Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

スペイン旅行8 2016/10/11 旅行5日目 フラメンコを観る@コルドバ

コルドバ二日目。起きてみると、外は雨だった。「雨のスペイン」てなんか響きが抒情的だ。だが、観光で雨は痛い。とにかく雨が降っていると行動が制限されるからなあ。

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昨日、ホテルのフロントに近辺の地図を貰い、「ここはいくべきスポット」みたいなのを教えて貰ったので、そこを順番に観る事にした。まずはメスキータ。メスキータというのはスペイン語でモスクの意味(モスク=イスラム教の礼拝堂)。行ってみると観光客でごった返していた。この日はちょうど祝日に当たっていたのだ。相方が「あんまり混んでると嫌だから、後で来ようよ」と提案。そこで、じゃあ別のところを観に行こうとなった。
地図を見ながら、ローマ橋へと。14世紀に作られた橋だとか。

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雨が降っているので、傘を差さなければいけないのが面倒だが、景色は悪くない。

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ここ、ライトアップされるという事を帰国後に知った。失敗した。だったら夜観に来れば良かったなあ。この辺り、事前チェックが甘いからな。仕方ないのだ。でも、充分堪能したけどね。

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橋の向うまで渡ると博物館があったのだが、それは見ても大して楽しくないだろうということで、博物館はパス。戻って、適当に散策。昨日はコルドバに来たのが遅かったから街全体を回ってないし。時間もある。慌てる必要はどこにもないのだ。と、歩いていると、水車を発見。もう使われていないようだ。猫たちの住処になっていた。

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ここ、コルドバは街全体が世界遺産。つまり、当然の事ながらメジャーな観光エリア。大きな観光バスが次から次へとやってきては、大量の観光客を吐き出していった。時期がオフシーズンだったからかもしれないが、この街では殆ど日本人にも遭遇しなかった。それも良かった。

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地球の歩き方」を見ながら、相方に何観たい?と訊くと「アルカサル」を観たいと言う。アルカサルというのは王様の住居の事だ(多分)。最初は城だったのかな。適当である。入場料5ユーロ払う。とにかく、何か見ようとすると必ず支払いが発生するので、結構金が掛かるのであった。

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アルカサルは内部はあまり見るものがなくて面白くなかった。俺的には「これは外れだったなー」という感じ。ただ、外の見張り台みたいなところからコルドバの街を見下ろす事が出来たので、それは良かったように思う。

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ここは、建物の中よりも庭が素晴らしかった。緑と水だよなあ、やっぱり。王様が住んでいたから庭園が立派なのか、後々観光用に整備したのかは判らないけど、とにかく素晴らしかった。この庭を、傘を差しながら、のんびり散歩出来たのは悪くなかった。

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そして、そろそろ空いたんじゃないかと、またメスキータへ。

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行ってみると、どうやら入場制限の関係で午後にならないと入れないのだ。そこで適当に門の写真とかを撮ってお茶を濁す。相方は「メスキータは最終日に来てもいいんじゃないかなー」と言う。今日は祝日で混んでるしね。

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地球の歩き方を読むと、「花の小径」なる通りがあるらしい。行ってみる。残念ながらもう花の季節じゃなかったせいか、今一つ鉢植えが寂しい感じ(笑)

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相方と「まあシーズンオフだから仕方ないね」と諦める。9月とかだったら、もっと綺麗かもしれない。
この辺りから、段々と無目的に街を歩き回るようになる。普通に街を歩いているだけでも楽しいから無問題なのだ。
偶々、フラメンコのショーをやっているっぽい店に遭遇。相方は日本にいる時から「フラメンコは観たい!」と言っていたのだ。無論、俺も観たい(笑)

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中に入ると、店のスタッフ(店長? オーナー?)みたいな人が出て来た。相方が時間とか色々訊いている。すると、どうやら今日の22時からショーをやるらしい(多分、毎晩やってんだろうな)。そこで、保証金20ユーロ預けてステージから一番近い席を予約出来た。ラッキーである。こうやって適当に歩いていたら店に遭遇出来たのだから。ここは規模が小さく、定員が30人くらいだった。実際夜観に行ったら満席だった。だから俺達が所謂「砂かぶり席」をゲット出来たのは、運以外の何物でもない。
下の写真がステージだ。ちなみに右端に写っている女性は全然知らない観光客(本当は彼女がいなくなってから写真を撮ろうと思っていたが、この人全然どかないんだもん。何枚も写真撮ってるし)。

