Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

酒よ、さらば

酒を定期的に呑むようになったのが17歳くらいからだった。当時、勿論高校生。身長を伸ばしたかったから、煙草は吸っていなかった。
酒はもっぱら部屋で一人で呑んでいた。なんで酒を呑んでいたかというと、物凄く単純な理由で酒が好きだったからだ。多分、この辺りは親父の血を引いているせいだと思う。
また、17歳で居酒屋でバイトしていたので、ちょくちょく店の酒を盗んで呑んでいた。俺は老け顔だったから、お客さんから「お兄さん、いくつ?」とか訊かれると平気で「22です」とか答えていた。不審がる人はいなかった。

バイト先の居酒屋の板場のバイト仲間である武藤君と仲良くなって、ちょくちょく酒を呑みに行った。当時は今みたいに未成年に見える人に身分証明書を提示させるような仕組みはなかった。
俺と武藤君が働いていた居酒屋は23時閉店。そこから店内の片づけを終え、零時過ぎまでやっている別の居酒屋に呑みに行くのだ。調子にのって呑みすぎて、翌日高校をさぼった事も何度かあった。
今でも覚えているのが、修学旅行の朝、二日酔いだった事だ。集合場所に行ったら、担任から「お前、酒臭いぞ。また呑んできたのかー」と背中をどつかれた。

酒は若いうちから呑み始めたが、いつまで経っても大人の呑み方を習得する事が出来なかった。呑むと必ず二日酔いになった。30過ぎても、やっぱり呑み方は変わらなかった。
当時の恋人に呆れ顔で言われた。「君ってさ、ビールもワインも日本酒も同じペースで呑むんだもん。酔っ払うに決まってるよ」

多分、人生で一番呑んでいたのは30代前半だ。というのも、この頃転職した関係で少々ながら給料が上がり、自由になる金が増えた。そのせいで、毎週毎週呑んでいた。週末だけじゃない。平日も平気だ。月曜や火曜に同僚と馴染の店で呑み、夜中の2時過ぎまで呑んでいる、なんて事もしょっちゅうだった。

店で呑まなくても家でも呑んでいた。あの頃はもっぱらジンビームというバーボンを呑んでいた。平均して2日でボトル1本空けていた。飲み方はストレート。オンザロックにしなかったのは、単純に氷を準備するのが面倒だったから。それだけだった。
毎日午前中は二日酔いで頭が働かなかった。職場では、極力午前中は打合せをしないようにした。酒臭かったからだ。
俺の正面の席に座っている女性から「お酒臭いので、ガムとかで臭いをなんとかして下さい」というメールが来た事もあった。

休肝日という言葉とも無縁で1年365日呑んでいた。

当時の恋人が何故かオカマバーに嵌って、毎週浅草の某オカマバーに通っていた。キムタクのHEROというドラマに「あるよ」しか言わないバーのマスターがいただろう。マスターを演じた俳優さんにそっくりなオカマのキヨちゃんが俺達の相手だった。
或る日、酔った勢いで、キヨちゃんと俺の恋人がキスをしていた。
自分の恋人が他の男(この場合、男なのか?)とキスをしているのを目の前で見たのはそれが最初で最後の経験だ。勿論、酒の席での出来事だし、相手も相手だから俺も怒ったりはしなかったけど。

酒に関してはかなりの失敗をした。とてもここに書けないような事もいくつかやらかした。一月の呑み代が10万超えた月もあった。俺はベンチャー企業の社長じゃない。一介のサラリーマンだ。一月10万も使う馬鹿はいない。

30代というのは、20代よりも金があり、40代よりも酒を呑む体力があった。あれだけ酒を呑んだのは必然なのかもしれない。


とまあ、酒を30年以上呑んできたのだけれども、断酒する事にした。


理由を書くと長くなるので、割愛する。ちなみにドクターストップじゃない。自分の意志だ。

人の人生分くらいの酒はもう既に呑んだ。今まで色んなシチュエーションで酒を呑んできた。それが一切合切無くなる。まだ体験した事がないので、どんな感じなのか良く判らない。
だが、とにかくやってみるさ。

人を悲しませてまで、酒を呑んで良い筈がないから。

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