、トホホ)
ほらね。ちょっと羅列しただけでも、これだけ出てくる。それに明日死ぬのだったら、最後の晩餐とかこつけて、テキーラを満足するまで飲みたい。
そう考えたらまだ死ぬ訳にはいかん。でも、いつ死んでもいいように、やりたい事は可能な限りやっておこう。

ネットで「死にたくなったけど、好きなお笑い芸人の番組見たら生きる勇気出た」と書いている人がいたので、思いついて、今日のエントリを書いた。
だから、明日に延ばしてもいい仕事なんか明日にしろ。
今日やりたい楽しみが最優先だ。大好きな人に逢って、至高の時間を過ごすとかも素晴らしい事だ。見たい映画を見ておく、とかもね。
人生って、振り返ってみれば結構長いけど、過ぎる時は一瞬だ。

 

 

追記)2018/08/09 橋本真也さんは俺より年上でした。