Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

酒と煙草と男と女

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TOKIOの某山口メンバーがもう46歳だった事に驚いた。
基本的にこのBLOGで時事ネタや芸能ネタは書くつもりはない(仲間由紀恵さんに関する事を除いて)。が、某山口メンバーの事件のニュースを見ていたら、大昔のあるエピソードを思い出したので、書く。

当時、俺が27歳前後だったと思う(記憶はあやふや。そりゃ大昔の話なので)。勿論、まだ東京にいて、社員が10数人しかいない零細企業で働いていた。
その会社で温泉に旅行した。社員が車を出して、伊豆辺りに出掛けたはず(行き先も覚えていない)。零細企業の温泉旅行だから、温泉入って飯食ったら、後は部屋で皆で酒盛り。それ以外にやる事なんてある筈もない。
こういった零細企業の慰安旅行だと、社員が家族連れで来るとかのケースもあるけど、この旅行は社員のみ参加だった。
ところが、集合場所に行ってみると、社長の車から10代の女の子が降りて来た。社長の娘さんだと言う。当時、17歳前後だったかな。名前は恵美ちゃん(仮名)としておこう。
社長は今で言うところのシングルファーザーだった。だが、恵美ちゃんが小学生とかならともかく、高校生だ。小学生なら家に一人で置いておけないという心配があるだろうが、もう10代後半。一人で留守番も出来るだろう。
それに自分よりも年上の男性ばかりの集まりの社員旅行なんかに参加して楽しいものなのかな? 俺はそんな事を思った。

温泉に入り終わり、夜になると一番広い部屋で宴会開始。俺がいたこの会社は酒飲みが多く、下戸は一人くらいしかいなかった。当然、一晩の宴会に耐えうるだけの酒は大量に買い込んである。
そして酒を飲みながら、馬鹿話をしていたのだが、恵美ちゃんも車座に参加して、一緒に酒を飲んでいた。
「社長、恵美ちゃん酒呑んでますけど、良いんですか?」と誰かが問うた(俺だったかもしれない)。すると社長は「恵美は家でも父さんと一緒に呑んでるもんなー」という返事が来た(文言は覚えていないが、内容としてはそんな感じ)。

俺自身、16歳くらいから酒も煙草もやっていた人間だから、「女が、ましてや10代が酒煙草するんじゃねえ!」などと言うつもりはなかった。単に、社長の家は随分さばけてんなあと思った程度だった。
宴会でどんな話をしたかなんて当然覚えてないけど、この会社は上下関係が非常に緩かったので(この会社のメリットはそれくらい)、色々な馬鹿話を社長含め、上司も部下も一緒になって興じていた。

気付くと、恵美ちゃんは俺の横に座っていた。俺は酒を飲みながら煙草もガンガン吸っていた(当時の俺は、宴会となると殆ど飯も碌に喰わず、酒と煙草オンリーという不健康の固まりみたいな奴だった)。
恵美ちゃんが灰皿に置かれた俺の煙草を見て「なんで噛むの?」と問うてきた。
「さあ、なんでだろうね。癖なんじゃない」と返す。俺は煙草のフィルターを噛む癖があった。新しい煙草を銜える度に、恵美ちゃんに「噛んじゃ駄目だよー」と注意された。
当然、癖だからそんな事言われても治るわけがないけれども。

恵美ちゃんが俺の横に来たのは、物凄く単純に俺が若手の部類だったからだろう。ようは一番世代が近いという事だ。それでも10歳くらいは違ったと思うけれども。
恵美ちゃんは社長の娘にしては可愛かったけれども、さすがに俺も10代の女の子に対して惹かれたりはしない。俺がまだ20代前半とかだったら違ったかもしれないけれど。20代後半の男性にとって、10代の女の子なんて未知の生き物だ。
そして根本的な問題として、俺は若い女性に余り興味がなかった。ま、一言で言うと俺は年上好きだったのだ。俺の中で恵美ちゃんは女性の分類には入っていなかった。

その後、俺は30代になり、40代と年齢を重ねたけれども、やっぱり若い子にはあまり興味が湧かなかった。だから40前後の男性が「やっぱ付き合うなら、若い子が良いよなー」という趣旨の発言を聴いても、まったく賛同出来なかった。
(ちなみに50を過ぎた今では、恋愛自体と無縁の仙人みたいな状態になったので、もはや年上も年下もないけれど)

宴会が進み、酒も煙草も阿保みたいに消費していった。そして灰皿に置かれた煙草を吸おうとすると、俺の煙草がない。あれ、さっき火点けたばかりなのにな、そう思っていると、恵美ちゃんが俺の煙草を吸っていた。
「煙草を吸うんじゃない」と恵美ちゃんをたしなめて、俺は煙草を取り返した。そんな事が数回あった。そもそも社長は煙草を吸うのだから、恵美ちゃんが煙草を吸いたければ、父親から貰えばいい。また、俺の煙草を吸うのは構わないけれども、まだ火のついてない新品がパッケージの中にあるのだ。わざわざ俺の吸いかけを吸う理由が判らない。

その時は判らなかったけれども、客観的な話として、恵美ちゃんは俺の事を多少なりとも良いなと思っていたのかもしれない(自惚れんな、ジジイ!と思う方もいるだろう。が、当時はまだジジイじゃなくてお兄さんだ)。だが、10歳以上も歳が離れた男性と会話をしようとしたって共通点がない。だから、煙草を会話の接ぎ穂にしようとしていたのかもしれない。
この辺りは全て想像だ。後で恵美ちゃんに確認した訳じゃないので。

流れは覚えていないのだけれども、宴会が進んで皆が酔っ払ってきた辺りで、恵美ちゃんが俺に抱きついてきた。
この時、恵美ちゃんをたしなめたのか、それとももう面倒くさくなって、そのままにしていたのかも覚えていない。こんな行為をするくらいだから、恵美ちゃんも相当酔っ払っていたんだろう。
が、その様子を見ていた、俺の上司A(当時30代後半)が、「ボクも、ボクもー」と言って両手を広げて、恵美ちゃんにハグをリクエストした。恵美ちゃんは酔っていたのか、上司Aにも抱き着いていた。

俺はこの時、心底「上司Aって馬鹿なんじゃないだろうか」と思った。自分より20歳近く年下の10代の女の子にハグを求めるって、男としてどうなんだ? 呆れ果てた。
いくら女にもてないからと言って、酔った10代の子にハグを要求するような男になったら、お仕舞いである。恥を知れと言いたい。
と、恥の多い人生を送って来たオッサン(というかもう既におじいさん)が過去のエピソードを思い出したので書いてみた。
特にオチとかはない。

ちなみに、この話がどう歪曲されて伝わったのかは俺の知るところではないが、当時の恋人から「若い子相手にして恥ずかしくないの!?」と横面を張り倒されたという過不足ないオチが着いた事を記しておく。ってゆーか、オチあるんじゃねえか。