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このステージ(椅子の数)から、俺達はフラメンコの演者が4人であることを推察出来た。

さらに街を散策。雨も上がったので、良かった、良かった。とにかく驚くのが、カフェの多さだ。日本とは比較にならない。東京の月島をご存じだろうか。あのお好み焼き(もんじゃ焼き)で有名な街だ。あんな感じでと言ったら大げさかもしれないが、そのくらいカフェが多い。

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そして、ホテルで貰った地図にあったポトロ広場へ行く。ここは「ドン・キホーテ」に登場する旅籠があるのだとか(ガイドブックの受売り)。

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行ってみたら、何にもなくて、滅茶苦茶小さくて笑ってしまった。テニスコートくらいの広さしかなかった。これで広場かよ?って感じ。

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博物館とかあったのだけれども、俺も相方も食指が動かなかったので、適当に歩こうとなった。こういう時に困るのが相方の謎の「道案内依存症候群」(俺が勝手に命名)である。俺はツアーコンダクターでもなければ、スペイン在住者でもない。なのに平気で相方は俺に「ねえ、次の道、右?左?」と訊いてくるのだ。そんなん、判るわけねーじゃん!ホテルから貰った地図はかなり正確だが、俺達自身の目的地も決まっていなければ、スペイン語を読み取る能力もない状態で、行先なぞ決めようがないのだ。
だから、適当に感覚に任せて歩く事にした。下の写真はなんか、よく判らない道での撮影。なんでこんなとこで写真撮ろうと相方は思ったのであろうか。永遠の謎だ。

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暫く歩いていたら、凄く広い場所に出た。建物もでかい。だが、ガイドブックには載っていないし、特に観光名所という訳でもなさそうだ。相方がスマホで検索したようだが、特にヒットしなかった。なんだろ、スペイン版の団地なのかな?

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またまた適当に歩く。俺達の観光の80%は「適当に歩く」である。無目的に歩くのが俺達の観光スタイルだ(別に偉そうに定義する程のもんじゃない)。
そしたら、偶然ジャズバーに遭遇。へー、スペイン人もジャズやるのかーと嬉しくなった。

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入り口見たら、夜はセッションやるとか書かれていて、「くそー、セッション参加してー」と思ったのはここだけの秘密だ。俺はジャズドラムは基本のフォービートがなんとか叩ける程度の超初心者なんだけど、海外でジャズセッションやれたら最高だよなあ。当然、相方がそんな俺の望みにOKを出す訳はないので、涙を呑んで諦めた。
またまた適当に歩いていると不思議な円柱に遭遇。なんだこれ? ちなみに左に写っているのは市役所。相方はスマホで調べていたが、どうやら明確な答えは出なかった模様。ローマ時代の遺跡がどうたらこうたら…よく判らない

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さらに歩くと、今度は正真正銘の広場に出た。ここは広い。いい場所だなあ。

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もう、こういった場所に遭遇する度に相方が言っていた言葉を再度引用しよう「いちいち無駄に恰好良い!」俺も賛成だ。
下は公衆トイレ。ただし、有料。コインかカードを入れないとドアが開かないらしい。俺は運よく使わずに済んだ。日本みたいに複数の人が使える無料公衆トイレって世界ではあまりない気がする。それは当然の話として、性的犯罪や薬売買が絡むからだ。

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適当に歩き回ったけれども、運よく自分達がどこにいるかは把握出来た。結構ホテルからは遠くまで来たんだけど、歩いて帰れる距離である。一旦戻ろうかという話になった。今回のスペイン旅行ほど歩き回った旅行は過去にない。
時間が午後の3時過ぎくらい。相方が腹が減ったと言い出した。俺は朝食のビュッフェを喰い過ぎて、殆ど腹が減っていない。仕方ないので、適当な店に入って食事を摂る事にした。時間的には遅いランチor早いディナーである。
相方は腹が減っているせいか、明らかに注文し過ぎである。腹減ってるとそういう事あるよね。
まあ、店に入ると無条件で俺はビール(時間が遅ければワインだけどね。まだ日も落ちてないし)。

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相方が注文したトマトの冷製スープ。これが一人前だ。量多すぎるだろ!

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スパゲティ、ミートソース。これ、子供用らしい(笑)

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そして、昨日に続いてオックステール煮込み。オニオンリングが沢山である。

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スープ、スパゲッティが8ユーロ、オックステールの煮込みが12ユーロくらい、だったかな?(ちゃんとメモしてる訳じゃないから、殆ど記憶モードだ) 飲み物込で40ユーロちょっとくらいだろうか。1ユーロ≒120だから、ランチで五千円なのだ。高いよな。まあ観光地価格だ、仕方あるまい。
で、食べ終わって、ウエイターに「ラクエンタ、ポルファボール(会計、お願いします!」と言ったところ、暫くして別のウエイターから「Sorry, He didn't understand what you said」と言われてショックを受けた。今まで「ラクエンタ、ポルファボール」が通じなかったことなかったぞ! で、その英語で話してくれた彼に再度同じ事をスペイン語で言ったら、オーケー、オーケーと頷いていた。全く、きっと忙しくてちゃんと聞いていなかったんだろう、最初のウエイターは。うん、そう思ったほうが精神衛生上いいな(笑)

そうしてホテルに戻り、暫し休憩。今日は夜の22時から、フラメンコだからね。部屋でゆっくり過ごす。部屋の窓から夜のメスキータとかが見えたりして、雰囲気良いんだよなあ

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時間になったので、出掛ける。フラメンコ、楽しみだなあ。

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店に到着。さすがにここで「お前らの予約なんて知らん」とはならないだろうとは思っていた(メキシコとかだとありそうだけど、スペインくらいなら大丈夫な気がした)。

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今回は俺達はディナー無しで予約。オプションでディナーありも選べるらしい。純粋なフラメンコショーだけだと、一人30ユーロ(飲み物込。だからといってバカバカ呑むような下品な人はいない)。

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俺達が席に座った後も、奥からフラメンコのダンスの音が聞こえてくる。相方と「今更リハーサルかよ。もしかして、ど素人なんじゃね?」「今日初めて組むから、念入りにやってるのかもよ」俺達は勝手に推察。
10分程予定を押して、演者がステージに。
今日は、女性ダンサー、男性ダンサー、歌い手、ギター弾きの4人メンバーでした。

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ギタリストが若い頃のエリック・クラプトンみたいで恰好良い! 一応ギター弾きの俺からすると、スパニッシュギターって凄い! としか言いようがない。とにかく格好良い。いやあ、生で聴けて最高でした。

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また、フラメンコはいきなりダンサーが躍る、という訳でもないらしく、スパニッシュギターに合わせて歌い手が歌うと、後ろでダンサー達は手拍子を入れる。その拍がとにかく不思議でびっくりした。

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俺もアマチュアドラマーの端くれで手拍子を取りつつリズムを捉えようとしたんだけど、いやあ吃驚。さっぱり判んない。何拍子なんだろ、あれ。暫くやっていたら、手拍子は合わせられたんだけど、それをドラムに置き換えたらどうやって叩くのか、さっぱりイメージ出来なかった。
下の二人がダンサー。でも、この日は殆ど女性ダンサーばっかりだった、踊るのは。俺的には全然オーケーだったけどね。

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そして、お待ちかね。ついにダンサーが躍りだした。いやあ、凄い。こういったのって、文章なんかで凄さを表現できないのがもどかしい。いや、文才のある人なら表現できるのかもしれないけど、俺には無理だ。「情熱と魂の叫び」って陳腐だけど、そうとしか言いようのない踊りだった。

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一曲自体は5分くらい。で、曲の最後のところでダンサーが客に向かって見栄を切る。歌舞伎みたいなもんだよね。そこで俺達は拍手喝采。その時、女性ダンサーの胸やお腹の辺りが凄い勢いで収縮している。顔や首筋には玉のような汗。そりゃ、あんだけの踊りをすれば息も切れるだろうなあって感じ。
女性ダンサーはスカートの裾を持ち上げて激しく踊ったりもする。だから時々太ももとか下手すると下着とかも見えたりするんだけど、「エロい」とは全然思わなかったな。それよりも「すげー」っていう思いのほうが強かった。俺の中でフラメンコダンサーはアスリートの位置づけだ。
トータルで1時間くらい。割とこじんまりした感じだった。前半は女性ダンサーがメインで、俺達は「男性ダンサーいつ踊るんだろうね?」と囁きあっていたが、後半ソロでちょっと躍ったくらい。まあ、女性ダンサーメインのほうがいいのは間違いないけど。

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ショーが終わったのは23時半くらい。ここからホテルまでは徒歩で5分程度。相方と非常に満足してホテルまで戻った。いやあ、いいショーを観れたなあ。海外の観光客の人達が歌舞伎を見たがる理由がなんとなく判ったような気がした。伝統芸能はやはり守るだけの意味があるんだよなあ。